
どこの馬の骨かわからない人の話は聞いてもらえない【自己紹介の大切さ】
いやいや、違う、コンテンツが大事なのだ。
結論としては、正しいだろう。しかし、これは最後までしっかりと聞いてもらってから、評価されること。ならば、聞いてもらうための仕掛けが欠かせない。
何を言うか、よりも誰が言うかが重視される世の中だ。SNSの影響で、なおこの傾向が強くなっている。
この良し悪しはともかく、これが現実なので、大衆に向けて発信するならばこの点を理解しなければならない。CMなどで、有名なタレントやインフルエンサーと呼ばれる人たちが起用されるのは、商品やサービスの中身よりも、認知や関心を得ることを優先しているからだろう。
作り手がわざわざ出来の悪いものを世の中に放つことはほとんどないのだろうから、どれほど良いものかをしつこく言うことにはあまり意味がなく、人気者に身につけてもらって、流行らせてしまうのが効果的である。細かいことを比較して求めるほど消費者はお利口さんではなくて、知らない学者の話よりも、近所のおばさんの話を信じるのである。
私は、仕事においては自己紹介がとても重要であるといつも言っている。別に権威主義を好むわけではないが、冒頭で申し上げたとおり、相手に話を聞きにきてもらい、しっかりと聞いてもらうことを目指すならば、己が何者であるかを開示することだ。
何をやってきた人で、何ができる人で、何を任せられる人なのか、この点を明解に伝えられる人は、頼りになる印象だ。逆に、何をやっているのかはっきりしない人や、あれもこれもととりとめのないことを言っている人は、印象に残らずまったく覚えていない。
ところで、ある転職エージェントと話していたときのこと、社会人経験が20年以上ある人で、職務経歴書がまったく書けない人が多くいると聞いて、驚いたことがある。おそらく、何も考えることなく、朝晩通勤して生きてきてしまったのだろう。私は、定期的にキャリアを棚卸しして、文書にまとめている。資料として使うことが目的だが、気づいたら、齢だけとってしまっていたとならないためでもあるわけで。