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読書感想短歌

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2021年に読んだ本と、読書メモがわりのなんちゃって短歌。
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記事一覧

{読書感想短歌*176} あんびるやすこ『きえた魔法のダイヤ』

{読書感想短歌*176} あんびるやすこ『きえた魔法のダイヤ』

わたしってステキでしょう?と言うことは マウントじゃないよ あなたも、ステキ。watasitte sutekidesyou? to iukotowa maunto janaiyo anatamo, suteki.

2月の妖精が行方不明に。どうやら、ほかの姉妹の月は花や雪やできらびやかなのに、〈私だけ地味!〉ってとこに嫌気がさしたらしい。ツンデレ魔女のシルクちゃんが、ドレスもモチベーションもおなお

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{読書感想短歌*174} サラ・ペニーパッカー『どうなっちゃってるの!?クレメンタイン』

{読書感想短歌*174} サラ・ペニーパッカー『どうなっちゃってるの!?クレメンタイン』

フルーツの名を冠されたジューシーガール さっぱりしたけりゃわたしを呼んで!fruits no nawo kansareta juicy girl sapparisitakerya watasiwo yonde!

他に気になることがあるのに、「集中して!」って言われる理不尽感などをひさびさに思い出して、クスクス笑った。大人は、〈集中させたい〉ものに集中できない子を叱ってしまいがちだけど、そんなこと

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{読書感想短歌*172} ウィリアム・ベル『地球からのメッセージ』

{読書感想短歌*172} ウィリアム・ベル『地球からのメッセージ』

人はたぶん いろんな声で鳴きすぎて 伝わらなくなるみたいだ、ってクジラがhitowa tabun ironna koede nakisugite tutawaranakunaru mitaida, tte kujiraga

小さな町のなかに、大手企業の森林伐採の仕事で食べているひとたちと、自然保護のために伐採に反対しているひとたちがいて…っていう構図が、子どもたちの目線から書かれてる。正しいこと

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{読書感想短歌*171} 輿水泰弘・碇卯人ほか『相棒 season4上』

{読書感想短歌*171} 輿水泰弘・碇卯人ほか『相棒 season4上』

君じゃない誰かの横にいるなんて思いもせずに笑ってた頃kimijanai darekano yokoni irunante omoimo sezuni waratteta koro

薫ちゃん時代って長かったんだなぁ、って、ノベライズ読み出して改めて思っている。寺脇康文さんだいすきでね、松本明子さんの相手役やってたドラマがあるんですけど、その寺脇康文さんもだいすきでね…(相棒関係なくなった)

※薫

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{読書感想短歌*170} 梶よう子『桃のひこばえ 御薬園同心水上草介』

{読書感想短歌*170} 梶よう子『桃のひこばえ 御薬園同心水上草介』

風に添い揺れる草にも根はあって 今日も世界を吸い上げているkazenisoi yureru kusanimo newa atte kyoumo sekaiwo suiageteiru

時代劇を観る層にはおなじみの小石川療養所は、小石川御薬園という将軍家の薬草園(※かなり広い。)の一部なんだそうです。主人公の水上草介は、その御薬園で働く同心。同心つっても御用だ御用だとは縁がなく、刀の替わりに園芸用

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{読書感想短歌*175} ディクスン・カー『連続殺人事件』

{読書感想短歌*175} ディクスン・カー『連続殺人事件』

にぎわしくトムとジェリーがケンカする間にもどこかで殺人事件nigiwasiku Tom and Jerry ga kenkasuru manimo dokokade satujinjiken

呑気な性格だからか、カーの作品の中でもコメディ色の強いものがすき。このお話は、主人公2人の出会い方から、ケンカしてるうちに仲良くなっちゃう過程、事件に巻き込まれてついつい恋愛関係に発展しちゃう感じなどなど、

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{読書感想短歌*169} 誉田哲也『ブルーマーダー』

{読書感想短歌*169} 誉田哲也『ブルーマーダー』

正義とは語る端から言い訳になるナマモノだ 心で灯せseigitowa kataruhasikara iiwakeninaru namamonoda kokorode tomose

姫川玲子シリーズ。裏社会のひとたちが次々姿を消して行く、どうやら殺されて消されているらしいのだけれど、被害者同士に接点はなくて…みたいな。誉田作品の常として、痛そうな描写がそれはそれは痛そうなので、ところどころ脳内の〈

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{読書感想短歌*168} 恩田陸『七月に流れる花』

{読書感想短歌*168} 恩田陸『七月に流れる花』

生まれます、死んでゆきます私たち そういう声で小鳥はうたうumaremasu, sindeyukimasu watasitati souiu koede kotoriwa utau

致死率の高い感染症が流行したあとの世界。夏休みに、町から数名の中学生が選ばれて、〈お城〉に合宿にゆく。引っ越してきたばかりの主人公は、これがどういう集まりなのかも、何の意味があるのかもわからず不安なままついてゆく。そ

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{読書感想短歌*167} 誉田哲也『歌舞伎町セブン』

{読書感想短歌*167} 誉田哲也『歌舞伎町セブン』

正しくも美しくもない僕にでも守りたいひとがいるその町の夜明けtadasikumo utukusikumonai bokunidemo mamoritai hitoga iru sono matino yoake

ジウ系列の別シリーズ。歌舞伎町には、法で裁けない悪に制裁を下してくれる謎のグループがあってだな…ていう、都市伝説ぽい設定だいすき。あとこの人…ぜったいあの人だよね…はっきりとは語られてな

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{読書感想短歌*166} アルフレッド・ワードハイマー『エルヴィス・プレスリー 21歳の肖像』

{読書感想短歌*166} アルフレッド・ワードハイマー『エルヴィス・プレスリー 21歳の肖像』

エルヴィスのななめうしろに立つひとの翳りとふいの笑顔に付箋ELVIS no nanameusironi tatu hitono kagerito fuino egaoni fusen

エルヴィス・プレスリーにかんするお芝居の台本を書いていたとき、関連本をいくつか読んだのだけれども、いちばん時間をかけてしまったのがこの写真集。とにかく眺めちゃう。女の子を口説いてキスするまでの数ショット(空気になり

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{読書感想短歌*165} あんびるやすこ『ドラゴンの正しいしつけ方』

{読書感想短歌*165} あんびるやすこ『ドラゴンの正しいしつけ方』

がおがおと吠えてるくらいがイキのいい女なんだわ しつけとか、無用。gaogao to hoeterukuraiga ikinoii onna nandawa situketoka, muyou.

ツンデレおさいほう魔女シルクちゃん。今回は、〈ちょっとドラゴンのベイビーをあずかって♡〉ていうムチャブリに、ツンツンツンツン、たま〜にデレ、くらいの割合で立ち向かいます。赤ちゃんドラゴン、ピンク色ってか

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{読書感想短歌*164} 輿水泰弘ほか『相棒 season3下』

{読書感想短歌*164} 輿水泰弘ほか『相棒 season3下』

人名のしりとり必勝法として「か」が来るたびに歴代の相棒jinmeino siritori hissyouhou tosite "ka" ga kurutabini rekidaino aibou

season3くらいになると、薫ちゃんが右京さんをまるまる信じてる感じがしてきてイイ。何かしてください、って言われたときに、以前なら理由を聞いてただろうところを、とりあえず走り出しといて後で聞こう、みた

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{読書感想短歌*163}ディクスン・カー 『テニスコートの殺人』

{読書感想短歌*163}ディクスン・カー 『テニスコートの殺人』

そんなにも手間暇かけたトリックで殺したい人は思いつけないsonnanimo temahimakaketa trick de korositai hitowa omoitukenai

個人的にすきなカー作品のパターンとして、〈探偵側じゃないひと目線〉で物語が進むやつ、っていうのがある。もちろん犯人でもないんだけど、積極的に事件を解決したいわけでもなく、加えてちょっと隠したいことや人に言えないことが

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{読書感想短歌*162}ロバート・ニュートン・ペック 『スープ』

{読書感想短歌*162}ロバート・ニュートン・ペック 『スープ』

おべんきょうだけじゃココロの栄養がかたよるよ ほら〈スープ〉はいかが?obenkyou dakeja kokorono eiyouga katayoruyo, Have a cup of soup!

いたずらっこすぎる親友にふりまわされながらも、それがけっこう楽しい、という、うわぁいかにも少年期!な少年の日常ものがたり。楽しいことばかりじゃないし、悩みだってたぶんあるんだけど、〈だけど、君がいる

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