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“世界の「モノ」、「コト」、「場所」、「人」の魅力を再発見する” DISCOVER Ltd. 代表 齊藤秀平さん

日本の魅力を世界に発信し続ける、齊藤秀平さんのお話を伺いました。

齊藤秀平さんプロフィール
出身地:東京
活動地域:関東、関西
経歴:オーストラリアの大学卒業後に外資系会社に入社。
その後、Webマーケティング会社に転職し、現在はインバウンド向けのサービスを展開するDISCOVER Ltd.を設立。
現在の職業および活動:インバウンド向けのサービスを展開
モットー:「楽しいことは楽じゃない」「何よりも体験することが重要」

日本の魅力を世界に伝えていきたい

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Q:どんな夢を持っていますか?

齊藤秀平さん(以下、齊藤 敬称略):自分が日本人であるとか日本に住んでいるというのが、すごく大きなリソースだと思っています。「日本人として、日本の魅力を世界に伝えていきたい」というのが夢です。

記者:日本の魅力というと?

齊藤:日本て島国で狭くて閉鎖的で…など色々と言われてはいますが、他の国と比べても歴史的な背景だったりとか、四季みたいなものも含めて、かなり多くの資産があると思っています。その中でも文化みたいなとこが根強くあって、その文化が、世界に認められやすい文化、世界でも受けの良い文化、っていうのもいっぱい持っていて、そういうところが大きな魅力になっていて、個人でもお祭りとか参加したり、数多くの魅力がありますね。

Q:現在どのような活動をしていますか?

齊藤:まず、マーケットの話をさせてもらいますね。日本て、2018年で2,000万ぐらいの訪日の外国人がいて、2020年までに約4,000万人ぐらいのお客様いらっしゃると言われています。6兆円規模ぐらいのマーケットです。
主に外国人の方が日本に来る理由は、大きく分けて3つです。1つ目が、約8割の方が日本の食文化に対してすごく興味を持っている。2つ目が、ショッピング。何かを買うとかの一方で何かを転売するとかいう目的で来られる方もいて、すごく増えて来ています。そして、3つ目が観光です。

そうした時に今、主にやっていることとしては、その3つのうちの観光の部分。ラウンドオペレーターという業務です。外国人の方を集めて、東京と京都メインで、実際に旗を振って現地観光するというものです。それに合わせて、東京と京都の方で、宿泊もちょっとやっていて、東京だと新橋と築地、京都は市内と中心地。一応その滞在先とツアーパッケージを現状は回しています。
あとは、集客というとこではメディア事業部もちょっとずつやっています。

日本を活性化して、本当の価値ある情報を世界に届けたい

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Q:今後やっていきたいことや計画はありますか?

齊藤:ちょっとずつやり始めているのは、日本酒です。小さい酒蔵さんが、ちょっとずつ露出していきたい、海外の人たちにどんどんアプローチしていきたいっていうので、直近では、“サケノミー“っていうイベントに参加して、日本酒応援団さんという酒蔵さんのお手伝いをさせてもらいました。日本古来のものを海外に出すという、食という部位にアプローチするような形でイベントみたいなのを今後ちょっとやっていきたいなと思っています。来年、フーデックスというアジア最大級の展示会で、酒蔵の方を世界に発信するというイベントに出させてもらいます。毎年、ユーザーとして参加してる中、コネクションができたので、今度は出展側として。来年までのイメージとしては、そんな感じです。

今後は日本の良さを引き続き伝えていくということで、プラットフォーム作っていきたいな、というのは計画としてありますね。今はBtoCをしているので、CtoCにしていきたい。日本独特のプラットフォームだけ作るって難しいんですど、何か繋げられるようなイベント作ったりとか。観光名所というか、そういうもののプロデュースみたいなのも実はちょっと話があって。日本を活性化して、本当の価値のある情報を世界に届けたい、というのが目的なんですよね。その上で何ができるのかってなった時にプラットフォームってなかなかまだ言語化できてないんだけど、オンライン上のプラットフォームなのか、アプリなのかわからないけど、そういうのを作りたい。あとは、これはまとまってないんだけど、植物園作りたいんですよね。

記者:植物園ですか?

齊藤:植物園というか、わかりやすいから植物園って話なんですけど。
何が言いたいかというと、日本て先ほども言ったんですけど、これだけ歴史的な背景とか、四季的なリソースがめちゃめちゃある国って世界でもなかなかない。治安も良くて。日本として独自の文化が認められて、日本国というところで日本語が喋られている。だけど、いつでも何回でも来れるかというと、人生において、一回しか来れない可能性もあるよね、となった時に、日本て夏来たら夏の良さがあるし、春来たら春の良さがあるし、秋来たら秋だし、冬は冬だし、同じ国でも四季が違えば全然、色が違うし場所によっても全然違う。日本のテクノロジーとかキャラクターとか、そういうのではなく、日本が本来持っている固有の資産とか、そういうところを体験してもらえる例えが植物園。いわゆる春だったら桜が見れるよね、でも春に来れない人は、一生桜見れないのか。でも、そういう植物園に来ることで、四季を感じられるよね、みたいな体験型の観光スポットとか。体験ですよね。植物園で表現するのがすごくわかりやすいと思って。

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Q:活動するにあたっての行動指針があれば教えてください

齊藤:リアルを大切にしていますね。僕、実はオーストラリアに生活していた時期があって。「日本てこんなイメージなんです」っていうのも海外行くとちょっと認識と違うことだったり、すごく詳しい人はすごく詳しい、僕ら日本人よりも詳しい人というのもいっぱいるんですけど。一方で、すごくライトな情報しか握ってなくて、日本のイメージを勝手に決めちゃっていることもある。それが映画化された時に「日本のイメージと全然違うじゃん」ということがあったりとか。そういうのがあった時に、情報っていうのをちゃんと伝えていく、というところだったり、昔よりは飛行機も安くなってるし、実際に来やすくなっているという環境の中で、そのリアルを感じて、体感・体験をしてもらうっていうところをすごく重要視しています。ちゃんとした情報を伝えるということと、実際に来てもらって体験をしてもらうというところが大きな軸という感じです。

海外で生活したことで、日本の長所短所を感じた

Q:夢を持つようになった、きっかけ発見はどんなものでしたか?

齊藤:留学をしている時に思ったことなんですけど、日本人って、ちょっとナメられてたんですよね。オーストラリアに進学で行ったんですけど、その時に授業にそもそもついていけないっていうのとか、体格の問題とか、コミュニケーションもやっぱり拙いし。ちょっとしたことでもやっぱり「お前日本人だもんな」みたいなことすぐ言われる。でも、最終的には「日本人のここが強いよね」「すごい才能があるよね、日本人て」みたいなところまではコミュニケーションできました。「細かいよね」みたいなところが長所だったりとか、「仕事ちゃんとするよね、すごいよね」みたいな話だったり。オージーに持ってなくて、日本人に持ってるものも沢山あるだろうし。ちょっとずつ同じ学年のオージーに「日本て、こういうとこあるよ」と伝えてたんですね。実際、今でも仲良いし、たまに日本遊びに来る時も、僕が顧客として担当させて頂いています。

海外で長く生活していたことによって、日本の良さ、ある意味での長所短所っていうのをすごく感じたし、また改めて、「日本人て、結構パフォーマンスが高いんだぞ」と当時すごく感じたのが一番最初のきっかけかな。「日本人て、すごいんだぞ」みたいなところから始まって、「日本て、すごい良い国なんだぞ」みたいな、そういうステップで。

自分の中の殻が破れた

Q:そこに至った背景は何だったんですか?

齊藤:17歳の時に、これはもう本当に幸の幸いでうちの祖母の航空券のマイルがたまっていて、もう残り何ヵ月で行かないと失効されちゃうよ、みたいな話があって。だったらちょっと行ってくるかみたいな。初めて17で海外一人でポーンと行って、やっぱりこう映画のような世界だったんですよ。「一人でどこでも行けるんだ地球」っていう変なテンションなっちゃったのと、現場に降り立った時、自分自身を知ってる人間が誰もいないっていうのが、変なテンションになっちゃって。なんかこう、すごい当時、言葉になかなか言い表わしづらいけど、すごいインパクトがあって。冬の時期とかマンホールの下から煙が出てるとか、行っちゃいけないよってとことか17なんで行っちゃうんですね。ブロンクスのマクドナルドの壁に銃痕あったりとか、鉄格子があって下からトレーが出てくるとか、銃声を聞いたとか、日本だったらないよね。ドラム缶から火が燃えてる、ああいうのも含めて世界観、日本とはまるで違う環境に身を投じたことが、自分の中の殻が破れたというか、地球って生きてるんだなって。日本の杉並区のなんとかかんとかだったんですよ、今までは。それが、ニューヨークなんだとか。そこからすごい弾けて、めちゃめちゃ旅行に行くようになった一番最初のきっかけかな。また、海外の人と自分と国を比べるようになったきっかけでもあって。ボリビアのウユニ塩湖に行くとか、ペルーのマチュピチュに行くとか、一人で飛行機乗れるようになったらどこでも行けるわってなって、お金の使い道がだいたい旅行になり、南米ラウンドしたりとか、バックパッカーしたりとかっていうのに繋がっていきました。

あと、祖母にすごい言われたのが「あなたがこの年の時に私は海外に行けなかった。今の時代だからできることをしなさい」みたいなお達しがあり。それ、すごい、そうだなって思って。今の年齢だから、今の時代だから、景気がどうのこうのって言うんだけど、じゃあ戦時中より酷いかって言ったらそうじゃないだろうし。今の時代ポジティブに生きるマインドは先駆者というか、人生の先輩にご教授いただいたっていう感じかな。

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いい国なんですよ

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Q:日本人に対して思うことはありますか?

齊藤:日本人が日本に対しての良さを気付いてないっていうのはやっぱあるかな。3月〜5月の間、フィリピンのセブ島に2ヶ月滞在していて、日本よりも途上国ってやっぱり道が汚いとか、水が弱いとか、シャワーが弱いとか、よくあるあるじゃないですか。改めて、そういうところでも日本の良さって感じて。日本て結構ちゃんとし過ぎてる。タクシーの乗り心地とか全然違うし、それが当たり前になっちゃってる。何にもすごいと思わない、海外一歩出てみたら日本の凄さ絶対わかると思うし、日本人は日本の良さあんまわかってないよねって。

自分の経験が成功体験かどうかはわからない、それは人によって意見がある。けど、自分は経験したことでこういう感情になっているよ、こういう感じになっているよ、っていうのは別に失敗だとは思っていないから、「この感覚は味わってほしいな」っていうのはあります。

だから、いい国なんですよ!や、ネガティブじゃん。なんかさー。すごい便利だから、時間に電車来るし、結構すごいこと、当たり前になっちゃってる。日本の当たり前、世界の当たり前と違うしっていうことなんですよね。「なんでネガティブなの?」って思うんです。朝みんな電車とか暗いし、なんか忙しくしてたりとか。朝の電車とか大丈夫かなって思っちゃいます。すごいネガティブなことが多いのかなって表情、わかんないけど、なんなんだろう。なんて言ったらいいんでしょうね。

記者:同じ日本人でありながら、そういう状態になっていて「悔しい」「こんなはずじゃない」という感じですか?

齊藤:本当そう。サッカーとか国際マッチの時は、すごいみんなこう、「あ、そうそう、その顔その顔」って思うもん。仕事じゃないからかもしれないけど、なんか一生懸命いい顔してるじゃんみたいなね、思うわけなんですよ。普段からそういうパフォーマンスが発揮できてれば結構ヤバい国、もう俺はすでにヤバい国だと思ってるけど。ただ、もちろん日本の弱さもあるから。とはいえ、海外も大好きで、アジア人だから洋のものに興味持つし、逆に洋の人は和のものに興味持つ、これはもう生理的な話なんですけど、逆に日本て何だかわかんないのを海外出て自分で初めて和の良さをわかったっていう感じ。海外の人って比較的、自分の国誇り持ってるし、すごいプライド高いじゃん、南米とかヤバかったりするんですけど、それがなんか普通なのかなって思ってるよね。他の国の人と比べてもすごい才能持ってるし、そのすごさに自分で気づくことができれば、いいと思うんですよね。

記者:最後に、読者にメッセージをお願いします。

齊藤:うちに潜んでいるものみたいなものを外に出すっていうことをそもそも作業としてしていないし、人って各々テンション上がる瞬間てあるじゃないですか。同じ様に内に秘めてる強さとか才能みたいのがあるので、そういうのっていうのを体験して気づくとか、経験して気づく。だから、具体的な事例とかないんですけど、体験する、体感する、経験するとかっていうことをしてほしいですよね。そうすることで知らなかったこと知るし、見つかるかも知れないし。

記者:DISCOVER Ltd.という社名の裏にある深い感動と、飾らない言葉で人を熱くさせる前向きな心に触れて、今の時代に日本という価値を見つめ直す機会となりました。貴重なお話ありがとうございました!

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齊藤さんの活動、連絡についてはコチラから

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【編集後記】
インタビューの記者を担当した池田と小田原と大藤です。齊藤さんの体験に基づくアグレッシブで気さくなトークは、視野を広げさせてくれるパワフルな時間でした。日本を繋ぎながら活性化させていく今後の活躍も楽しみです。

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。



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