見出し画像

失敗の本質は今も昔も変わらない?!

手元に置いてから長い月日が経ってしまいましたが、ようやく「失敗の本質 ~日本軍の組織論的研究~」を読み終わりました。

本自体は第二次世界大戦の敗戦から、失敗に至った原因をこれでもかと深堀りしていくものですが、幾つか言葉を変えるだけで全然現代でも通用する本です。読んでいて自分の組織はどうだろうか、と何度も考えさせられました。

例えばこの一段落、

日本軍は、アジアの解放を唱えた「大東亜共栄圏」などの理念を有していたが、それを個々の戦闘における具体的な行動規範にまで論理的に詰めて組織全員に共有することはできなかった。
このような価値は、言行一致を通じて初めて組織内に浸透するものであるが、日本軍の指導層のなかでは、理想派よりは、目前の短期的国益を追求する現実派が主導権を握っていた。

現代版に置き換えるとこんな感じでしょうか..

A社は、将来の地球環境を守るため「SDGs 7番達成の追究」などの理念を有していたが、それを個々のプロジェクト、業務における具体的な行動規範にまで論理的に詰めて組織全員に共有することはできなかった。
このような価値は、言行一致を通じて初めて組織内に浸透するものであるが、A社の指導層のなかでは、理想派よりは、目前の短期的利益を追求する現実派が主導権を握っていた。

うーん、、何だか自分らのことを言われているようです。

こんな感じに、現代のContextに置き換えるだけで、そのまま現在への警鐘となるこの本は、まさに失敗の本質を突いているのだと、そう感じました。

その他、そうだなぁと思った点は以下です。データサイエンティスト風にまとめてみました。今後も定期的に我が身、わが組織を見直していかなくてはな、と思います。

・過去の成功体験に過学習してしまった
・新しい学習データを取り込まなかった
・ランダム的な突然変異を起こせる要素が存在しなかった。(日本軍組織は”言葉を封じられた”)
・理念が戦略に落とし込まれなかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?