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9月22日 WAONポイントをください

9月12日(月)

昨日、長崎のリゾートから帰る前に、リゾート内にあるパン屋でパンをたくさん買っていたので、それを食べて今日は一日を過ごした。赤ワインとベリーのパンとか、ホワイトチーズとバジルのパンとか、クロワッサン生地でホワイトソースを挟んだパンとか、オシャレかつオリジナリティに溢れ、それでいて味も最高においしいパンばかりだった。うまいうまいと夫と何度も言い合いながら食べた。しかし、このパンは北海道から2,000キロ離れた長崎県のパン屋で買ったものである。家に帰った今となっては、あまりに遠い。もしかしたら、もう二度とあのパン屋に行くことはないかもしれない。つまり、もう二度とこのパンを食べることはできないかもしれない。こんなにおいしいのに。旅先でパンを買って帰ることは、幸せなことであり、不幸なことでもあるのだと知る。


9月13日(火)

長崎のホテルのお土産コーナーで買ってきた、「わかめ入り青のり」と、「のどぐろだし塩」がごはんに合いすぎる。これらはネットで再購入可能。


9月14日(水)

職場、春夏ものと秋冬ものの入れ替え時期なので、いつも以上に商品を出したり入れたり並べたりという作業が多い。私は掃除はおろそかにしがち、整理整頓もマメではないが、収納を考えるのがやたらと好きである。これとこれをひとまとめにするとぴったり収まるな、とか、この順番の方がわかりやすいなとか、あれこれ考えながら物を移動させてビターッと収納できたとき、並々ならぬ快感がある。テトリスがやたら好きなのもそういう性質からであろう。しかし、必要以上に試行錯誤しがちなので作業は遅い、さらには途中でお邪魔されると無性にイライラするので、ぷよぷよは苦手。


9月15日(木)

最近、フェスに行ったり旅行に行ったりですっかりしっかりぽっちゃりしてしまった夫(私もだが)、本日、職場に新聞の取材がくるとのこと。ちょっとした記事かと思っていたら、写真が大きく載るようながっつりインタビューであることが判明したらしく、「どうしよう。太ってる」と急に焦り出した。しかし、昨日の今日ではどうすることもできない。「君に残されたものは姿勢だけだ。とにかく姿勢をよくしろ」と送り出した。すごく姿勢のいいぽっちゃりした人を新聞で見かけたら夫です。


9月16日(金)

知り合いからもらったヤングコーンを調理。皮のままのヤングコーンは初体験。皮を剥いてみると、剥いても剥いても皮が全然終わらなくて、どんどん小さくなって心配になった頃にやっとコーンが出てきた。ヤングコーンはとうもろこしと別品種などではなく、単純に若取りしたものだと調べてみて初めて知った。まさにヤングなコーンなわけである。皮から取り出したヤングコーンは皮の枚数と厚みに比べて本当に小さく、大変に貴重な食べ物であるかのような凄みがあった。サラダバーの一員としてお馴染みのヤングコーン、いくらでもどうぞと大量に置かれているが、実はこんな風にひとつひとつ大切な赤ちゃんのように包まれていたのかと思うと、食べたいとも食べたくないとも思わないままサラダの彩りとして何となくトングを伸ばしていた過去の自分を反省せねばならない、というような気持にまではならなかったが、へーこんな厳重なんだーと勉強にはなった。ちなみに天ぷらにして食べた。おいしい。


9月17日(土)

両親と一緒に母方の祖父母の家へ。先日、祖父が庭のブドウ畑で蜂に刺されて体中にじんましんが出て近所の病院から大きい病院に救急車で移送されるという事件があり、危ないから今年はもうブドウ畑には近づかないように言ってある、という話を車の中で母から聞きながら祖父母の家に向かっていたのだが、家に着くと庭の方から「おー来た来た」と声がして、見ると祖父がブドウ畑の横に突っ立っていた。私たちから「なんでそこにいるんだ」「離れろ」と総ツッコミを受け、ヘラヘラする祖父。祖母も慌ててやってきて「ダメだっつってんのに!入れ!入れ!」と無理くり中に入れられる。祖父は元々ひょうきん者で小ボケをかますのは日常茶飯事なのだが、米寿も過ぎて近年は小ボケなのかマジボケなのかどうも曖昧になってきている。祖母の日々の苦労が目に浮かぶ。

祖父母と一緒に庭(ブドウ畑から離れた位置)でバーベキューをした。今日は久しぶりに双子の弟のうちの一人も参加した。実に会うのは二年振り。弟は病院勤めで、感染予防のため家族との集まりもずっと参加できていなかった。いろいろなことを我慢して医療従事者としての責任を果たした弟のことを尊敬する一方で、とにかく連絡無精で生存確認すらなかなか取れない日々が続いていた為、私と母の間ではしばらく「幻の息子」などと呼ばれていたのだが、今日無事に実在することが確認できて良かった。子どもっぽくて、いつまで経っても精神が年齢に追いつかない奴と思っていたが、二年も会わないとさすがに少ししっかりしたように感じた(もう三十過ぎではあるが)。久しぶりに弟に会えて、母も祖母も涙目だった。父も嬉しそうだった。当の本人はこの会わない期間に競馬にハマったらしく、馬馬言いながら焼いた肉をうまうま食べていた。


9月18日(日)

一年振りに小・中学校の友人たちと会った。会った瞬間からずっと面白くて、ずっと笑っていた。一緒に酒など飲むようになった20代の頃も大人になったな~なんて思ったりしたが、新築の立派な家にお邪魔して、さらには茹でたとうもろこしなんか出してくれたりして、茹でたとうもろこしが出てくるのはもはや実家だと大笑いした。

noteで文章を書いていることを教えたら、その文面を軽く読んだ一人が「この文体、長瀬の筆跡が浮かぶ」と言った。同級生ならではの視点に感心したし、なんか嬉しかった。

楽しすぎて、本当は午後から札幌ドームに家族と野球を観に行くことになっていたのに、大幅に遅刻してしまった。しかも私が到着したあと日ハムは逆転され、そのまま負けた。私のせいみたいな雰囲気が漂っていたが、「これが今年の日ハムなんだよ!」と日ハムが弱いせいにした。だって本当にそうだし……。

札幌ドームが本拠地なのは今年で最後なので、来週もう一度、今度は夫と観戦に行く。それが本当に札幌ドームで観る日ハムの最後になるので、どうにか勝ってもらいたいものである。


9月19日(月)

高校の友達の結婚式へ。夫も招待してくれたので、夫婦で出席。夫は久しぶりに着たスーツがムチムチになっていたことに本気で落胆し、本気でダイエットを決意していた。

今日は人生初、友人代表のスピーチ。今まで何度も友達の結婚式には出席しているが、こんなにも緊張感をもって臨む結婚式はなかった。真っ白になったらどうしようという気持ちと、原稿を持たない方がカッコイイという気持ちで前日までせめぎ合い、結果、念のためカンペをポケットに忍ばせるという中間地点的結論に達したわけだが、私の出番の直前、新郎の友人がカンペも何も見ずに、しかも思っていた以上に面白エピソードを交えた感じでスピーチをしたので、ライバル心を刺激された私は、マイクを渡されるなりカンペにも書いていないアドリブで、新婦がびっくりドンキーのハンバーグソースを注文しようとして間違えて「肉汁ください」と言った話などを盛り込み、多少はウケを取ることができた。しかしながら、緊張の裏返しで終始ヘラヘラしてしまい、要所要所でキレよく笑わせ最後に泣かせる私の理想のスピーチとは程遠い出来であった。一人で喋るとは何て難しいことなのだ。綾小路きみまろの凄さを思い知らされる。それでも友人が喜んでくれていたのが救い。私の人生で一回きりになるであろう友人代表スピーチをさせてくれて、ありがとう、という気持ち。友人のドレス姿に何度も感極まりそうになったし、料理も豪勢でおいしかったし、友人夫婦の飼っている犬にまつわるクイズが難問すぎたのも面白かったし、とにかく最高に楽しい嬉しい一日であった。


9月20日(火)

昨日の決意冷めやらぬうちに始めなければと、夫と二人で近所をジョギングしてみた。最初は一緒に走っていたが、私が気を遣って「合わせなくてもいいからね」と言った瞬間、元陸上部の夫はぐんぐんスピードをあげ、あっという間に見えなくなった。100メートル20秒の私では到底追いつけそうにない。しかし、それでいいのだ。100メートル20秒の人間には、100メートル20秒の走りがある。100メートル20秒なりの、100メートル20秒をやればいい。100メートル20秒の自分を受け入れたとき、本当の意味で、100メートル20秒の私になれるのだ。そう言い聞かせながら、私は100メートル20秒らしい走りで近所を一周し、足を痛めた。


9月21日(水)

怖いくらい、急に寒くなった。もこもこの服を羽織って、もこもこの膝かけをクローゼットから引っ張り出した。冬が来る。もうだめだ。そして足がまだ痛い。


9月22日(木)

管理会社からアパートのガスの供給会社が変わるという連絡があり、調べてみると、変更後のガス会社では電気も合わせて契約すると毎月の請求額に応じてWAONポイントが貯まる特典があるとのことで、それならば是非ともWAONポイントをもらおうじゃないかと、ガス・電気をその会社にまとめることに決めて契約を交わしたのが、今年の春のことである。

普段は別のクレジットカードのポイントを貯めているのでWAONは使ったことがなかったのだが、ガス代と電気代は毎月のことだし金額も小さくはないので結構貯まりそうという期待、貯まったらイオンの中に入っている焼き鳥屋で焼き鳥を実質タダで買えるじゃないかという想像、などを膨らませながらフンフン暮らすこと数カ月、待てど暮らせどWAONポイントが入ってこない。

どゆこと? と思いつつ、契約のときの「ポイントが反映されるまで少し時間がかかるかもしれません」との担当者からの説明を胸にそわそわと待っていたところ、先方から一本の電話がかかってきたのが先々月。「一度も使っていないWAONカードだとエラーが出ちゃうみたいなので、申し訳ないのですが一度チャージして買い物していだだければこちらのポイントも反映されると思いますので」とのこと。早く言ってくれたまえよ~と思いつつ、試しに一度チャージして例の焼き鳥屋で焼き鳥を購入。食べる。うまい。ビール。うまい。

そして二ヵ月経ったのが今なのだが、まだWAONポイントは入っていない。これはさすがにおかしいと、ついに私は待ちの姿勢から脱した。夢は自分の手で掴み取るものであるように、WAONポイントも欲しければ自分で動かねばならぬ。、

意を決してガス会社に電話。本名を名乗り、住所を述べ、WAONポイントをくださいと電話。お調べして折り返しますと言われ、待つ。しばらくすると折り返しの電話がきて、「明細の一番下のところにポイント表示されてないでしょうか?」と聞かれ、再度見てみるも、ポイント表示まったくされていない。その旨を伝えると共に、さっき伝え忘れた、先日そちらから電話で指示があって一度WAONカードをチャージして使ってみた旨も説明。相手方、「そうでしたか!なるほど、再度確認いたします」と何かしらの気付きがあったような雰囲気だったので、そうだそうだ、そのことを伝えなかった私が悪かったと、再度折り返しを待つ。

数分後、「調べましたところ、やはりエラーが出ていまして……」とかなり相手方も不思議がっている様子。「念のため、WAONカードの裏にある番号を確認させていただいてもよろしいでしょうか」とのことで、そうね念のためね、と思いつつ、16桁の番号を4つずつ読み上げていったところ、最後の4つを読み上げたところで相手方、「ンン!?○○○○ですか!?」と声を上げる。「ハイ、○○○○です」と答えると、「……こちらの番号登録が間違っていたようです。申し訳ございません」というわけである。そう、私がWAONポイントをもらえなかったのは番号が間違っていたから。単純明快、入力した人のケアレスミス。

いや、でも良かったよ。もう一生WAONポイントもらえないかと思ったよ。WAONポイントがもらえない星の元に生まれた人間かと思ったよ。「こちらのミスですので、今までの分もまとめて入れされていただきます」って言ってくれてそれで意味わかるのに、WAONポイントが欲しい気持ち高まりすぎてテンパって「入ってなかった分を遡って入れてもらえるってことですよね???」と謎の再確認をしてしまったくらいには、私はWAONポイントが欲しかったのだ。やっぱり欲しいときは素直に欲しいと言わないといけない。WAONポイントくださいって、ちゃんと言えた自分を褒めてあげたい。10月15日くらいに今までの分がまとめて入るらしいので、そしたらポイントで焼き鳥を買おう。

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