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GREEN ONIONS~NANAKONOKA~

2月20日(日)の北海道・福岡でのNIPPON FOOD SHIFT FES.の活動として、
「福岡 野菜チーム」がねぎ農家さんに取材してきました。

ねぎってどんなイメージですか?
よくスーパーで買ってきたねぎの根っこを水耕栽培して納豆やラーメンに入れたり…。

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今回、JA筑前あさくらと契約をしており博多万能ねぎを作っているねぎ農家さんのところにお邪魔させていただきました。朝倉までは福岡市内から高速に乗っておよそ1時間。
すごく自然豊かな場所でした。
JA筑前あさくらに到着し、JAの深見さんの運転する車で向かいました。
ねぎ農家さんのビニールハウスに到着。

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ここで博多万能ねぎの収穫体験をさせていただくことになりました。


朝倉は寒いので暖かい格好で、農業体験するから長靴でと気合を入れていった私に驚きの光景が!ビニールハウスの中は土がドロドロすることもなく、どちらかというとサラサラの土でした。

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ねぎが水太りしないような土壌になっているとのこと。水はパイプを通ってねぎに与えられているそうです。朝倉は盆地のため、夏は暑く、冬は寒いのが特徴で福岡でも珍しい気候です。また、気候変動による雨などでねぎが浸水してしまうことも少なくありません。そのため、畝上げという作業をし、土を盛ることでねぎを寒さや水から守ります。生育速度は夏が65日、冬は100ほどで年中収穫することができますが、冬のほうが生育に時間がかかる分肉厚になります。博多万能ねぎには生育日数の規約があり、種をまいてから70日以上のねぎしか博多万能ねぎにはなれないそうです。また、水を与えすぎずに水を切ることで水太りせずに濃い味の日持ちする博多万能ねぎが出来上がります。そして、このビニールハウスのねぎは4~5日ほどかけて手作業ですべて収穫します。抜き方の手本を見せていただき、早速収穫体験。

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初めてねぎを収穫している八嶋さん。ねぎ農家さんに「初めてでこんなに上手に収穫できる人なかなかいない。」と褒められ満足げな様子。ねぎは思っているほど抜くのが難しくなく、イメージ的には庭の雑草の半分の力で抜ける感じ?です。(うちの雑草が強いのかもしれませんが…)ただ、しゃがんで前かがみで収穫するのでしばらくすると、ふくらはぎと腰が痛くなります。

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その後調整という作業に入るためねぎをもって作業場に。

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調整ではねぎを洗ってねぎの葉数を2枚までに整え、SMLのサイズに分けたのち100gを測ってラベルをまいて束ねます。ここでは8~9人の調整員さんが1日1500束ほど調整します。

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外側の葉をはがすことでねぎの日持ちを良くするそうです。もったいないと思うかもしれませんがこれが「博多万能ねぎ」の日持ちの良さの特徴です。そしてこれがブランドの理由でもあります。他の県で作られたねぎで葉の枚数を2枚にする調整作業をしているところはどこにもありません。手間暇がかかることで私たちの手元に新鮮でおいしいネギが届くのです。

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その後SMLのサイズに分けた発泡スチロールに束ねたねぎを入れ17:00~19:00までにJA筑前あさくらに持っていきます。ここからは梱包作業です。
ねぎの温度を下げるためにオゾン噴霧されている部屋で1日休ませます。

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そしてサイズごとに分けられたねぎを品質検査でA~Dランクに分類します。

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そしてねぎを包装します。

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よくスーパーで売られているねぎは下だけ閉まっており上は開いている袋に包まれていますが、博多万能ねぎは上下どちらも閉まっています。これも鮮度を保つために大切な工程です。1分でおよそ60束袋詰めされ、1ケース30束のねぎが3000ケースも出荷されるのです。
いよいよ出荷!


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なんと博多万能ねぎでありつつ、福岡に出荷されるのはおよそ1割。他のねぎは関東に8割、関西に1割出荷され。搬送はJALの飛行機に乗って空輸されます。パッケージにもJALのマークが!ここで豆知識。野菜で初めて空を飛んだのはこの博多万能ねぎ。人と同じくらいの時期から飛行しているそうですよ。

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そして、博多万能ねぎを頂いた私たちは帰宅後、夕飯にしておいしくいただきました。


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現在野菜の価格が下がっており、農家さんたちは困っているそうです。そんな中、博多万能ねぎはブランド価値を守るためあえて工業化や機械の導入などは行わず愛をこめて育てているそうです。私が、「はがした葉がもったいないからそれも売ったらどうだろう」と提案したら、売れるとは思うが、消費者が購入する際に同じものなら安いほうを購入し、ブランドとしての価値もなくなってしまう。

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そうすることで農家さんたちの努力やモチベーション、今後ねぎを育てていくために必要な経費などを回収することができなくなり廃業してしまう可能性もあると背景を教えてもらった。ただただ工業化することが大切なのではなく、作り手や消費者どちらもが幸せになれる消費の仕方というのも大切だと感じました。まず、フードロス削減をしなければならないという問題を解決するために私たちはおいしく料理をし、ご飯を残さずに食べる。そして、農家さんを守るためにも、本物の味を知るためにも安い野菜に飛びつくのではなく、農家さんの背景まで考えて商品を購入できる社会にしたいです。

(江間好花 八嶋なな子)

この取材は、2/20(日)開催予定のイベント「食から日本を考える。NIPPON FOOD SHIFT FES. 福岡」での発表のために行いました。
ぜひ発表をご覧ください!

■イベント概要
食から日本を考える。NIPPON FOOD SHIFT FES. 福岡

開催日程
2022年2月19日(土)・20日(日)11:00~17:30

場所
大丸福岡天神店エルガーラ・パサージュ広場
〒810-8717 福岡市中央区天神1-4-1

主催
農林水産省

*新型コロナウイルスの影響により、予告なく内容が変更になる可能性があります。予めご了承ください。