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シャドウ・オブ・フェアウェイ

屈強なノマド忍者が9番アイアンを振りぬくと、その足元で血と脳漿の華が開いた。
血飛沫の中からゴルフボールが飛び出し、1300ヤード先のグリーンめがけ美しい放物線を描く。
上長忍者は己めがけ飛来した眼球をキャッチし握り潰すと、小さく舌打ちした。

「無能どもめ」

コース上には爆死した火遁忍者、溺死した水遁忍者、股間をボールで撃ち抜かれたグライダー忍者などの死骸が散乱している。これで彼の部下は全滅だ。

一方のノマド忍者は余裕の表情。足元にある土遁忍者の首無し死骸を一瞥し、言い放つ。

「小細工は終わりか?オフィス野郎」

鉢金に刻印された「NOMAD」の文字が陽光を受け、誇らしげに煌いた。

上長忍者は歯噛みする。ノマドに敗北するなど企業忍者の名折れだ。このままでは……。

「私が出よう」

背後から鷹揚な声。
上長が振り返ると、そこには金色装束<スーツ>姿の偉丈夫が佇んでいた。

「エグゼプティブ・オヤカタ様!?」

【続く】

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