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アット・ザ・ドライヴイン(1):海老ナSA

私は暖房の効いた店内に入ると、24時間営業のフードコートに向かった。
海老ナSAは東亰~那古屋間で有数の大型サービスエリアだが、深夜ともなれば人はまばらだ。
バイク乗りに11月の夜風は堪える。早く温かいもので腹拵えがしたい。
ジャケットの襟を緩める。さて何を食べようか。

海老ナSAの名物は、海老である。
店内には写真付きメニューと案内看板がが所狭しと貼られている。
「海老拉麺」「海老茶」「お残し厳禁」「海老炒飯」「海老パフェ」「お手洗あちらで」「海老エピ」……。
私は海老炒飯を注文した。

料理を待つ間、無料サービスの海老珈琲を啜る。
何となく海老風味を感じるが、平凡な味だ。砂糖とミルクは無くて正解。
空のカップをぼんやり眺めていると、料理はすぐに出来上がった。

実物は少し写真と違う気がしたが、値段の割に量は多い。海老もごろごろ入っている。
私は気にせず口に運び……違和感の正体に、気づいた。

シャコだこれ。

【続く】


※この物語はフィクションです。実在の人物や団体、海老名サービスエリアなどには一切関係がありません。

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