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【NJRPG-2ND/プレイエイド】ネヤ式汎用マップセット(2)

でもニンジャスレイヤーTRPGの大きな利点のひとつである「セッションが軽い」「思いついたアイディアを今日すぐに実行できる」という点から考えると、マップ作りの大変さを考えて創作意欲がくじけてしまうのは、あまり良いことではないし残念だ。僕らとしては、多少穴のあるマップでもいいから、とにかくたくさんのニンジャを生み出して、カラテさせて、そこで誕生するゲームとドラマを楽しんでほしいんだ。
ー【TRPGニンジャマスターガイド3:マップを手早く仕上げるコツ】より

これは「ニンジャスレイヤーTRPG」に対応した、様々なシチュエーションの自作マップセットを紹介する記事です。手軽に利用できるフリーマップ素材としてゲームマスターの準備の助けになることを意図しており、およそ1記事につき4~6種類のマップセットを収録し、数回に分けての公開を予定しています。

全てのマップは実際のセッションで使用されたものであり、それぞれのセクションには配置されたギミックの他、想定されるシチュエーションや展開などのアイデアが収録されています。

これらはマップとしてそのまま使っても、改変してオリジナルのマップに仕上げても良いですし、マップやシチュエーションをフックとしてオリジナルシナリオの作成に活用することもできます。用途は自由です🍣

🍣貴方は必要なマップを別のスプレッドシートにコピーして、そのまま自作のシナリオ記事などで再配布することができます。

🍣フリーマップセットは自由にカスタマイズしたり、それを新しいマップセット等として公開・配布することができます。

🍣フリーマップセットの使用に際して、クレジット表記などは一切不要です。ですが、noteの記事に参考元としてこの記事を埋め込んで頂くと、通知を見た私がスキを押しに現れます。

🦈フリーマップセットをそのまま再配布・販売・再販売することはできません(著作権フリーではありません)。

前回の記事

◆マップデータのダウンロード

マップデータはGoogle スプレッドシートで作成されています。下記からローカルにダウンロードするか、ご自身のアカウントにコピーを作成してGoogle スプレッドシート上で使用してください。

各マップの詳細は以降の本文中で解説されます

◆市街地:戦闘兵器実験場(概念マップ)

「これを見ろ」彼は軽く頷くと端末を投光器へLAN接続し、壁へ1枚の戦略地図を映し出す。それは高低まちまちな多角写真を合成して作られた、擬似的なサテライトマップである。

オナタカミ兵器実験場見取り図(HQマップ付き)

このマップは都市丸ごとを舞台にするような、大規模シナリオ向けの特殊な概念マップです。この巨大な概念マップは9セクションに区切られており、それぞれのセクションが更に個別にマップを有する構造が想定されています。つまりこれは、9つのマップが敷き詰められた巨大な1枚のマップとして使用することができます。

用途:これはオナタカミ・エレクトロニクスなどの暗黒メガコーポが保有する、都市区画丸ごとを改造した戦闘兵器のテストサイトなどをイメージして作られています。ですが、より単純に大規模な都市区画としたり、広大な地下研究施設としたりすることもできますし、あるいはカスミガセキ・ジグラットなど超巨大な複合施設の1区画として挿入するだとか、何らかの重要施設へのアサルトを行うにあたっての戦略地図などとして活用することもできるでしょう。

シチュエーションの組み立てこの概念マップにおいて重要なのは、中央に配置された巨大な建造物セクション(=個別マップ)です。これは例えばサイト全体を俯瞰できる超高層のヘッドクォーターや、要人が潜む隠された地下バンカー、電力を供給しているニュークリア・ジェネレーターなどの重要地点として設定することができます。

ゲームマスターは上記の重要拠点をシナリオの長期目標に設定することで、他の8セクションでは重要拠点に侵入するための短期目標を達成する、というシナリオ構造を組み立てることができます。これらの例としては「敵の監視の目を誘導して別チームが重要拠点に潜入する隙を生み出す」、「重要拠点にアクセスするためのキーをもった要人を探し出す」、「重要拠点に潜む要人の脱出ルートを事前に破壊する」などが想定されます。

詳細マップについて

概念マップ上には「ダイドー」、「ヨツツジ」、「スイレン」とタグが記載されており、基本的にはこれが詳細マップ構造の特徴を表しています。以降それぞれに対応した詳細マップが収録されていますが、オリジナルのマップを作ってそれらを代替したり、あるいは各詳細マップを独立したシナリオマップとして使用したりしても良いでしょう。

テキスト無しVer

オナタカミ兵器実験場見取り図(テキストなし)

クレジット

この概念マップはKrisztian Tabori氏の写真を加工して作成しています。

マップ使用例

※シナリオ記事は別途公開予定。

◆市街地:ダイドー|大道(戦闘)

広く道幅の取られた道路が1本突き抜けており、放棄された車両を除けば遮蔽物が全く存在しない見通しのいい場所となっている。路肩にはHQと部分的に連結した巨大な高層ビルがそびえ立っている。オナタカミ及びメイライの上役はこのビルで戦闘状況をモニタリングしていると推察される。

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このマップは先の概念マップに内包される詳細マップの1つを想定して作成されています。

用途:両脇を高層ビルに囲まれた、広い道幅の直線道路をイメージした構造となっています。特別なギミックは存在しませんが、【ディフュージョン・アキュミュレイション・リボーン・ディストラクション】のように2大組織が真正面から衝突し合うようなシナリオや、防衛線を突破するような構成のシナリオに使用することができます。

シチュエーションの組み立て:ゲームマスターは初期配置エリアをどこに置くかによって、このマップにおける戦闘シチュエーションを簡単に変化させることができます。例えば初期配置エリアを中央に設定し、両サイドに敵を配置すれば包囲された状況を切り抜ける・耐え凌ぐ戦闘になりますし、どちらか片側に初期配置エリアを設定すれば、逆に敵に攻め込む戦闘にすることができます。

マップ使用例

※シナリオ記事は別途公開予定。

◆市街地:ヨツツジ|四つ辻(戦闘)

ダイドーより道幅の狭い直線道路が1本通り、そこから枝分かれする形で複数の十字路やT字路が構築されている。小規模な建物が非常に入り組んだ状態で混在し、モーター兵器では通行困難と思われる裏路地が多数存在する。

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このマップは先の概念マップに内包される詳細マップの1つを想定して作成されています。

用途:複雑な(あるいは特殊な形状の)高低差のある小さなビルが密集したストリートをイメージした構造となっています。特別なギミックは存在しませんが、ツチノコ・ストリートやネオカブキチョの裏路地といった治安の悪いエリア、地下迷宮や旧世紀のUNIXサーバー墓地などとして使用することができるでしょう。

シチュエーションの組み立て:このマップの特徴は2~3マス幅の広い通路と、1マスの狭い通路が混在していることです。これによって、大型(2x2)の強力な敵の移動可能領域を制限しながら、敵から逃げ回って時間を稼ぐようなシナリオや、追い詰められて路地裏に逃げ込んだ敵を追跡するようなシナリオを組み立てることができます。

また「廃ビル」マスは侵入することで一定方向からの射撃を遮る効果を持っているため、これを敵に活用させて近接戦闘を強制したり、道を回り込ませたりといった行動をプレイヤーキャラクターに促すことも可能です。

マップ使用例

※シナリオ記事は別途公開予定。

◆市街地:スイレン|睡蓮(戦闘)

大小様々な建造物に囲まれたコンクリート固めの平地が広がるエリア。基本的に遮蔽物はほとんどないが、まばらにクローンヤクザ走行車両が停車しており、ドラグーン展開用の輸送ヘリ用にヘリポートまで用意されている。巨大なメンテナンスドックには展開前のドラグーンが多数待機している。

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このマップは先の概念マップに内包される詳細マップの1つを想定して作成されています。

用途:マルノウチ・スゴイタカイビル前の広場など、ビル群の合間に設けられた開けた空間をイメージした構造となっています。その他、左側の建造物を検問などに見立て、ハイデッカー検問の敷かれたハイウェイとしたり、湾岸警備隊の小型戦艦の上としたりして使用することもできます。

シチュエーションの組み立て:このマップに特別なギミックは用意されておらず、シンプルなイクサ場としての使用が想定されています。ゲームマスターが何か特別なシチュエーションを用意したい場合、左端の特徴的な廃ビルマスを何らかの短期目標として、そこをプレイヤーキャラクターが攻めるのか守るのかを決めると全体的なシナリオ方針が見えてくるでしょう。

例えば廃ビルマスを「ボスキャラクターの能力を底上げしている月面基地のエネルギー転送装置」、「ドラグーンのような最新のロボ・ニンジャが大量に待機しているメンテナンスドッグ(無限湧きポイント)」、「ネコネコカワイイのライブステージ」などと読み替えることができます。

マップ使用例

※シナリオ記事は別途公開予定。

◆メガコーポ施設(潜入、概念マップ)

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このマップは戦闘を伴わない、潜入や調査系のシナリオでの使用を想定した概念マップです。また先の概念マップに内包される、中央部分のマップを想定して作成されています。

用途:ビルのワンフロアを占拠する、メガコーポの研究施設や実験サイトの観測所をイメージして作られています。特殊な形状はしていないため、屋内施設の概念マップであれば何にでも流用できますが、幾つかのオブジェクトやトレジャー、敵NPCなどを配置すれば、重工系メガコーポの小規模拠点や敵性ニンジャのアジトなどとして戦闘用マップに使用することもできるでしょう。

シチュエーションの組み立て:このマップの運用にあたっては、まずいずれかの部屋を目的地として長期目標が設定されることを想定しています。例えば「サーバー室に侵入して機密データを抽出する」、「工房からロボ・ニンジャの試作部品を盗み出す」、「制御室のコンソールに細工してパニックを引き起こす」などです。

長期目標を設定したら、次はそれを達成するための障害を用意します。例えば「サーバー室の扉が装甲隔壁に閉ざされている」、「試作部品が大きすぎて人目がある状態では盗み出せない」、「UNIXのセキュリティが非常に強固」といった調子です。

そのうえで障害を解決する手段を目的地以外の部屋に分散して配置すれば、プレイヤーキャラクターは問題解決のため自然と他の部屋も調査するようになるでしょう。

部屋構成の例

下記はそれぞれの部屋の内訳の例です。オナタカミ社の戦闘兵器実験サイトの中央にそびえ立つ、高層ビルの1フロアを想定しています。

このマップ例において、プレイヤーキャラクターはデータ室から機密データを抽出するため、制御室や工房で少しずつ社員IDをアップグレードして侵入経路を増やしていくことになります。

②:エレベーターホール
 無機質な壁と床に囲まれたエレベーターホール。潜入したキャラクターは、まずこの場所に降り立つことになる。

正面には観測室に繋がる大扉が待ち構え、左右にはそれぞれ制御室と工房に連結する通路へと繋がる扉が備わっている。
③:トイレ
何の変哲もないトイレ。男性用の個室がひとつ埋まっており、中からは神経質に足で床を叩く貧乏揺すりの音が響いてくる……。
④~⑤工房
均一化された無機質な壁や床を背景に、水槽に浮いた予備のクローンヤクザ生体脳、懸架された数体の不完全なドラグーン、黒いタタミめいた機械装甲などが並び、数人のエンジニアが慌ただしく調整作業を行っている。
⑥制御室
壁面を埋め尽くす大量のUNIXモニターや計測機器には、外界で展開される激しい戦闘の様子がドラグーンのカメラや、あちこちに設置された観測カメラ視点で映し出されている。コンソールに張り付くエンジニアやLAN直結オペレーターは、リアルタイムでその戦闘演習を管理している。
⑦データセンター正面ホール
データーセンターの入り口は装甲隔壁化された扉に守られている。ハッキングやワザマエ判定による解除を試みることはできるが、失敗すれば警報が鳴り響き、即座に面倒事に巻き込まれるだろう。

扉には何らかのIDカードスキャナーが設けられており、適切な権限のカードがあればここにアクセスできるであろうことが分かる。

※詳細はアジトの拡張プラグインを参照のこと。
⑧データセンター(サーバー室)
 オブシダンめいた黒いUNIXサーバーが所狭しとそびえ立ち、青いLED光を明滅させている。この中に目当てのデータが集積されているはずだ……。

この場所では誰かがIRC端末(もしくは生体LAN端子)をUNIXサーバーにLAN直結し、専用のウィルス入りフロッピーを挿入することでクラッキングが開始される。この作業の完了には相応の時間が掛かる……。

マップ使用例

※シナリオ記事は別途公開予定。

◆メガコーポ施設(戦闘)

「そろそろ来ると思ってたぜェ……社会見学は楽しかったかよォ?」そのニンジャはニヤニヤと笑いながら、アイサツを繰り出した「ドーモ。アルバレストです」両腕にはボウガンと一体化した奇妙なブレーサーが装着されている。その傍ら、エレベーターはLED照明を落とし、完全に動作を停止していた。

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このマップは先の「メガコーポ施設(潜入用)」マップで戦闘が発生する場合に使用することを想定して作成されています。

用途:先の概念マップと同様、ビルのワンフロアを占拠する、メガコーポの研究施設や実験サイトの観測所をイメージして作られています。中でも特に、エレベーターホールから、潜入ミッションでは行く必要のなかった隣の連結ビルをイクサの舞台としたマップになります。

シチュエーションの組み立て:このマップは単純な戦闘用に用いることもできますが「特定のマスに到達する」ことを長期目標に設定することで、戦闘シチュエーションを変化させることができます。

例えば「敵に発見されレベーターが封鎖されてしまうため、右端の広い窓から飛び降りなくてはならない」とすれば、待ち受けるor追跡してくる強力な敵をやり過ごしながら逃走するようなシナリオが組み立てられます。成長の壁(1)を1~2個突破した程度のプレイヤーキャラクターであれば、追跡してくる敵NPCはアクシス級~ハタモト級に設定しても十分切り抜けられるはずです。

あるいは「右側のビルの屋上(ヘリポートなど)に暗殺ターゲットであるメガコーポのCEOが逃げた為、護衛を始末した後にエレベーターで屋上に向かわなくてはならない」とすると時間制限のあるハードな戦闘シナリオが組み立てられるでしょう。

マップ使用例

※シナリオ記事は別途公開予定。

◆最後に

TRPGセッションのマップ制作は手間がかかる一方で、最悪無くても遊べてしまうため、どうしても準備の優先度が低くなりがちです。ですが幾分か明瞭なマップが用意されるだけで、ゲームマスターの情景説明が具体的かつ共通のイメージに結びつけられ、期待感や没入感が高まることも確かです。

そこでマップ準備の手間の問題を解決し、よりインスタントに様々なシチュエーションで没入感と共にカラテできるように……と作成されたのがこのマップセットになります。

フリーマップを一度使用してみて、シナリオにマップで彩りを加えることに興味の湧いた方は是非、この記事のデータを元にオリジナルのカスタマイズマップを作成してみてください🍣

※その他、オリジナルのマップを手早く作成する手法については次のコラム記事が非常に参考になります!読もう!






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