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デジタル社会(DX)の実現による社会課題解決に向けて(ソフトバンク株式会社さま)

こんにちは、NEXCHAINです。

去る2024年9月18日(水)に、第25回となるNEXCHAIN情報共有会を実施しました。
情報共有会はNEXCHAINの会員企業さま向けに定期的に開催しているイベントで、各分科会の取り組みの共有や自社のアセット紹介、新規事業の仲間集めのきっかけとなるコーポレートピッチなどを企画しております。

今回の情報共有会では、ソフトバンク株式会社さまより「デジタル社会(DX)の実現による社会課題解決に向けて」と題し、コーポレートピッチを実施いただきました。

ソフトバンク株式会社さまホームページ

今回のコーポレートピッチでは、国内外のDXのトレンド、ソフトバンク株式会社さまの構想や戦略をご説明いただき、その後、ご紹介いただいた内容をもとに参加者のみなさんとディスカッションを実施しました。
 
本記事では、ピッチ内容の概要をご紹介します。


登壇者プロフィール

南野 智近(なんの ともちか) さま
ソフトバンク株式会社 
法人事業統括 デジタルトランスフォーメーション本部
デジタルインフラ事業統括部 担当部長

デジタル社会(DX)の実現に向けた国のデジタル戦略の動向

日本のDXが進まない理由として、データ処理や電力消費が都市部に集中していることによる経済安全保障リスクや官民データ等のサイロ化による全体最適にならない懸念、データトラフィックを処理するための技術力、必要な電力に関する懸念などがあげられます。
 
今の日本に必要なものとしては、DXを実現するためのデジタルインフラと、すべての産業でのDX化があります。基盤を整備し、各デジタルサービスをその上に配置していくという国策が考えられており、経産省も「デジタル産業政策の新機軸」を提唱しています。
また、グローバルのトレンドとしても、国自身が各国の権益を守りながら産業を推し進めるためにインフラレイヤーで戦略を打ち出す動きがあります。
例えばgaia-xやCatena-Xのように、企業間でデータ連携が出来る仕組みを作り、その枠組みに則って各民間企業がデータ連携をしながら営利活動としてその仕組みの運用を行っていくというものがあります。
日本でも、ルールや仕組み作成は国が行い、その運用を民間企業が担う取り組みが行われています。

次世代の社会インフラ構想

ソフトバンクさまといえば通信事業のイメージが強いかと思いますが、今回のコーポレートピッチでは、中長期的な戦略として構想している次世代デジタルインフラ事業の担い手となることについてご説明いただきました。
 
ソフトバンクさまは以下の「長期ビジョン実現に向けたロードマップ」をもとに、現在は第2フェーズである基盤の構築や、開始した事業の推進に取り組んでおり、出来上がったものから社会実装を進め、段階的に発展させる活動をしています。

出典:次世代社会インフラの構築に向け、「Beyond Carrier」戦略で事業基盤の再構築へ -ソフトバンク株式会社 2023年3月期 決算説明会レポート:https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20230509_02

第2フェーズの取り組みでは、次世代社会インフラとして「超分散コンピューティング基盤(xIPF)」の構築を推進しています。
東京、大阪、北海道などに高いデータ処理能力を有するAI処理基盤を配置しつつ、各地に計算基盤を配置することで、データ処理や電力消費の平準化、地産地消を行います。

出典:ソフトバンク株式会社 2023年3月期 決算説明会資料:https://www.softbank.jp/corp/set/data/ir/documents/presentations/fy2022/results/pdf/sbkk_earnings_presentation_20230510.pdf

ドローンのように低遅延が求められる処理は、各地のエッジコンピューティングが行います。生成AIやデータの学習などの処理は、AI処理基盤や各地の計算基盤が行います。利用用途に応じて最適なデータ処理を行います。
この、分散したデータを最適に処理する「超分散コンピューティング基盤(xIPF)」によって、各地でデータの並列処理を行いながら、各地でサイロ化されていたデータの統合の実現を目指しています。
 
ソフトバンクさまは、この「超分散コンピューティング基盤(xIPF)」をプラットフォームとし、公共データや民間データ、センサデータといったさまざまなデータを連携しデジタルサービスを向上させていくことを目指しており、基盤上のデジタルサービスについて自社で提供するサービスだけではなく、社会ニーズや社会課題を解決できる多くのサービスにご活用いただくようサービスを提供できる仲間集めにも取り組んでいます。

DX戦略とデータ利活用サービスの事例

今回のコーポレートピッチでは、ソフトバンクさまが提供しているDXサービスをいくつかご紹介いただきました。
 
医療サービスは、医師の過重労働や医療費の増大などが原因でサービス継続の危機に陥っています。そこで、ソフトバンクさまは、ヘルスケアテクノロジーズ株式会社を立ち上げ、遠隔医療相談や保健指導などの医療サービスをスマートフォンを利用して受けられる「HELPO」というサービスの提供を開始しました。
現在は未病を対象としたサービスですが、将来的には「超分散コンピューティング基盤(xIPF)」と連携したヘルスケアプラットフォームを構築し、未病から介護までをターゲットとしEHR/PHRといったデータを活用することで医療の生産性向上、健康寿命の延伸を目指しています。

出典:ヘルスケアテクノロジーズ株式会社「ヘルスケアアプリ「HELPO」をフルリニューアル」:https://healthcare-tech.co.jp/news/20240415.html

医療のDXである「HELPO」以外にも、飲食・小売り向けのDXとして「サキミル」というAI需要予測サービスや、スマートシティの取り組みとしてソフトバンクさまの本社ビルで必要な情報をリアルタイムに提供できるプラットフォームの構築などを行っています。

今回のコーポレートピッチでは、ヘルスケア、飲食・小売り、スマートシティの3つの取り組みについてご紹介いただきました。ソフトバンクさまのDXに関するその他の取り組みは下記よりご覧になれます。DXに興味のある方は是非ご一読ください。

最後に

ソフトバンクさまの次世代社会インフラの構築は、経済産業省など政府とも連携し推進しているものです。
 
今回、ソフトバンクさまには「超分散コンピューティング基盤(xIPF)」や様々なデータを活用した新たなサービスの共創のためのディスカッションのきっかけとして弊法人のコーポレートピッチをご活用いただきました。
コーポレートピッチ後のディスカッションパートでは、ソフトバンクさまにご紹介いただいた基盤に関する質問や、サービス同士の連携に関するディスカッションなど活発な意見交換が行われていました。
 
「データ連携に関するディスカッションに参加したい」「共創する仲間を集めたい」「NEXCHAINの活動に興味がある」といった方がいらっしゃいましたら、是非NEXCHAIN公式ホームページよりお問い合わせください。


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