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ナコーン・パトム県(Nakhon Pathom) タイ中部

 120メートルというタイで最も高い仏塔(チェーディー)がそびえる。原初は3~4世紀に建てられた39メートルで、11世紀に改修が行われたという。ラマ4世治世の19世紀中頃に発見され、インドのアショーカ王が紀元前3世紀ごろに仏教布教のために使節を送ったとされるスヴァルナブーミと結び付けらた。ラマ4世は仏塔を現在のように巨大なものとし(完成はラマ5世の治世)、当地をナコーン・パトム(最初の町)と名付けた。

 スヴァルナブーミはタイ語でスワンナプーム。国際空港の名称にもなっているが、実際には現在の南ミャンマーと推測され、現在のタイ領からは外れる。ナコーンパトムも決して最初の町ではなく、隣のナコーン・チャイシー郡辺りが古くから栄えていたようで、当地から多くの遺物が見つかっている。バンコクと接するプッタモントン(仏陀のマンダラ)郡は、スコータイ様式で有名な遊行仏の16メートル近い立仏像が有名。仏教とのゆかりが深い県で、参拝者が絶えることはない。

 チェーディーがよく知られたナコーンパトムだが、地元タイ人には宮殿群の「サナームチャン宮殿」も有名。西洋様式を大いに取り入れたラマ5世の治世、即位前のラマ6世が建てられたといわれる。ただ、同王のチェーディー参拝の際の滞在場所だったということからやはり、ナコーン・パトムはチェーディーありきといえる。

人口:92万人(2019年、内務省地方自治振興局)
面積:2,168平方キロメートル(エネルギー省)
   人口91万4,000人の和歌山県ほど
   面積2,188平方キロメートルの東京都ほど
距離:バンコクから56キロ(タイ道路協会)

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