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あまりの不毛さに移民が泣いた地

2022年7月12日

 「貧しさ」のイメージが先行する東北部の中でも、「あまりの不毛さに移住してきたラオス人が泣いた」という逸話が伝えられる、ローイエット県の知り合いの実家を訪れた。彼女のことを知ったのは四半世紀も前だが、実家を訪れたのは初めてだった。4年ぶりに会った彼女はさすがに歳を取っていた。

 バンコクでは貧乏を絵に描いたような生活をしていたが、実家は2階建てで雑貨屋を併設、ウシはいるはアヒルはいるは、家の裏には田が広がっていた。

 田植えは終わっていたが、彼女は「直しがある」といって田に出ていった。日本語の「補植」や「植え直し」のことだと思われる。水田なので水が張られているが、足りなくて泥が見えてしまっている部分もある。そもそも水路が見当たらない。雨が降らないと田は潤わない。

 隣の田は翌日が田植えと言っていた。翌日になると、スマホに画像と動画が送られてきた。「雨が降らなかったから給水車を呼んだ」と書き添えてある。ホースで放水しての田植えらしかった。

1999年の彼女。


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