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モンスターを10年間毎日描き続けたらPOPEYEのアートディレクターに拾われて図鑑を出版することになった話(前編)

はじめに

コロナウイルスの影響により4月の仕事が0になった。漠然と何か新しいことに挑戦する必要があると思ったと同時に、友人から1年以上前に勧められていたnoteの存在が頭をよぎる。点と点がいまつながってこれだと思った。noteという未知の領域に足を踏み込む決意をする。これはモンスターを10年間毎日描き続ける1人の男“TOMASON”のドキュメンタリーである。

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僕はモンスターをかれこれ10年間毎日欠かさず描いている。1日も欠かしたことはない。別に絵が好きでも上手いわけでもなくただモンスターが好きだという理由で10年間描き続けている。

そして昨日(2020年4月11日)POPEYEのアートディレクター(2020年4月12日時点)吉田昌平氏が主宰する出版レーベル"白い立体"からモンスターの図鑑『MONSTER BOOK』を出版した。

何を隠そう僕がモンスターを描くきっかけとなったのが水木しげるの妖怪図鑑だ。幼少期から妖怪図鑑を読み、物心ついたときには自作のオリジナルのモンスターを書いていた。そして僕は岐阜県出身の田舎者だ。田舎者の憧れシティーボーイのバイブル"POPEYE"。

僕のモンスター、憧れてきた妖怪図鑑、そしてPOPEYEのディレクターの出版社。ここでもまた点と点がつながる。アツい、アツすぎる。僕にとってこの上ない胸熱な出来事のMONSTER BOOKがいまこうして爆誕したのである。僕はこのモンスターによって今まで何度も唯一無二な体験をしてきた。この図鑑の出版はその中でも最も特別な出来事だし、僕のキャリアにとってのターニングポイントでもあると思う。

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これが実際に発売されているモンスターの図鑑『MONSTER BOOK』だ。

300Pフルカラーで本文は日本語と英語のバイリンガル仕様で表紙は箔押しときたら、その佇まいだけで良い本確定な代物だ。そこに値段が¥3,500+TAXときたら買うしかない。これを読んで迷っているそこの君は今すぐに買いたまえ。なぜなら500冊限定の数に限りがあるからだ。そしてここから先MONSTER BOOKを買いたくなるような誕生秘話を綴っていく。

運命を変えた出会い

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2018年9月5日、前職場で仕事終わりに飲みの誘いを受けた。あまり社交的なタイプでないのと酒が好きじゃないのもあり、基本的に飲み会というものには行かないのだがその時は何故だか行った。特に理由もなく飲み会に参加した。たしか6人くらいで特に内容もない会話をしていた。

途中から金髪のメガネをかけた男がその飲み会に合流した。その男の名は吉田昌平。後に僕とMONSTER BOOKを作る出版社“白い立体”の男だ。僕は酒に酔っていたのかモンスターの話を永遠としていた。楽しかったのは覚えている。好きなモンスターの話を好きなだけして満足度の高い飲み会だった。その飲み会の翌日に吉田さんからすぐに図鑑のオファーが来たのだ。

そのときに、強く思ったこと。

好きなことや、やりたいことを口に出して発信しておくことの大切さ。

好きで落書きの延長のような感覚で描いていたモンスターが図鑑に!?当時の僕はまず疑問に思った。それと同時に面白そうだとも思った。すぐに吉田さんと話し合い図鑑出版の準備をすすめた。

MONSTER BOOK 製作秘話

とにかく僕は図鑑にできるだけのモンスターを描く。そこに注力することにした。3ヶ月くらいで300枚くらいモンスターを描いて吉田さんに見せに行った。(図鑑の為に全ページ描き下ろしてます)
僕の今までのスタイルは、初期衝動のままにモンスターを描いていたということもあり、塗りや線、完成度に統一感がなくその9.5割くらいが描き直しorボツ案になった。マジで絶望した。あの300枚描いてほぼボツになったときは事務所でめちゃ駄々こねてやろうと思ったが今となっては良いものを作る為に必要不可欠なことだったと思う。マジで駄々こねなくてよかった。。。

そこから僕はいただいたアドバイスを意識して再びモンスターを描き直す日々が始まった。でも苦に感じたことはなかった。本当にモンスターを描くことが好きなんだとつくづく思わされた。

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とにかくいつも以上にモンスターと向き合う日々が始まった。この時点で僕はようやくスタート地点に立ったのだ。MONSTER BOOKを作る権利をモンスター達から与えられたと思った。

僕は甘かった、、、本当に甘かった。図鑑を作る道のりがこんなにも長く険しいものだったなんて。2018年9月に動き出し、2019年の6月くらいには出版できると思っていた自分をぶん殴ってやりたい。でもこの経験から、本を作ることの大変さや、一冊の尊さを今まで以上に感じることができるようになった。モンスターを通してまたひとつ成長した。

モンスター図鑑のプロジェクトが1年程経過した頃、完成どころか僕はようやくスタート地点にたどり着いたことに気づいた。

いいかここからが本当の戦いだからな。

どこかから聞こえた。

後編につづく。。。



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