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『影の車:万葉翡翠』(松本清張)を読む

万葉集にも詠まれる翡翠。長いこと日本には存在せず、日本の翡翠は大陸から持ち込まれたものと思われていた。考古学者のもとに集まる三人の学生は、万葉集をもとに翡翠のあった川に目星をつけ、それぞれ実際に探すことになった。三人の学生のうち、自分の目星が間違いだったと気づいた一人が取った行動は。

翡翠の緑色は、艶めかしいぐらいきれいな色だ。地球の土や砂の中からどうやってあんな色が出るのだろう。おそらくこの三人の学生も色に魅せられた部分もあるのだろう。なぜあの色が出るのか?理由はまだはっきりわかっていないようだが、翡翠研究家の宮島氏は「石の割れ目に入り込んだ熱水が翡翠を作る」という主張がある。

この作品の舞台となった糸魚川。糸魚川といえばフォッサマグナの印象が強い。フォッサマグナとは物理的な溝ではなく、地質学的な溝のことだが、日本列島が出来上がる過程でできたその溝に、溶岩や海水などの熱水が入り込み気の遠くなる年月をかけて翡翠ができあがっているのかと思うと、それを探して争う人間のなんとちっちゃいことよ。

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