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こんにちは。スタッフの松下です。コロナ禍での生活で、コロナ前に当たり前だったことが、不意に刺さるときがあります。  

YouTubeで見る去年の映像。プロ野球やどこかのお祭り。抱き合い喜び合い、大きな歓声を上げている。過去の映画やドラマ。人はマスクなどせず密集し、触れ合い、話をしている。

帰宅途中に香る焼き鳥の旨そうな匂いが、かつての喧騒を呼び起こして残念な気分になります。喜びを分かち合うため、ハイタッチしようと振り上げた手を所在なさ気に降ろす芸人の姿が悲しかったです。僕自身、コロナ前にそんな風に過ごしていたわけではないですが、世間にはそれが当たり前に存在しているということが自分には大切なことだったのだと発見しました。

もちろん人から与えられる悪意や危害もある。満員電車は嫌だ。満員でなくても嫌だ。他人の気にくわない部分はやはり気にくわなくし、 ちょっとずつ精神がすり減る。または自分が他人の精神をすり減らしていたりする。 疲れる。それでも、人から与えられる喜びや、人と人が関わることで生じる摩擦から、感動がおこるのも事実。いずれにせよ、人から離れるにしろ近づくにしろ、このコロナによって人との関わり方を考え直した人も多いのではないでしょうか。

満員電車

僕は少し近づき、数年ぶりに演劇のWSに参加してきました。参加者が互いに出会っていく時間というのはとても面白いです。自分も含め、初めはみんな警戒心が強い。 元気のいい挨拶をする人、声の小さい人、礼儀正しい人、素っ気ない人。目を合わせるような合わせないような時間が流れて、黙って身体をほぐしたり、テキストに目を通したり各々の時間を過ごしている。 

静寂。

他人行儀な表情、声色、声量。

警戒。

そして身体を動かして1つ笑いが起きたら、身も心も柔らかくなっていつもの自分に。その人がそれまで歩いてきた時間が今日初めて出会った人たちの前で動き出す瞬間。ツッコミ始める人ボケる人、隣の人と話し始める人、遠慮したり相手をたてようとしたり。言動の端々に俳優としてのプライドが見え隠れする人など。演劇から離れていた僕にはその光景が心地よく、いい時間でした。

ネビュラエンタープライズで運営している「時々海風が吹くスタジオ」でも発声練習やシアターゲーム、セリフ、笑い声などが聞こえ始めています。出勤するたびに懐かしく感じつつも、若々しさや初々しいさがこそばゆく、果たして今の自分はあんな風に演劇に取り組めるだろうか、なんて耽ってしまいます。

人と関わるのは疲れます。

一切、誰とも関わらないで過ごし続けるのも疲れます。

極端なのはあまり好ましくないなと。

早く収束することを願います。

 

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