アートで感じる「繋」の幸せ!【「TURNフェス6」内覧会レポート】
こんにちは!スタッフの臼田です。
ページをクリックしてくださり、ありがとうございます。
始めにお伝えしますが…今日のおちらしさんWEBはちょっと長いです。
でも、どうしても、読んでほしい!
読み終えたらきっと、心地よい気持ちで笑顔になれるはず。
8/17~8/19に東京都美術館で開催された
『TURNフェス6』の内覧会に参加しました!
TURNとは、障害の有無、世代、性、国籍、住環境などの背景や習慣の違いを超えた多様な人々の出会いによる相互作用を、表現として生み出すアートプロジェクトの総称です。2015年、東京2020オリンピック・パラリンピックの文化プログラムを先導する東京都のリーディングプロジェクトの一つとして始動した後、2017年度より、東京2020公認文化オリンピアードとして実施しています。
(TURN公式HPより https://turn-project.com/about )
TURNを通じた様々な活動がひとつに集まるビッグイベント!
6度目の実施となる今回は8作家9組の展示やプログラムが展開されました。
TURN監修者である日比野克彦さんを始め、TURNプロジェクトの皆さんが、担当されている展示やプログラムを我が子のように優しい口調で語る姿が印象的!なので、ひとつひとつ展示をご紹介したいのですが…とっても長くなってしまうので、3つ、お話ししますね。
①「TURN NOTE」を音楽にする
TURNの活動のなかで生まれた言葉を一冊にまとめた書籍であるTURN NOTE。そのノートの言葉を音楽にする、という作曲家の井川丹さん発案による企画。
壁面には、音楽にするための指示が書き記されたTURN NOTEがならび、
奥の2つの細長いスピーカーから、2人の声楽家によるTURN NOTEの音楽が流れています。
部屋が楽譜のようになっていました!
期間中も気づいたことを書き込んでアップデートをされるそうです。
黒と白が並んでいて、ピアノのようにも見えますね。
言葉に音楽記号がついている!
音楽はずっと会場に流れていますが、全ての音が耳に届くわけではなく、気になる音がポッと心に届くのです。
そして届いた言葉は、ノートに書かれたテキストを読むだけより、ずーっと、心のなかをグルグルしています。
グルグルして、想像して、人の心を知る。
…演劇みたいですね。
演劇も言葉(台詞)を音(声)にして届けている。
突然自分の心に飛び込んでくる台詞がある。
ちなみに、私も言葉を重ねる体験をさせてもらいました。
特に印象的だった、このノート。
「東京=殺伐とした場所」って、つい考えてしまうことがあります。そんな狭かった視野を、このノートが柔らかく広げてくれました。
そこへこの言葉を重ねます。
言葉が音楽と一緒になって、人と人の心をより強く、繋げてくれる。
だいぶ長い時間、ココに立ち止まっていました。
②「遠くの地面を歩く」
足元の地面の写真を撮り、その写真たちを切り貼りして、ひとつの「地面」にする。アーティストの岩田とも子さんと、多国籍の子供たちの通う保育園との交流のなかで生まれた作品。
今回は会場でも作品を作ることができ、私も同じ体験を!
写真のなかから
気になるところを切り取って、
気になるところにぺたり。
私が貼ったのはどこにあるか、分かりますか〜?
切り貼りした時は1人でしたが、紙の上には誰かが歩いた跡(貼った跡)が残っていて、ここでも繋がりを強く、感じました。
最初の1枚をペターッと貼ってくれた人の勇気…有り難いなぁ。
岩田さんのエリアにある地面の写真はスマホカメラではなく使い切りのカメラを使用しているとのこと。写真を撮ってから目に見えるまで時間がある。
その時のソワソワとワクワクって最高。
写りが分からないまま撮るからこそ、きっと、心で見たものがそのまま写真になっていますよね。
心で見た絵が一つになって、繋がる。
③「同じ月を見た日」
ひきこもりの当事者経験を持つアーティスト渡辺篤さんによる展示。
ひきこもり当事者だけでなく、コロナにより孤立感を感じている人など、誰もが参加できる企画。
どの場所でも「同じ月」を見ることができる、ということから、2020年4月の緊急事態宣言から今日に至るまでの、様々な人が撮影した月の写真が作品として並べられています。
同じ部屋にあるこのライト。これもただのライトではなく、スマートフォンなどを使用して、離れている人でもこのライトを点けたり消したりできるそうです。
実は私もほぼ引きこもりの1年間がありました。
私のことは今回はどうでもいいんです…!が、どうしてそれをお話したかというと、
家から外に出ていなかった時、友達から届いたメールが、身体がよじれるほど嬉しかったんです。繋がりを感じる瞬間がとてつもなく幸せでした。
月という同じものを見ている。
それを通して繋がりを感じる。
あの人もこの人も同じ「月」を見ている、という想いに心を馳せる、
繋がりを感じる。
心から幸せなことだと思います。
3つ、展示のことをお話しましたが、
どのお話にも出てきた「言葉」があるの、お気づきになりましたか?
私も途中から気づいたのですが…
「繋がる」
って書いているんですよね…
どれも個性のあるプログラムなのに、最後には同じように「繋がり」という幸せを感じる。
人それぞれ、どんな違いがあったとしても、必ずどこかで繋がっている。その繋がりに気づける瞬間を大切にしたい。そう思いました。
かといって、「繋がり」という一言でまとめたくないほど、感じたことは他にもたくさんあります。皆さんそれぞれ、いろんな感じ方ができるイベントだったのではないでしょうか。
最後にいちばん心がホッとしたことをひとつ。
「みんな、笑顔だった!」
たとえ緊張などで顔が笑ってなかったとしても、心が笑顔!
TURNに関わる皆さまお一人お一人から、それが伝わるんです。
だから美術館の外に出た時、「ワクワクしたぁ」って声が、自分の心から素直に飛び出てきました。
オンラインプログラムは9月5日、アーカイブ配信は9月30日まで開催されるそうです。
TURNフェス6 : オンラインプログラム
開催期間
2021年7月19日(月)~9月5日(日)
参加作家・団体
アイムヒア プロジェクト|渡辺篤、マチ―デフ、山本千愛、永岡大輔、飯塚貴士、稲継美保、松本力、田村大、パポとユミ、向坂くじらとカニエ・ナハ ほか ※順不同
主催
東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京・東京都美術館、特定非営利活動法人Art’s Embrace、国立大学法人東京芸術大学
共催
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会
(TURNフェス6 オンラインプログラムHPより https://fes2021.turn-project.com/online/)
今後のTURNプロジェクトにも大注目です!!
お読みくださり、ありがとうございました。
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