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【劇場めし 第21回】表参道の人気店「蕎麦きり みよた」

「劇場周辺の、おすすめのご飯屋さんをご紹介!」する、このコーナー。今回は表参道駅周辺です。2022年現在、表参道駅付近の劇場といえばスパイラルホールが挙げられます。スパイラル自体が複合文化施設のため、観劇以外の目的で訪れる方も多いでしょう。そして、個人的に懐かしく思い出すのは、2015年に閉館した青山劇場・青山円形劇場のこと。このふたつの劇場には、僕自身たくさんの思い出があります。最寄りの表参道駅は、東京メトロ・銀座線、千代田線、半蔵門線にアクセスでき、また、渋谷駅まで徒歩15分程度なので、散歩がてらの徒歩移動もアリ。
 
表参道で、めし、飯、メシ…。ううむと悩み、選んだのがこちら。行列ができる人気店の蕎麦きり みよた。普段の僕は行列店をなるべく避ける傾向にあるのですが、観劇後に立ち寄った関係で閉店間際なこともあり、短めの列に並んでみました。ある意味滑りこみセーフ。せっかくなので、時間をかけてメニューを選びます。

初めてのお蕎麦屋さんなら、蕎麦の味をじっくり味わいたいところですが、こちらはセットメニューが豊富、そしてお得。このコスパにはかなり惹かれます。天丼や親子丼のセットなど、蕎麦屋の定番メニューも魅力的だけれど、「これ、ちょっと珍しい?」と感じた鴨ステーキ丼セットをオーダー。冷・温、そして蕎麦・うどんが選べるので、もり蕎麦をお願いしました。
 
しばらくして、お盆に並べられたセットがやってきます。初見の印象は「おしゃれ!!」。これは映えるやつ。ちなみに、店内の清潔感や店員の丁寧な対応など、全体的に映えが光ります。「写真を撮って人に見せたくなる綺麗さ」がコンセプトなのかも。目で楽しんでもらう。そして拡散してもらう。値段も安い。人気・行列も納得です。それでは、いただきます!

もり蕎麦を出汁につけ、ひとすすり。うん、まとまりを感じるお蕎麦、という印象。十割蕎麦のような力強さはないものの、バランスよくまとめられた都会的なお蕎麦。つけ出汁はやや甘め、これも全体の調和に一役買っています。次は鴨ステーキ丼。ご飯は柔らかめで、鴨肉にかけられたタレとのマッチングが美味しい。甘くて濃厚な旨味のタレ&ライス、好きだなぁ。鴨ステーキはしっとり食感、柔らかいのに弾力がある。肉の生々しさが少なく、さっぱり食べられるのも嬉しいポイント。小鉢に入ったつくねはコリコリ食感で、鴨ステーキとのコントラストが楽しい。漬物や柚子胡椒も味変のアクセントとしてグッド。
 
最後は蕎麦湯で締めて、ごちそうさまでした。会計を済ませ、外へ出て、表参道から渋谷駅まで歩くことに。都内有数の一等地で食べる、コスパよし、映えよしの、蕎麦と丼のセット。人気店の実力を感じつつ、次に表参道へ来た際も候補のひとつになり得るなぁ…と考えました。
 
 
文:園田喬し(演劇ライター・編集者・『BITE』編集長)
 
 
蕎麦きり みよた
東京都港区南青山3-12-13
紅谷ビル1F
TEL:03-5411-8741

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