引き算の美学|おちらしさんのショップカード道!第1回
こんにちは。おちらしさんスタッフのしみちゃんです! いつもおちらしさん、おちらしさんWEBをご覧いただきありがとうございます。
おちらしさんのサービスを運営しているネビュラエンタープライズは、東京都江東区亀戸にある会社です。亀戸といえば「亀戸天神」!! 菅原道真が祀られたこの神社は、春には藤の花が咲き誇ることで有名なんです。
この亀戸天神の周辺をはじめ、亀戸にはたくさんの飲食店や小売店が立ち並びます。つい先日には、「カメイドクロック」という大型のショッピングモールも駅前にオープンしました。
古きと新しきが混ざり合う素敵な街でありながら、まだまだ私たちスタッフも知らない部分が沢山。 そんな街をもっと良く知っていこうと、お店を訪れる中でショップカードを集めていきました。
そこで生まれたのが、「ショップカードってなんだろう??」という疑問です。チラシを扱う会社としても気になるこのクエスチョンを紐解くため、亀戸、江東区、そのほか都内の劇場周辺などで出会ったショップカードを集めること、約260枚……。チラシマニアの目線でショップカードを解剖します!!
お店の“推したいもの”が表れている……?
しみちゃん:今日は新国立劇場のシリーズ「声」チラシ座談会に続いて、お集まりいただきありがとうございます!! 今回は初めての「ショップカード」についてお話ししていく会です。ひとまずカードを広げてみたのですが、何か気になるものはありますか??
水口:これが意外と好きかもです……! 「パニーニ一番」? 「一」がパニーニなんですかね? 文字が可愛いのはやっぱり気になっちゃいますよね。
しみちゃん:私は鳥さんのかな? 可愛い!!
水口:え、すごい!!!!
臼田:これはほぼ日曜日の「生活の楽しみ展」に行ったときに、「コーヒーの国」というブースでもらったカードです。出展されているコーヒーメーカーの一つでした。
伊藤・水口・しみちゃん:へえ~~!
しみちゃん:「ソーシャルグッドロースターズは、障害のあるバリスタや焙煎士が活躍する焙煎所です。」だそうですよ。
水口:この徳利とか、ビールの形も好きですね。
しみちゃん:形が変わっているタイプは可愛いですよね。
伊藤:この竹尾さんのはすごいですよ。さすが紙の専門店です。
水口:へえ~! 色違い!
伊藤:しかも、紙の種類も違うんです。
しみちゃん:ええ~!! 触ってみると感動しますね!!!!
臼田:紙屋さんのはやっぱりすごい気がします。
伊藤:こだわられていますよね。お酒屋さんならお酒の形をしていたり、紙屋さんなら紙質がちょっと違ったり、そこのお店の推したいものが表れているんですかね。
チラシとは違う「記憶を呼び覚ます役割」
臼田:色とか、お店のジャンルごとにも集められそうじゃないですか? カフェはちょっと茶色っぽいとか。
水口:この「パンとエスプレッソと」は、店舗ごとにも違うんですね。
伊藤:お隣の「水縞」は、調べたところ吉祥寺の文具店らしいですよ。水玉好きのデザイナーさんと縞々好きの店主さんがやっているそうです。
しみちゃん:なるほど~!! だから「水縞」なんですね。
伊藤:こう思うとチラシと全然違いますね。ショップカードは情報が少ないというか、名前と住所ぐらいがほとんどじゃないですか。
しみちゃん:たしかに情報が少ない上に、ここからホームページに飛べるQRコードとかもあまりないですね。既に足を運んでいるお店だからいいのかな?
臼田:来てくれたお客さんにお店を忘れないでもらうのが目的なんですかね?
伊藤:だから大抵情報メインというよりは、印象を残すようなものが多いですよね。
水口:公演チラシはこれから観に行くものを想像させるアイテムですけど、ショップカードなら既に行った場所がほとんどだから、覚えているうえで誰かに紹介したりとか、また行ったりだとか……。
伊藤:記憶を呼び覚ますためのアイテムですよね。だから思い出すための手掛かりになる情報だけでいいのかもしれません。これがチラシなら、メニューとか営業時間とかきっといろいろ載せるんでしょうけど、それを全部排除しているんですよね。
“一度行ったことのある”アドバンテージ
臼田:これは一見、高級ファッションブランドのショップカードですけど、裏を見るとコーヒー屋さんみたいです。
水口:こっちはタロットカードみたいで、実はバーでした。
水口:これはなんでしょう? 「ハタメキ ~くう・ねる・はねる 清澄のハコ~」だそうです。
しみちゃん:あー! 表の柄も「ハ・タ・メ・キ」なんですね。
伊藤:行っていないと何のお店か分からないですよね。基本、お店に行かないと手に入らないから、特に「これを使ってお客さんを呼ぶ」っていうわけじゃないんですね。
水口:ショップカードを使って人に紹介する場合も、内容の余白が多いから行った人の言葉で話せそうですよね。Googleマップやグルメサイトが普及していても、「ショップカードを作りたいんだ!」と思っているお店がここには揃っているわけじゃないですか。
福永:やっぱりネットで特定のフォーマットが決まっているよりは、お店のカラーが出しやすいんじゃないかな。
しみちゃん:飲食店でもお料理の写真が載っているところって、ほとんどないじゃないですか。
伊藤:自分たちの商品を出さない理由って何かあるんですかね?
水口:私たちの会社のはす向かいにある「こちる」さんも、ジュースは載ってませんもんね。ちょっと聞いてみたいな。
福永:お芝居のチラシでも、あえて情報を少なくすることってたまにあったりするじゃない? ショップカードだともっと紙面が少ないから、あえて情報をそぎ落とすほうが作りやすいのかもしれないね。
伊藤:「一度行ったことのあるアドバンテージ」が大きいんでしょうね。演劇でいうと再演みたいな。
しみちゃん:ああ~! 確かに再演ですね!!
伊藤:その分、いろんなところで遊べるのかもしれません。形だったり、色だったり、抽象的だったり、ロゴだけだったり。自分が作るとしたら伝わるのか不安になりそうですけど(笑)
「取っておきたくなるか」が決め手!!
福永:今思ったのは、リピーターを目当てにするなら「カッコイイ」ほうが持ち続けてもらえるよね。文字ばっかりより取っておきたくなるじゃない。
水口:レジ横に置いてあることが多いですけど、まずお会計を待っている間に「ふ~ん」と思って取ってもらえるかですよね。メニューとか載ってても、もう食べたから必要ないや! ってなりそうで。
しみちゃん:デザイン性のほうが大事なわけですね。美術館の半券とかも、素敵なデザインだと記念にと思って手元に残しちゃいます。
伊藤:「取っておきたくなる」ってことは、数か月後か何年後かにも、また行きたくなる可能性があるってことですよね。チラシとは似たようでまったく用途が違いますね。公演チラシで「また来てもらおう」ってないじゃないですか。
しみちゃん:リピーター向けのチラシって見たことないですね。2回目観た人にしか分からないチラシとかあったら面白いですけど(笑)
福永:たまに再演だと、なかにはそういう工夫が仕掛けてあったりもするよね。
伊藤:ショップカードって「お店の紹介」ってイメージでしたけど、情報よりも「取っておきたくなるか」のほうが重要なんですね。
チラシマニアたちによる、ショップカード座談会はいかがでしたか? ショップカードのことがちょこ~っと掴めてきたところで、次回よりお店のジャンルや特徴ごとに迫ってまいります! ぜひお楽しみに!!
17,500名の舞台・美術ファンにお届け中!「おちらしさん」への会員登録もお待ちしています! おちらしさんとは⇒https://note.com/nevula_prise/n/n4ed071575525