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先生、やめたってよ。

まさか自分が一身上の都合なんて言葉を使う日が来るとは思っていなかった。

まして、ずっと夢見てきた職業を辞めるなんてことも。


公務員としての教師キャリアから離れたので、
一区切りとして自分の経験や思ったことをまとめていこうかな。

おれは、正規教員として3年間期限付き採用を などを含めたら5年間勤めていた公立小学校を昨年の3月末に辞めた。

現在は、自分の経験をどう活かしていくか模索しながらデザインを中心に働いている。現在の仕事についてはまた別の機会に書きます。

辞めた理由

「こんな大人になりたい」がなかった。
職場を見渡して、自分がこんな大人になりたいと思える人がいなかった。

昔、パイセンが言ってた。

職場を見渡してさ、周りにいる上司や先輩がいるでしょ。その人たちの姿が、自分が歳取ったときの姿だよ。
カンボジアのパイセン

職員室を見渡して、2〜30年後になりたい自分のおじさん像と比べると違ったんだな。下の人たちがカッコイイと思える存在でいたいと思っていた。当時の自分がなりたいと思える大人は、ほとんどいなかった。

何よりも管理職から「この先、楽しいことはないよ」という一言を聞いた時は面を食らった。どんなリアクションしたかも分からないくらいの衝撃だった。先輩って、後輩にワクワクしている姿勢を見せるんじゃないの?って失望してた。今、考えると望みすぎだった気がする。


職員室で子供の愚痴や同僚の噂話を聞く度に、外でやってくれよと思った。どれだけ自分の人生が平凡で満たされていないのだろうと思ってた。

ある日、昔からの友人と大井町にある汚い立ち飲み屋で飲んでる時に、自分でも知らず知らず愚痴を言っていた。その時、友人からの「前は子供を預けるならお前のいる学校が良かったけど、今のお前だと預けたくないな」って言葉は堪えたなぁ。

愚痴ばかり言う大人になりたくないと思っていたのに、いつしか自分もそんな大人の渦に巻き込まれていることに気づいた。そうなっていく自分が嫌で、愚痴を言うくらいなら自分でやりたいようにやれる環境に身を置くべきだって思うようになっていった。

学校という閉鎖された空間は、どうやら純粋な情熱をもった若者たちから精気を吸い取ってしまうらしい。たまには換気が必要だ。

日々是、ベルトコンベアー

やりたい事と日々やっていることのギャップが徐々に大きくなっていき、いつしかベルトコンベアーみたいな毎日になっていた。マイハート イズ ブロークン。

そんな気持ちを抱えながらだったので、情熱を持って仕事に取り組むことが難しくなっていた。中途半端だなあという気持ちが強くなっていった。ある程度割り切ってやることも大事と校長に言われたが、理想と現実の折り合いがつかなかった。社会に出ると、よくぶち当たるやつだ。中途半端な気持ちで働いている自分。その罪悪感から抜け出したかった。

そこで、辞職表を出した。

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