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NEUTRAL COLORS初の写真エッセイ

好きな人の本を好きな数だけ世に出す。これほどシンプルな編集方針もない。狙ったわけではなく、行き着いてしまったスタイルが、実は本当の自分なのかもしれない。そこに思考がもたらす不安感はない。本を作りたいと思った瞬間の心の平安と、作っているときのざわざわ感。出来上がったときの虚無感。やがてくるまた作りたいと思う衝動と。編集だけで生きていけたらいいとつねづね考えている。定年もない。そのための苦労も分かっているし家族の理解もある。ありがたいことにコマーシャルの世界からもかろうじてオファーが来るので受けているがそのうち無くなるだろう。そして純粋に編集だけが残る。

松尾修 著「写真の中の君は何を見ている」

なぜ人は写真を撮るのか? ピースサインをしてしまう理由とは? 良い写真とは何か……。本書は写真を取り巻く根源的な命題に、実際的な写真と、深遠なエッセイで迫ります。当たり前すぎて考えもしなかったこと、意識もしなかった「写真を撮る」という行為が、作家の「写真の論」を通じてストンと心に染みこんでいきます。

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目次:
アルバムの中の君は何を見ている/カメラを覗くと行ける場所/アニカ/なぜ四角い/目の前にいる人/レンズの長さと臨場/アニメーション/ピースサイン/後ろ姿/はかなさに敏感/幼少期、親が死ぬことに気づく/佐世保/動物たち/不吉な予感/モノクロームの世界/良い写真とは何か/視点と場所/不在感/今はもういない人/フィルムとデジタル/子どもと老人/扮装と演技/カメラの音/カメラの大きさ/人形と写真/壁にかかった写真とめくる写真/これは誰かの夢か/不安定なもの/共犯者/真ん中にすっと立つ/僕に気づいた人/写真と動画の時制/写真の中の君は何を見ている

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・日本語/英語/中国語の3カ国語表記

松尾 修(まつお・おさむ)
1970年、長崎県佐世保市生まれ、東京在住。写真家。日本大学芸術学部写真学科卒業。写真集に「HEAVY METAL」「17」「写真論」などがある。数々の雑誌、広告ビジュアルを手掛ける傍ら、佐世保に通い続け、写真の論を探究する作品を発表し続けている。

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https://neutral-colors.stores.jp/items/5e60e65b68c4620679534ed9

著者:松尾修
装丁:渡辺和音(ThereThere)
編集:加藤直徳
発行:NEUTRAL COLORS
B6変型 181 x 117 x 23mm 240ページ
価格 1,600円+税
ISBN978-4-909932-02-0 C0072


完全にインディペンデントとして存在し、オルタナティブな出版の形を模索し続けます。