サイズ改訂小林ノリコ

第1回目の熱海国際映画祭が終了して、感じたこと、考えたこと。その①

第一回目の「熱海国際映画祭」が終わって10日あまり経ちました。
映画祭は6月28日(木)から7月1日(日)まで4日間開催。当日私は、取材メディアの記者として各会場を歩きました。
そこで今回は、私が実際に現地で見聞きしたなかで、「熱海国際映画祭」の改善点と良かった点を、贔屓目なしでお伝えしたいと思います。今回の投稿では、まず「次回へ向けての改善点」を挙げてみます。

映画祭では、招待作品をはじめコンペ参加作品など、約80作品が熱海市内の8ヵ所で上映されました。熱海市内には映画館やコンベンション施設がないので、上映館はホテルや観光施設などの一角を借りて行われました。
そのほか舞台挨拶、トークショーやワークショップ、コンサートなどの関連イベントも行われていました。映画好きが4日間泊りがけで見ようと思っても、すべて見きれないほどの目玉イベントが盛りだくさん。

とは言え。

とは言え、です。完全に準備不足だった感がありました。その準備不足も、すべてが人手の足りなさ(ボランティアが足りない)に起因するのではないでしょうか。
最終日に行われた映画祭サミット「映画祭の意義を考える」に登壇した他の映画祭関係者のなかにも、こういった準備不足を感じていた方がいたようでした。
事前準備や告知が不足していたことによって、お客様が呼べる上映やイベントがたくさんあったにもかかわらず、然るべきところに届いていない(届かない)という事態が発生していたように感じます。

●街の雰囲気作り不足

映画祭ののぼり旗が駅前に立ったのは開催前日。熱海駅を降りても、「街ぐるみの大きなお祭りが行われる」という雰囲気が感じられず、訪れた人が「あれ、この駅下車で間違ってない?」と戸惑っているのを見かけました。

↓初日の駅前の様子です。平日だからしょうがないか…。

●告知不足

前売りチケットがどこで買えるのか、熱海市民でもわからない人が多かったそうです。映画祭開催間際になって、市役所やゲストハウスmaruyaでも買えるようにしたそうですが、「ぴあ」や「イープラス」のようなプレイガイドで購入できるようにしたら、認知度も上がったでしょうし、もっと全国から多くの方が来てくれたのではないでしょうか。当日券がどれだけ出るのか、チケットに余裕はあるのかという情報を、ホームページやSNSで流せば、当日参加を決める方もいたのではないかと思います。
それから、参加券の購入が必要なイベントもあって、チケットの区分けがわかりづらいという声も。もう少しシンプルな体系にしたほうが良いのかもしれません。「プレミアムパス券にメリット(プレミアム感?)が感じられない」とボヤいていたお客様もお見かけしました。

「映画祭の公式サイトが見づらい・使いづらい」「上映スケジュールの組み方に異議あり」「上映スケジュールに余裕がない。いつお昼を食べたらいいの!?」という声もSNSで散見されましたし、実際に会場を回った私も、同じような感想を持ちました。

●打ち合わせ不足・連絡不足

大きな企業がいくつか関わっていたためなのか、しばしば情報が錯綜しているような場面に出くわしました。当日だけでなく、事前準備期間もそんな様子が見受けられました。市民や有志が手弁当で始めたイベントではないので、実行委員会や市側がふりまわされてしまう現実…。とくにオープニングセレモニーのときに「仕切りが悪い」と言っているお客さんを見かけました。事情がなんとなくわかるだけに、右往左往しているボランティアのみなさんがかわいそうに映りました。

↑会場の各所に置かれていた案内ロボット「コロン」ちゃん。用もないときは饒舌だけど、開会式でコメントを求められると黙ってしまうという、やたらと人間っぽいロボットでした。

●サポート不足

「ここから芸妓見番まで徒歩で行けますか?」と、通りがかりの方に声をかけられました。県外から来られたそうで、会場同士の距離感がわからなかったようです。駅から会場までどのくらいかかるのか、歩いたほうが早いのか、バスはあるのかなど、公式サイトやSNSなどでサポート情報を出して欲しかったですね。
事前にお客さん個人がインターネットで調べればいいことなのですが、やっぱり土地勘がないとわからないですよね。救世会館までの「シャトルバス」が有料だったことにも、ちょっと驚きました。

●「熱海で映画祭をやる」というローカル感不足

熱海や静岡を舞台(ロケ地)にした映画は、たしか1〜2作品が参加していたと思います。せっかく「熱海・静岡ロケーション賞」という枠があるのにもったいない!
今後は映画祭で熱海をロケ地にした作品を上映するイベントを企画したり、映画・TVドラマにかかわらずロケ地として使ってもらったら自動的に映画祭で上映させてもらう…といった方法も考えてみてはどうかと思います。
あと、地元の飲食店や商店に還元できているのか、そしてお客様に熱海や伊豆の美味しい食べ物や街の雰囲気を楽しんで帰ってもらえたのか、ちょっと疑問を感じました。

挙げていくときりがないので、ここまでにしておきます。
先出の映画祭サミットで、釜山国際映画祭の組織委員会の方が「街に小さなタバコ屋ができても、街のみんなに知られるには2〜3年かかるもの。映画祭は最初の3年が大事で、5年経てば安定してくる」と、熱海国際映画祭にエールを送ってくれました。
今年はじめての開催ですから、2回、3回と着実に改善を重ねれば、きっとうまく回るようになると思います。そして、映画祭を地元に根付かせていき、映画ファンだけでなく市民から愛されるイベントになっていくことができればいいですね。


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熱湯エリア(熱海+湯河原)で面白プロジェクトを展開するよそ者クリエイター集団「熱湯ストレンジャー」の執筆メンバーです。note個人→https://note.mu/covanon プロフィール詳細→https://covanonwriting.themedia.jp/