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Nestのインターンで学んだこと

私は8月15日から9月9日までの約1ヶ月、西粟倉にある一般社団法人Nestにインターンとして参加しました。

主に取り組んだことは
・Nestの仕事のお手伝い
・自分のやりたいことへの取り組み
です。

この期間で学んだことをレポートさせていただきます。
学んだことは、大きく分けると3つです。

①Nestの活動と教育について

【子どもと向き合う難しさ】
各企画の準備の中で、私は主に子ども達の作ったチラシや、制作物への助言や作成のサポートしました。その中でどういう言葉をかければいいのか、どこまで指摘をすればいいのか、言葉選びをはじめ、子ども達と向き合うことに難しさを感じました。何も言わないというのも良くないし、誘導しすぎてもいけない、というバランスが本当に難しいなと感じている中で、Nestの今井さんは子ども達に対し、問いかけや投げかけを優しくしていながらも、子ども達の意見をしっかりと聞き出すようなことができていてすごいと思いました。

また、子どもたちは「まずやってみる」という姿勢があるのがとても印象的でした。「先生をやってみたい」から始まったレジン会や、色々やっていく中で「こうした方がいいんじゃない?」という課題を見つけ、そこに対し「こんなのはどう?」「こうしてみようよ」といった、新しいアイディアや改善策をまず試すということをしていました。私は普段からよく考えてしまう傾向があるので、そんな子どもたちの積極的で、素直な姿を見て、私自身も多くのことを学びました。

【振り返る=常に考える】
Nestでは、子ども達の活動についての振り返りを毎回行っています。参加する中でいろんなことを考えました。

Nestは「よかったところ」「悪かったところ」ではなく、GOOD(よかった点)&BETTER(改善点)という観点での振り返りをしています。

私は、最初は振り返りの存在を知らなかったので、なかなか意見が出てこないという体験をしました。教育に関わる人間として「脳みそをマルチに使う」ということは必須だということをNestの福岡さんからアドバイスいただき、普段自分がどれだけ脳みそを使えていなかったのかを痛感しました。

そのことをきっかけに、活動中の1ヶ月、ことあるごとに振り返りをする習慣になったので、普段から気づいたことなどを「常に考える」という姿勢が身につきました。

例えば、上記とは別に、個人の取り組みについて、毎日の日報の記入と、定期的な振り返りを行いました。毎日、1日何があったのか、何が良かったのかなどを振り返る時間を作ることができたので、自分の感じたことを言語化するという習慣がとても大事だと感じました。

また、1日ごとではなく、3日間、1週間、3週間などスパンを変えての振り返りをすることで、その期間での変化や、自分の成長などを感じることができたので、時間軸を変えるということも大事だと感じました。インターンの期間で、さまざまな振り返りを通し、自分の学びを整理することができました。今後もこの振り返りの習慣を自分なりに設定し、生活の中に取り入れていきたいと考えています。

【教育の本質は?】
私が教育に関心を持っている一つの理由として、日本の若年層の自殺率の高いことがあります。しかし最近、それは本当に教育が原因なのか?と少し疑問を感じているところがありました。そんな中で、西粟倉の教育長である関さんとのお話で印象に残ったことがありました。それは、「教育の本質は、環境1つ1つを整えること」にあるということです。プリントで使う紙1つとっても、それは子どもにとって学ぶ環境であると。また、「100点をとったことをほめるのではなく、頑張ったことを褒め、頑張らなかったことに対して叱ってほしい」ということを学校の先生たちに話しているということも聞きました。この時代に生きるために、折れずに生きていける「しなやかな心」を育みたいというお話を聞きました。

インターン期間で、Nestの教育に対する考え方にもより深く触れることができました。1つの考えとして、大人が学び続ける姿勢を子どもに見せるということが大事だという考え方があり、Nestでも定期的に勉強会をしたり、子どもだけに限らず幅広い教育のアプローチをされています。この1ヶ月間、教育について知る、考える機会が多くあり、教育に対する考えがまた広がったなと思いました。


②自分の取り組み、興味関心について

【好きなことにとことん向き合う】
私はこのインターン期間中、「好きなことにとことん向き合う」ということができたと思っています。やっていたことは、企画を考えるということを通し「自分と向き合う」ことでしたが、それは結果的に「自分の好きなことにとことん向き合うこと」なのではないかと感じました。

去年の休学した1年間で、ある程度自分の軸がしっかりしたと思っていましたが、今回福岡さんに逐一フィードバックをいただき、その度に自分のエネルギーがどこに出てくるのかを考えたことで、さらに自分と向き合うことができました。結果的に、地域の人に話を聞きまくるという自分の楽しくて仕方がないことに取り組むことができました。取り組みを通し、あわくら人形というものに含まれるその安心感や優しさは、西粟倉の地域性と繋がっているのではないかというような仮説を得ることができ、卒業研究も関係する充実したフィールドリサーチをすることができました。

滞在中には完成しませんでしたが、今回聞いた内容を雑誌のような形でまとめ、子ども達を含め、地域の人たちに届ける予定です。自分が地域に入り、色々な人と出会うことで、地域に眠っている価値や、資源を掘り起こしたり残したりすることが、本当にやりたいことの1つだということにも気づきました。

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【同世代との出会い】
また、滞在期間中、合計4人の同世代と出会い、一緒に学んだり、話したりすることができました。年上の方に出会い、考え方ややっていることを知ることもとても学びが多いですが、今回は同世代との出会いにとても恵まれ、自分にとって学びが多かったと感じています。考えていること、悩みなどを聞いていると、自分と重なる部分なども多く、自分のことを客観的に見れるきっかけになると感じました。その中で自分の考えを共有したり、自分の知っていることを相手の役に立てるように再構築しながら話すことで自分にとっても考えが整理できる時間になったと感じています。

③西粟倉という地域について

【地域を元気にするってどういうことだろう】
私は地方や田舎に関心があり、地域が元気になるってどういうことだろう、どうしたらいいんだろうということをずっと考えています。その中で色々なことに挑戦をしている西粟倉という地域に今回長期滞在をすることになりました。こんなに小さな村なのに、色々な人がいて、色々な面白いことをやっていてすごい、というのが滞在前、外から見た西粟倉の印象でした。実際に来てみて、色々な人たちに出会ったり、企業の事業内容などをより深く知ったことで、さらに面白い地域だと感じました。一方で、その実態に触れる場面も多くあり、その中でのバランスとか、地域の人への配慮というものが必要であるし、難しいということをとても感じました。地域を元気にするというのは、そんなに簡単なことではないと改めて強く感じ、少し悲しくなりました。しかし、合併した地域でもうまく地域おこしができていない現状がある一方で、合併しなかった西粟倉では、地元に戻ってくる人がいたり、今の移住者の多さ、外からの関心の高さなどを獲得しています。

そういうことを考えると、やはりすごい地域だと思います。

【西粟倉のあたたかさ】
自分が滞在して感じたことは、西粟倉の人の良さです。どの方も自分のやりたいことや相談したことに対しとても丁寧に対応してくれたり、話を真剣に聞いてくれたりしました。また、ご飯を食べに行ったり、野菜をくれたり、そんなあったかい村でした。「ここに定住してくれなくても、どこかで誰かに西粟倉っていい地域だということを話してくれて、それが少しづつ広がっていけばいい」そういう思いを持っている方が多くいて、本当に素敵な地域だと思いました。

短い間でしたが、西粟倉のことが大好きになりました。これからも頑張って欲しいと思いましたし、何度も何度も遊びに行きたくなる、そんなあったかい村でした!

伊藤絵実里

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