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【特集】海外在住の外国人サポーターは、いかにしてJリーグに惹き込まれたのか。

※この記事は、全文無料で閲覧可能です。

Jリーグサポーターは、何も日本だけにいるわけではない。日本から海外のサッカークラブをサポートする人が沢山いるように、海外からJリーグをサポートする人たちもまた存在する。今回は海外在住のJリーグサポーター3名にインタビューを行い、応援をはじめたきっかけや感じている魅力について聞いた。

①Jamie Green(浦和レッズサポーター)

Twitter:@JamieMizuGreen

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こんにちは、ジェイミーと言います。27歳です。グラスゴーの南から約1時間半のところにある小さな町で育ちました。スコットランドの多くの若者と同じように、物心ついたころからサッカーを見て育ちました。スコットランドのガーバンという小さな町に今も住んでいます。海が近くにあるので、綺麗な夕日を眺めることができますよ。



Q. 浦和レッズを応援し始めたきっかけは?

ポケモン、アニメ、侍を見て育ったので、日本には常々興味を持っていました。 これが若い頃に日本への愛情が深まっていくことにつながったんです。年を重ねるにつれてサッカーへの愛も深まったので、日本のサッカーが好きになるのも自然なことでした。

2007年から2008年頃、私が14〜15歳のとき、イギリスのサッカーAMというTV番組で、浦和ファンが「We Are Diamonds」を歌っている特集が組まれたんです。私はその情熱や色に夢中になって、一目散にGoogleでJリーグのことを調べました。日本代表のことは常に気にかけていたんですが、Jリーグのような素晴らしいリーグがあるなんて思いもしませんでしたね。情熱を感じ、浦和レッズを追いかけようと心から決心しました。

浦和レッズのユニフォームはクリスマスに欲しいものの中でもトップでした。 今日でも私はまだユニフォームを手に入れるのに苦労しているので、私の父がどうやってそれを見つけることができたのか全く分かりません! それからありがたいことに、日本のサッカー(浦和レッズ)への愛情を育んでくれた日本在住の素晴らしい人々と知り合いになりました。また、英語で日本のサッカーについて報じる素晴らしい雑誌『JSoccer Magazine』を作成し、私に多くのことを教えてくれたAlan Gibsonさんには特別に言及したいです。



Q. 浦和レッズの好きなところはどこですか?

情熱ですね。間違いなく浦和レッズは日本で最もサポートされているチームです。浦和レッズのアウェイゲームでさえも、まるでホームゲームかのように感じることができます。浦和レッズは誰もが勝ちたいと望むチームです。どのチームも勝つことに喜びを感じていますが、私たちに勝つことは、ほとんどのチームにとってそれ以上のことを意味しているように感じます。

私たちは日本で最も成功したクラブではありませんが、私たちは情熱とともに誇りを持っているとも感じています。 【PRIDE OF URAWA】はそれを要約してますね。それがファンの声量がとても大きい理由なんです。

ヨーロッパでは、いくつかのチームを「マーマイトチーム」と呼んでいます。好き嫌いがはっきり分かれるチームのことを指していて、浦和レッズはそのようなチームだと思っています。 私は嫌われているチームをサポートすることに慣れていて、ファンの一体感は素晴らしいです。 好きなところは永遠に話せますが、「心からはじけるようなもの」という表現が一番適切ですね。

私にとって、レオ、デン、柴戸、橋岡、岩波、彩艶、荻原は私たちの将来にとって重要な選手たちです。 上手く育てられた若いタレントたちは、将来、浦和レッズにとって素晴らしいものになるかもしれません。 彼らは皆、ピッチ上のリーダーになる可能性を秘めています。すでにリーダーになっている選手もいますね。

阿部、興梠、西川、柏木、宇賀神、そしてスケールが大きい選手、槙野すらも名誉のためにあらゆる手段をつくして戦ってきました。彼らの貢献を見逃すことはできません。

今までで、私のお気に入りのレッズの選手は原口元気です。 私たちが苦しいときにも、彼は私たちを勝利へと導き、何もないところから何かを生み出します。そんな彼が大好きでした。 それ以来、私は背番号24の選手たちが大好きで、関根のことも好きでした。今では汰木がその背番号をつけていますが、自信を持って力をつけていくことを願っています。

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好きな選手が多すぎるので、一人の選手を選ぶことはできないです!



Q. 浦和レッズの応援を初めて生で聞いた時どう感じましたか?

唖然としましたね。歓声は素晴らしかったです。 休むことなく歌ったり、飛び跳ねたり、それも1つのゲームだけでなく、すべてのゲームでです。 今、私はファンの一員であり、ファンの声がスタジアムでうなり、スタジアムがファンの声でいっぱいになるのを聞いて大きな誇りを感じています。 間違いなく現時点では(声出し応援は)不可能ですが、それでも彼らの情熱を感じることができますよ。



Q. 浦和レッズのサポーターについてはどう感じていますか?

言うまでもなく、浦和ファンが大好きです。 

「Japanese only」のバナーが掲示されてから間もなくして、私は埼玉スタジアム2002を訪れました。不安だったけれど、心配は無用でした。日本はおもてなしで有名で、私は度々その気遣いを経験してきました。 名古屋のアウェー戦に一人で行ったとき、どこに行くのかわからずインターネットもありませんでした。ですが数人のレッズファンが行きたいところに連れて行ってくれ、とても楽しい時間を過ごせたんです!



Q. 自国リーグと比較して、Jリーグの良いところは何ですか?

どちらのリーグも声量が大きく、多彩で、暖かい雰囲気です。しかし、日本では両チームのファンがスタジアムの周りで交流することができます。これはスコットランドでは前例のないことです。 

スコットランドには多くの派閥とヘイトがあります。友人同士では簡単に理解でき冗談にとらえられても、友人がいない環境ではすぐに気まずくなってしまいます。 スコットランドでのライバル関係は非常に激しく、疲れ果ててしまいますね。ライバル関係は試合当日に終わることはなく、チームの試合がないときでさえ続いてるんです。

Jリーグにはライバル関係があり、その中に情熱も存在してますが、それほど多くの憎しみが含まれておらず、非常に新鮮に感じます。ライバルを嫌ったり憎んだりすることもあり得ると思いますが、ヨーロッパのリーグと同じくらい憎しみに満ちたものとはまだほど遠いと思います。個人的にはそれが悪いことだと全く思いません。時々他人の憎しみによって楽しみが損なわれることがありますから。


Q. 浦和レッズの選手との個人的なエピソードはありますか?

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これはトレーニング場で原口選手と加藤選手に会ったときの1枚です。

何度か浦和レッズの練習を見に行ったことがあったのですが、イベントで西川選手からサインを貰った以外、選手に会ったことがありませんでした。不安が大きくなりすぎてしまい、最後の番だった西川選手にしか声をかけられなかったからです。私は見学したトレーニングの最終日まで、選手と会えるチャンスは過ぎ去ってしまったと思っていました。最終的に私は勇気を出して、トレーニングの帰り際に加藤選手にサインをお願いしたのですが(加藤選手も西川選手と同じく最後に来た選手でした)、彼は素晴らしかったです!

ですが私の大好きな原口選手にはまだ会えていませんでした。私が帰ろうとしていた矢先、ほとんどのコーチングセッションに参加していた私を見ていたコーチングスタッフの1人が、イヤーブックを渡してくれたんです。私は加藤選手との出会いとプレゼントに感激していましたが、カバンから原口選手のユニフォームを取り出し、「これにサインしてもらえませんか」とお願いしたんです。彼は快くそれを引き受けてくれました。

その数分後、なんと原口選手本人がユニフォームを持ってきてくれて、直接会うことができたんです!コーチングスタッフの方に「写真を撮りたいか」と尋ねられたので、加藤選手も呼んで写真を撮ってもらいました。嬉しさのあまり、私は涙を流してしまいましたよ!

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Q. なぜ長い間、遠い地から浦和レッズを応援し続けられるのですか?

説明が難しいですね。 時に心に残るものがありますが、浦和レッズは私の中で強く残りました。それが私のチームなんです。2つのチームをサポートすることは不可能だと言う人もいますし、私の気持ちをうまく言葉にするのも難しいです。 私は自国のチームと浦和レッズの両方が大好きです。それは何が起ころうと決して変わらないでしょう。 結果の良し悪しにかかわらず、私の情熱と愛情は残り、増していくだけです。 私の子供たちが同じように感じ、私の家族と一緒に(2つのクラブを応援するという)私自身の歴史を始められればと思っています。

浦和レッズを応援し始めた当初はかなり若かったので、私が成長するにつれ愛情が深まり、忘れられないものになりました。浦和レッズのことを忘れようとしても、応援をやめられませんでしたね。

もう一つの理由は、年が経つにつれて、応援するのが簡単になったということです! 遠くから浦和レッズのことを追いかけている、より多くの同じ立場のファンたちと交流し始めました。ヨーロッパでは(Jリーグの)テレビ放映権が身近なものになってきています。しかし、私は英語版のSNSアカウントを求めています。 いくつかのクラブはそれ(英語版のSNSアカウント)を有していますし、少なくともサポーターを基準にすれば最大のクラブの1つである浦和レッズが、それを持ってはならない理由はないでしょう。



Q. 今後の浦和レッズに期待することは?

リーグタイトルです。 前回のリーグ優勝から長い時間が経ちました。 理論上、私たちは素晴らしいチームですが、リーグでの結果は不十分ですね。 浦和レッズが過去数シーズン、特にACLでトロフィーを掲げる姿を見ることができたのは素晴らしかったです! しかし、私たちが日本の王者である、と言えるようになってから、かなり時間が経過してしまいました。

残念ながら、またしても結果はうまくいきませんでしたが、浦和がやるべきこととして、高みへ上り、最終的には日本でナンバーワンを主張しなければなりません。

We are REDS.


<Jamieさん選出・歴代浦和レッズベストイレブン>
GK:西川周作
RB:岡野雅行 CB:遠藤航、田中マルクス闘莉王 LB:宇賀神友弥
DM:阿部勇樹
CM:長谷部誠、小野伸二
AM:原口元気
CF:興梠慎三、福田正博



②Donnie McLachlan(大宮アルディージャサポーター)

Twitter:@WeegieJambo

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私の名前はドニー・マクラクランです。スコットランドのグラスゴーで生まれ、今もここに住んでいます。ハート・オブ・ミドロシアンと大宮アルディージャを応援しています。Jリーグの試合はオンラインで視聴しています。 すべてのJ1とJ2リーグの試合を、http://BET365.com(英国のブックメーカーサイト)で視聴できます。今シーズンは、JリーグのYouTubeチャンネルも利用しています。



Q. 大宮アルディージャを応援し始めたきっかけは?

7年前に妻と2人でオーストラリア、そして日本へ旅行しました。高校の頃の友達で、埼玉県に住んでいた友人が何人かいたんです。

日本に到着してすぐに、私は大宮アルディージャについて学びました。私たちの最初の目的地は大宮の居酒屋だったんです。新幹線を使って大宮に向かい、大宮駅の出口にはリスの像があって我々を迎えてくれました。それが何を意味するのか人々に尋ねなければならなかったので、すぐにアルディージャの存在を知ることができましたよ!

そのときは川口のホステルに泊まっていたので、その近くにある大宮の居酒屋で友人を訪ねていました。その居酒屋にいた地元の人とサッカーについて話をし、それからサッカークラブのユニフォームを交換したんです。そこで大宮アルディージャを日本で応援するチームにしよう!と決めたんです。普段は毎年日本を訪れていて、サッカーのシーズンには必ず旅行しています。だからNACK5スタジアム大宮に行って、アルディージャのプレーを見ることができました。



Q. 交換したユニフォームは、大宮アルディージャのものでしたか?

はい、交換したのはアルディージャのユニフォームで、私はそれと交換でハート・オブ・ミドロシアンのユニフォームを渡しました。

それは試合が始まる前の1月のことでした。初めての大宮旅行でしたが、居酒屋でサッカーについて話し、ユニフォームを交換することで合意したんです。

私は日本語を全く話せないし、(交換に応じてくれた)友人も英語を話すことができません。だけど私たちは依然として、サッカーを通して連絡を取りあっているんですよ!



Q. 大宮アルディージャはスコットランドでどれほど有名ですか?また、周りにアルディージャサポーターはいますか?

スコットランドでアルディージャのことを知っている人はそこまで多くないと思います!だけど埼玉に住んでいる友人の中には、私の地元・グラスゴー出身のアルディージャサポーターもいます。だから私たちの家族はみなアルディージャのことを知っています。これは間違いなくグラスゴーのサポーターと言えますね!ただ多くはないですよ。

また、数年前に日本を訪れて浦和レッズのサポーターになったグラスゴー出身の友人もいます。さいたまダービーはグラスゴーでも勃発しているんですよ!

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Q. 例えば日本時間13:00キックオフの試合だとスコットランドでは朝の5:00キックオフになりますが、Donnieさんは起きて視聴しているんですか?

見るように心掛けていますよ!ここ数ヶ月は、スコットランド時間で午前11時キックオフの試合が多かったから、仕事がない限りは容易に見ることができました。今日の試合(10/10)は午前6時キックオフだったから、初めから起きてみることは難しかったです。Twitter上で後半から試合を追いかけていました。

昨日、グラスゴーでは政府命令で16日間のパブ強制閉店が命じられたから、みんな外で飲んでいたんですよ!6時に起きることはかなり難しかったですね。ビッグマッチがあるときは5時に起きるよう心掛けていますが、難しい時もあります。



Q. アルディージャのどんなところが好きですか?

最初アルディージャを紹介されたとき、クラブのロゴと色合いがとても気に入りました。大宮の街中にたくさん旗が掲げられているのが好きで、アルディージャ柄のタクシーさえも見られます。スコットランドではこのような応援の形は見られません。だから私にとってこのような光景は普通じゃありませんでした。また、埼玉にいる多くの人は浦和を応援することを好むので、アルディージャは埼玉で小さい方のチームだと考えられます。劣勢なチームを応援するのは常に良いことです!



Q. アルディージャの特徴は何だと思いますか?

チームのコミュニティ意識は良いと思いますし、サポーターを巻き込んだイベントを多く行っています。クラブのトレーニングを見学することができて、トレーニングの後、数名の選手に会うことができました。サポーターとクラブの間に強いつながりがあるように思えました。



Q. どの選手に会えたか覚えていますか?また何か話をしたり、写真を撮ったりしましたか?

選手との交流時間は短かったです。全ての選手がサポーターのところにやってきて話したわけではないですが、マテウス、播戸竜二と写真を取ることができました。播戸はいつものように、常に笑っていましたね。そして彼は少し英語を話すことができたんですよ!選手たちはとてもフレンドリーだったし、友人が私の住んでいる場所を話すと、彼らはとても驚いていましたね!

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Q. 大宮アルディージャのサポーターについてどう思いますか?

勤勉で正直で、フレンドリーな埼玉の人々が大好きです。これがアルディージャサポーターの情熱に寄与していますね。私は多くの試合に足を運び、ゴール裏から試合を観戦してきました。サポーターはとても熱狂的で、声量もとても大きいです!うまくいかなかったときでさえ、彼らは常にチームをサポートしています。チームを助けるために常に応援し、大きな声援を送っているんですよ。

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アルディージャのようなチームを応援するときはもちろん、私が応援するスコットランドのクラブ、ハーツを応援するときすら、成功に感謝しているんです。 トロフィーを獲得するのは難しいので、成功することはより重大な意味を持ちます。多くのより大きなクラブとそのサポーターたちは、常に勝つことを期待していますよね。

2017年に大宮が浦和を1-0で下したとき、NACK5スタジアム大宮にいることができて幸運でした。試合終了時、私の周りの人々は号泣していました。あの勝利は大宮サポーターにとって、それだけ意味があったのだと思います!



Q. 長い間、離れた土地から大宮アルディージャを応援できるのはどうしてですか?

日本にいない時、常に日本を恋しく思っています。アルディージャの試合を見て応援することで、日本とのつながりを保つことができ、日本にいる間に出会った友人や素晴らしい人々を思い出すことができます。

アルディージャの試合前には、埼玉にいる友達とオンラインでチャットしてチームのことを話しているので、いつも(日本から)離れているとは感じませんよ!

でもNACK5スタジアム大宮の試合を見に行くことは恋しいですね。もう長い時間が経ってしまいました!



Q. 今後の大宮アルディージャに期待することは何ですか?

今シーズン、昇格できることを期待していましたが、とても残念な結果になってしまいました。 チームは一貫性を保つことに苦しんでいて、チームの選択も普通ではありませんでした。 しかし、世界中の誰にとっても非常に奇妙な時期だったので、批判することはしません。今シーズンは中位で終わることになると予想しています。 2021年にはアルディージャが昇格に向けて押し進むことを期待しています!


<Donnieさん選出・歴代大宮アルディージャベストイレブン>

GK:加藤順大
DF:奥井諒、菊地光将、和田拓也
MF:マテウス、金澤慎、カルリーニョス、家長昭博
FW:ムルジャ、ズラタン、江坂任



③Gawain Stifyns(ガンバ大阪サポーター)

Twitter:@GawainStifyns

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出身はロンドンですが、10年以上香港に住んでいます。デイビッド・ベッカム、ハリー・ケイン、テディ・シェリンガムといった選手を輩出したサッカーの発祥地、ロンドンの出身なので、1980年代からサッカーを見始めました。



Q. ガンバ大阪を応援し始めたきっかけは?

1999年のFIFAワールドユース選手権(現在のFIFA U-20ワールドカップ)で遠藤保仁選手のプレーを見て数年後、ガンバ大阪を追いかけるようになりました。

私は、彼がボールを持っているときの落ち着きが好きでした。 私が遠藤選手を初めて観たのは1999年のFIFAワールドユース選手権で、バルセロナの偉大なミッドフィールダー、シャビ・エルナンデスと対峙していたときです。

1年前のワールドカップで中田英寿選手の存在を知っていただけ、そんな状態でFIFAワールドユース選手権の時サムライブルーのチームを見ていました。その中で目立っていたのが遠藤保仁選手でした。当時サッカー新興国だった日本の選手を見ていて、遠藤選手の落ち着きと技術面には驚きました。彼のパスレンジとゲームメイク能力も並外れていましたね。



Q. ガンバ大阪は香港でどれほど有名ですか?また、周りにファンはいますか?

ガンバ大阪はここ香港でもっとも支持されているクラブかもしれません。 私が香港にはじめて来たのは2005年でしたが、早くにガンバのユニフォームを見たのを覚えています(おそらく、J1のタイトルを獲得したばかりだったので)。(サッカーでの)成功だけでなく、大阪はおそらく香港の観光客にとって一番人気の観光地だと思います。 大都市で、東京に行くよりもフライトの時間が短いですから。 また、京都や神戸など他の観光スポットにも1時間で行ける近さですよね。

航空券が安く、搭乗時間もわずか4時間くらいで済むので、頻繫に香港から大阪に訪れていました。クラブの成功に加え、これが香港でガンバが人気No.1である理由です。



Q. ガンバ大阪のどんなところが好きですか?

チームの歴史(特に西野朗監督だったころが好き)、青黒の帯、マスコットが好きですね。そして大阪は私が頻繫に訪れていた街で、私にとっては第三の故郷のようなものです。



Q. 西野朗監督の攻撃的なスタイルが好きだったんですか?

はい。長谷川健太監督は2014年に三冠を達成しましたが、西野監督のチームの方がずっと好きでした。 私がプロだったら、攻撃に重点を置いている西野監督のチームでプレーしてみたいと思いますね。 2008年のCWC(クラブワールドカップ)のパフォーマンスで、ガンバ大阪の存在を世界に知らしめたのも西野監督の功績だと思います。



Q. ガンバ大阪のホームスタジアムに試合を見に行ったことはありますか?

パナソニックスタジアム吹田が建設される前、万博記念競技場に行きましたが、残念ながら試合日ではありませんでした。新スタジアムにはまだ行ったことがありません。でも、2017年にヤンマースタジアム長居で行われた大阪ダービーには参加しました。ガンバ大阪ファンでありながらホーム側の席に座っていた私は、ガンバのユニフォームを着てはいけないと言われました。だから2014年の日本代表ユニフォームを着用したんです。青色のユニフォームだったので、ガンバを応援しつつ、セレッソのファンから危害を加えられない方法でした。

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アウェーサポーターの青黒の色、フラッグ、そして「We Are Gamba Osaka」のチャントが大好きで、大きなスタジアムの反対側にいたにもかかわらず、はっきりと聞こえました。緊張感がありながらも楽しいダービーマッチだったので、本当に気に入りました。ヨーロッパの他の大都市のダービーとは異なり、危険を感じることはありませんでしたが、重要な試合であることに変わりはなかったです。また、セレッソがJ1に再昇格してから初めてのダービーだったので、記念すべき試合でもありました。この日は2-2で引き分けましたが、セレッソのファンは選手たちのことを良く思っていなかったようで、試合後にお辞儀をしていた選手たちににブーイングをしていました。ライバルのファンとしては、これも嬉しかったですね。



Q. ガンバのサポーターについてはどう思いますか?

大多数のファンが試合日に青黒のユニフォームを着て、アウェイの試合であっても積極的に遠征しようとするところが好きです。またソーシャルメディア上での存在感も好きですね。大多数のサポーターはサッカーに詳しく、質の高い選手を見極めることができているように見えます。



Q. なぜ長い間、遠い地からガンバ大阪を応援し続けられるのですか?

ロンドン出身の私にとって、サッカーは最大の情熱であり、アジアや香港に引っ越してきた当初のホームシックを乗り越えるきっかけにもなりました。 ガンバ大阪は私にとってとても大きな意味を持っています。

私は外国人で日本にも住んでいないのに(10年前に沖縄で結婚しましたが)、ガンバ大阪には縁を感じます。大阪は私にとって第三の故郷のような存在なのかもしれません。 香港からの格安航空券があったので、頻繁に大阪を訪れていました。ですが、Jリーグ発足時のクラブの1つであることもまた応援し続けられる理由です。Jリーグが発足した1990年代は、私の人生の中で楽しい時期(自国に住んでいる、若さ、責任がないなど)で懐かしさを感じますね。選手(エムボマ、遠藤、アラウージョ、二川、宮本など)、黒と青のユニフォーム、マスコット、ファンなども応援し続けられる理由に挙げられます。

西野監督が指揮を執っていた際の攻撃面、クラブが育ててきた選手たち、そして私の意見ですが、2008年のCWCでJリーグの認知度を高めたことは評価に値すると思います。 その前は、ヨーロッパのファンの中にはJリーグや日本のクラブの存在を知っている人はあまりいませんでしたが、マンチェスター・ユナイテッドとの試合をきっかけに、状況が変わっていきました。 自国に帰るとより多くの友人たちが、ガンバ大阪やJリーグについて私に尋ねるようになったんです。

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Q. 今後のガンバに期待すること

とても楽観的です。 タイトルを獲得できるかはわからないけれど、私たちは正しい方向に向かっています。 宮本監督のチームの作り方をとても気に入っています。 今日(10/7 サガン鳥栖戦)のように、彼が選んだチームは異なるフォーメーション(3-5-2 / 4-4-2)でプレーすることができます。 福田、山口、髙尾、奥野、山本、川﨑、唐山のような選手たちは、若いながらもファーストチームで活躍しています。監督がこれだけ地元の若い選手に信頼を寄せているのは素晴らしいことだと思います。 倉田、宇佐美、昌子などのベテラン選手もいますし、経験豊富な選手と若い選手が良くミックスされていますね。 また、大阪出身でガンバでも日本代表でもプレーした監督に対し、クラブが信頼を置いていることも気に入っています。



Q. 日本に住んでいるガンバ大阪サポーターに一言お願いします。

今はみんなが大変な状況なので、今まで以上にチームを支えることが大事だ、ということを言いたいです。 自分の存在感を出して、12番目の選手になれるよう、全力を尽くしましょう。 ガンバ大阪にはたくさんの幸せな思い出があります。チームや選手を見るのを本当に楽しんでいますし、試合日の青黒のユニフォームは本当に大好きです。大阪や日本の出身ではないので不思議なんですが、 青黒のユニフォームを見ることは、ホームシックの治療薬になっています。また辛抱強く、監督を信頼することも大切だと思いますね。 彼は地元の選手にチャンスを与える、正しいことをしています。それはチームだけでなく日本代表にも利益をもたらし、若い世代に希望を与えることになるでしょう。


<Gawainさん選出・歴代ガンバ大阪ベストイレブン>
GK:東口順昭
RWB:加地亮 CB:宮本恒靖、シジクレイ、山口智 LWB:安田理大
CM:明神智和、遠藤保仁
AM:二川孝広
CF:アラウージョ、エムボマ



【了】

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