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「ひょうひょう」ができるまで その⑨

渋谷での顔合わせ&打ち合わせの直後からずっとギャラリーの企画展に出す作品の制作に取り組んでいた。
資料をとにかく大量に集めたり、調べ物をしに図書館に行ったりしてた。
直径50センチの円形パネルに紙を貼ってその上からどんどんカラーペンと色鉛筆とアクリル絵の具で絵を描いていった。
なかなかゴールが見えてこなくてすごく悩みながらあれこれ画面をいじり倒して描いていた。漫画のネームのようなゴール地点を設定して描いてないので(それでも漠然としたゴールのようなもののイメージは持っているが、描きながら明確になるまで掘り起こしていくような感じ)とにかく描いて見直して消してかいて、ということをひたすら繰り返していた。どこで開通するかわからないトンネルを掘っているような気分だ。

これを描いている時に同時に単行本の表紙の案を考えていた。早く表紙のラフ案を出さないとnatsuさんの方もロゴデザインに取りかかれないからだ。
2018年11月6日に「そろそろラフを送ります!」とnatsuさんにメール出す。
というものの、展示作品に頭がいっぱいになっていたのでなかなか切り替えられず混乱していた。
どんな表紙にしたいか、どんな本が本屋に並んでてほしいか、どんなのがインパクトあるか、そんなことを考えてたらどんどん助平心、もしくは目立とう精神がむくむくと出てきて経験上そういう気持ちが出てきて色々と凝ったことをやろうとするとすべて滑ってダメになる、ということはなんとなくわかっていたのでその時に描いたラフとかは一旦全部捨てて気持ちを切り替えて「無理に気張らずできることをやろう」と決めた。
そう、できることをちゃんとやればいい。
そしたらすごく気分が楽になって、私が以前からずっと好きで描いていた俯瞰構図の絵で街並みを描いてそこにキャラクターや漫画に出てくるものの要素を置いていって一望できるようにしたら楽しいのでは、と思いついて
「それなら見たいし描いてみたいかも」と強く思えた。
自分が見たいと思える図を想像できたときはとても安心する。ゴールが明確に見えた感じがした。

ザザッとラフを描いてnatsuさんに送った。

同時にタイトルロゴのデザインの希望するイメージのようなものも何点か図像を送った。

送った図像でなんとなく伝えたい要素は
「とんがったり角張ったりしているところがなく目に柔らかい印象を与えてるのに
直線なども結構使ってピっとしている」
ことと、
「子供向けの積み木は面取りしてあって角が全て丸っこくなってるけど全体の形はすっきりピっとしまりのある形をしている」
こと。

がまくんとかえるくんの絵本は昔から好きで、何気にタイトルの文字のデザインも古びなくていい文字だなと思っていた。なのでヒントになればと思い送った。

変な日本語だけどそんなことを伝えてラフと参考図像をまとめて送った。

この時点では実はまだ表紙の紙の種類と本文の紙が決まっていないので本の厚さが完璧には決まっていなかった。おおよそのサイズは出るけど表紙と背表紙と裏表紙の繋がった図案なので背表紙の幅の情報は大事なのでそこはある程度幅を調整できるようにして下描きを進めることにした。
これから印刷所とのアポを調整していくことになる。
(続く

#エッセイ #ひょうひょうメイキング
#漫画

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