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最初からいい子に育てる必要はない

坪井佳織

スーパーへ行くとき、外食するとき、病院へ行くとき、幼稚園に入るとき、小学校へ入るとき、自分の子がきちんとできるかどうか、まるで親のテストをされているようでビクビクしてしまうことはありませんか。

何もかもちゃんとできるように家で全部やっておく必要はないんです。社会でないと育てられないことがあります。

けれど、残念ながら、「なぜ家でちゃんとしつけておかなかったんですか」と言う人がいることも事実。もうそれは「気にしないで」と言うことしかできません。

おうちでやっておくことは、「教わる」という素直な心を育てることです。

それは、なんでもかんでも放任して、甘やかしておくこととも違います。また、家庭と教育機関の役割を混同して、なんでもかんでも先回りして教えた結果、本当に大切な心を育てるのを忘れることとも違います。

「たとえ叱られても、それは否定されたこととは違う。より良い大人になるために教えてもらった」と捉えることができたら、社会が可愛がって一緒に育ててくれます。

そういう素直な心は、「受け入れられる」ということから育ちます。

12月5日に「おさんぽリトミックファミリーコンサート」を開催します。

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椅子を設置せず、座ったり歩いたり、お膝に座ったり、自由に音楽を聴くことができます。

小さな子どもに「じっと座っていなさい」というのは無理です。そのことは、子育てが終わった「おさんぽリトミック」の先生はみんな分かっています。

だから、連れてきたお父さんお母さんが肩身の狭い思いをしないように、はじめから椅子を置かず、自由に過ごせるようにしました。ゆったりと音楽を楽しんでほしいからです。

でもそれは、「じゃあ、大声で叫びながら走り回ってもかまわない。なぜなら子どもだから仕方ない」ということとは違いますよね。

わたしは、子育てはその「さじ加減」がとっても大切だと思うんです。

白か黒かではなく、じっくりと時間をかけて、少しずつできるようにしていく。それが教育です。

少しくらい歩いていても様子を見ます。人に迷惑がかからないなら、「静かにしなさい!」と怒るよりも、そのままにしておいた方が場は平穏かもしれません。

そのうち、お友だちができて一緒にワーっと走り出すかもしれません。そうしたら、聞きたい方にとっては迷惑です。迷惑ですが、子どもたちにはそのことが分かりません。今が教えるチャンスです。

そっとつかまえて、「今は音楽を聴くときだから静かにするんだよ」と教えます。

わたしは、調子に乗った子どもは「酔っ払いと同じ」って思っています(笑)。

教えても全く聞く耳を持たず、調子に乗って、きゃーっとふざけているようなら、それは酔っ払いです。今言っても仕方ありません。そっと会場の外へ連れて行き、酔いを覚ますしかありません。酔っ払いには怒っても仕方ありません。お水でも飲ませて、落ち着かせましょう。

こんな風に、子どもの性格や状態、発達の程度などと照らし合わせ、「今、教えられること」なら教える。「無理なこと」なら親が保護者ですから、連れ出すなどの対応が必要です。「ゼロか100か」でもなく、「親がダメか合格か」でもありません。

すべては「さじ加減」です。

教育の場として、少しずつ学んでいけばよいです。おさんぽリトミックは、子どもたちと社会との橋渡しの場でありたいと思っています。

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コンサートでは、楽器を作って演奏してみます。音楽がより身近に感じられると思います。お兄さんお姉さんたちが準備に取り組んでいます。

クリスマスソングの歌、ピアノ演奏を聴いたり、自分たちで作った楽器を使って演奏したりします。

このお兄さんお姉さんたちは、みなさんのお子さんと同じように2才ころからリトミックを習っている子たちです。少しずついろんなことを学び、今があります。とっても優しい良い子たちです。それぞれ役割ごとにイベント準備もできます。「できる」ようになるためには、「教わる」期間が必要なんです。

また、この日の音響や照明は、すべて子どもたちで運営します。音楽の関わり方はひとつではありません。ぜひ、その様子もごらんください。

子どもは最初からいい子に育てる必要はありません。「教わる素直な心」があれば、みんなで一緒に育ててもらえます。


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坪井佳織
浜松市で音楽教室を開いています。0才から18才まで、たくさんの子どもたちと接し、多くの子育てを見つめる中で、どんな子も力強く生き抜く力をつけさせてきました。わたしにしか書けない、独自の視点で子育てを語ろうと思います。 https://ikiruchikara.co.jp/