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【MacCartneyⅢを聴く】〜師匠と一緒に聴いてみた〜

●私と師匠の紹介

私:ねこっぱち
5mmとSHEEPのベースとコーラス担当。
ひと通りのロック名盤はそこそこ通ってきた。
ビートルズ〜XTC辺りやスウェーデンPOPやイエス系プログレなどが好き。
事実上のリーダーホリオのヨメ。なのでリーダーホリオに対して師匠でもあるけど基本タメ口。

師匠:リーダーホリオ
私ねこっぱちのベースの師匠。
80年頃からプロのベースプレイヤーとして活動を続ける。
5mmとSHEEPではボーカル&ギター担当。
SHEEPの楽曲の半分と5mmの全楽曲の作詞作曲とアレンジを手掛ける。
フュージョンやジャズもひと通り通ってきた世代。
ビートルズ〜10ccやイエス、ジェントルジャイアント、ドビュッシー、
などが好き。最近はDirty ProjectorsやWEENがお気に入り。

●Paul MacCartney
『MacCartneyⅢ』

ホリオ:今回は2020年に出たポールマッカートニーのアルバム『MacCartneyⅢ』を聴こう、という事で。

ねこぱ:そうなんすよね。マッカートニーシリーズ3作目を是非ここで取り上げたいと言う事で。ポールなんてめちゃくちゃ大御所、世界一と言ってもいい大御所だしバラードジジイとかになっちゃいそうなのにこんなアルバム出してるカッコ良さ!なんかあちこちのマッカートニー風を売りにしてる人達に叩きつけてみたい気持ちでいっぱいです。

ホリオ:まず1曲目、『Long Taild Winter Bird』

ねこぱ:このイントロっていうかギターのフレーズ、聴くたびにへなちょこでふふふ。。って笑っちゃうけどそこがカッコ良いとこでもある。

ホリオ:フレーズやらリズムやら楽器やら色々と曲を構成するパーツの選択が、世間一般の思う『カッコ良い』となんかズレてるところが魅力。

ねこぱ:ズレズレ!そう、そこが最高!
この、上の方で鳴ってるふやふやした笛みたいな音とか。。なんなの。。。ふふふw
そして2曲目、『Find My Way』

ホリオ:この曲もチェンバロだし。ダサめのツインギターとか。

ねこぱ:ダサさゆるさがとても良いよね!

ホリオ:そう!それが良いんす!

ねこぱ:ダサゆるがポールのカッコ良さなのに、それを言うと、ポールファンを自負してる方々には怒られがちなんだよね!そこが良いとこなのにー!

ホリオ:ダサい7thフレーズとか、他の人は出来ない。こうもダサくは出来ない。

ねこぱ:その誰もまだ出来ないポールのカッコ良さ!アイディアがある意味めちゃくちゃ素朴でかわいい。

ホリオ:この曲のベースはすごく音が低いんだけどWALなのかな。音色はヘフナーみたいな音だけど。なんか、モワッとしてる。

ねこぱ:次は『Pretty Boys』これはいわゆる正統派ポール好きの人にも好かれる曲。こういうのもまた良い。

ホリオ:このアルバムは所謂正統派ポールファンには評判悪いのかな。良いんだけどね。
。。。これはアップライトベースかな。

ねこぱ:このアルバムはあちこち低音の魅力的なとこもありますなー。
そして次の曲『Women And Wives』

ホリオ:この曲はボーカルが好きだす。

ねこぱ:ボーカル、今のポールの良さって感じで良いなあ。そしてこのダサい鍵盤パターン。良い。。

ホリオ:ここ数年、音域(ボーカルと共に楽器も)がどんどん低くなってるよね。それもまた楽しい。元々ビートルズ的な音楽ではバッキングの楽器は音域低いしね。特にピアノとかは普通のピアニストからしたらオクターブ低く感じるのでは無いかな?

ねこぱ:確かにオクターブ低めかもね、鍵盤。
そして次の曲『Lavatory Lil』

ホリオ:リンダのコーラスが欲しい曲。

ねこぱ:そうそう!なんかあのブー垂れた感じの声ね!

ホリオ:投げやりなね。

ねこぱ:こういうダサめのロケンロー、めちゃくちゃ良いなあー。ポールだなあ。カッコ良いよね!
そして次の曲『Deep Deep Feeling』

ホリオ:このアルバムで、ほぼ1番好きな曲。正統派ポールファンからは評判悪いかもだけど。
イントロのドラム、ええ音。

ねこぱ:ピアノもゴーンってカッコいいなあ。
こういう曲もあるのがポールのカッコ良さ!

ホリオ:もし、ジョンが生きてたらこの曲をめっちゃ褒めたと思う。

ねこぱ:生きてたらジョンはどうなってたかなあ。

ホリオ:「ラブ&ピース撤回!」って言って欲しかったw

ねこぱ:ポール風とかビートルズだとかどうでも良くて、その時のワクワクする音をワクワクしながら出してくる感じ!全然枯れて無いよね!ポール!

ホリオ:ポールはめっちゃ現役なので、変化して当たり前なんす。

ねこぱ:普通歳とったらそうはならないよね。ポールはずっと楽しそうなんだよね!カッコ良いなあ!

ホリオ:このアルバムの時点で78歳、他にこんだけ現役な同世代の人いないし、それで当たり前なんだけど、ポールはすごい、と言うか、狂ってるw

ねこぱ:次は『Slidin'』このフレーズ!ダサくていいね!

ホリオ:これまたダサいwでもカッチョいい!

ねこぱ:こういうダサさをカッコ良いに持っていける人ってあんまりいないよね、実は。大抵ただダサくなる。ああ、この上のキュッキューン!っていってるギターとかさ、良いよね!ダサいというか素朴というか、すごく単純過ぎて他の人が気づかないようなフレーズをぶち込んでくるよね!

ホリオ:そしてポールは歌は本当に唯一無二で、『もっと黒っぽく』とかみたいに型にはめる事が出来ないところが凄いんす。


ねこぱ:そして『The Kiss Of Venus』

ホリオ:これは従来の感じ。

ねこぱ:従来の一筆書き的な曲。こういうのも天才じゃないと実はできないヤツ。味わい深過ぎる。このぶわーってなるチェンバロのとこ、かっけー!

ホリオ:この人、チェンバロ好きねー。

ねこぱ:そして『Seize The Day』

ホリオ:この曲、ポール自身はかなりビートルズっぽいからアルバムに入れるかどうか迷ったらしいけど、あんまりビートルズ的ではないと思うなー。

ねこぱ:かなりビートルズっぽいってどこだろう?
しかしこんなにシンプルなのに、なんだろう、いや、シンプルだからこそ凄さがわかる、的な。
そしてこの潔い終わり方!
そして次の曲『Deep Down』

ホリオ:これはダサい!

ねこぱ:このブラス(金管楽器)!

ホリオ:ブラスがカッコ悪いのですw

ねこぱ:何回聴いても笑う。でも良いんだよね!

ホリオ:いかにもサンプリングみたいな、なんも考えてないみたいなね。

ねこぱ:でも逆にこのダサさがないとダメくらいな気がする。あー本気でダサいwポールはさ、何も考えてなさそうなんだよね、本当に。いつも。

ホリオ:これはきっとポールなりの2020年のmusicなんでしょうな。ヒップホップ系のアーティストとコラボとかもしてたりして、その影響かも。

ねこぱ:影響、素直に受けそうだよね。でしかも影響が変な風にズレて出てくる。で、そのズレとダサさと可愛らしさで時代を超えちゃうんだよね。あと、明るいんだよね、ポール。全くうつむいて無い。

ホリオ:ひたすら明るい。
そしてラストの曲『Winter Bird / When Winter Comes』
これはもう正統派ポールファンが大喜びするやつ。
古い録音なので声も若い。
このアルバムはMacCartneyシリーズの中では格段に音質が良くて聴きやすいし、ポールというミュージシャンのなんだかよく分からない凄みが全体に漂ってますなあ。

ねこぱ:よく分からない凄みw
めちゃくちゃメジャーから出てる世界一メジャーな人なのにこのインディーズ感。
ポールの美メロがとかコードづかいがとか色々を日々研究してる人もいらして、別にそれを一生の仕事にしてもいいだけの深みもあると思うけども、でも、ポールはもう、もっと新しい今自分の一番楽しい方にどんどん行っちゃってるしそこも是非多くの方々に見て聴いていただきたいです。カッコ良いから!

という事で今回は以上です。
お付き合いいただきましてありがとうございました!
(次回に続く。。のか?それは神のみぞ知る)


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