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夜のマーケット

ひそみからでてくる
ちいさなきみの両腕は汚れていて
満月行 帰ってくる船の音は白く
昼夜 反転してもうすぐ金星に届く
まなかいからビーム
魔法は無限を愛して

鼻をきかせるの 夜の澱みは芳しく
今日をいくつも繋げてここまで歩いてきたのだから
と 話す声は途切れる
聞き返す 遮断される
部屋の思い出と 星買いの低い声
瓶に入った音符虫 発光して

きみが歌う知らない歌は
歪みながら 山の向こうへ
摘み取った時間で作ったネックレスを
解いていく老婆
夜市 すれ違う人は皆
きみの僕に見せない顔達

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