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結局、再エネと原発ってどっちがいいの? ひろゆきvs宇佐美vs国の偉い人



【編集部より】
ガソリンの値上がり、まだまだ止まりませんね。 今は1リットルあたり170・4円ですが、国から34・7円の補助が出ていますから、実質過去最高価格です。ちょうど7ヶ月前のabema TVを見返していたら、同じようにガソリンの高騰について取り上げていて(この時は160円台でしたが・・)、原因が「再エネ推進」にあるのではという論。興味深いのでまとめてみました。

司会:天然ガスなどの資源が世界的に高騰しています。脱炭素に意欲的なヨーロッパは風力発電に力を入れていたものの、十分な電力を得られず失速。代わりにCO2排出量が比較的すくない、天然ガスの需要が高まりました。その結果、価格がこの2年で8倍近くも上昇しています。

その影響を受け、フランス中部にある製粉所では、電気代が月1000ユーロ(約13万円)に。パンなどの価格にも影響が出ているようです。風力・太陽光などの再生エネルギーを中心とした脱炭素社会へ、このまま向かっていって良いのでしょうか?

ひろゆき:基本的にはエネルギー問題って「美味しいものいっぱい食べたいけど痩せたい」って言ってるようなものなんですよ。脱炭素で行くのか、原子力を使うのか、経済活動を止めるか、どれかを選ばないといけない。痩せたいけど食べたいは無理だっていう前提を、まずわかったほうがいいと思うんですけど。

司会:中国でも脱炭素よる問題が起きていますね。全31の自治区のうち、約20箇所で電力不足に陥っています。石炭火力の高騰で採算のとれなくなった発電所が稼働停止したことや、脱炭素をすすめる政府が石炭消費の抑制を求めたことで、発電量が低下した。結果、あわてて買い占めに走っているようです。

再生可能エネルギーの第一人者であり、環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也さん、いかがでしょうか。

飯田:これは脱炭素のせいというより、オーストラリアと揉めたせいでオーストラリアからのエネルギー輸入が止まったのが大きいと思います。

ひろゆき:そもそも、石炭や原子力をやめて、自然エネルギーがうまくいかなかったら、ガスしか残らないというのが現実ですよね。となると石炭か原子力のどちらかは維持しないと社会は回らないって、答え出てません?

飯田:中国は太陽光も風力も世界No.1ですが、原子力も着々とつくっていますね。また中国の場合は天然ガスとは別に、石炭の需給と電気料金を国定で固定してるせいで起きている問題なので、ヨーロッパとは切り分けて考えた方がいいでしょう。

ヨーロッパのエネルギー高騰も、脱炭素のせいではありません。むしろドイツやデンマークのように、再エネが進んでいる国ほど問題は緩和しています。イギリスのように天然ガス一本のところは1番厳しいでしょうね。

ひろゆき:再エネ化って、水力発電ができているところは安定しているっていう話ですよね。

飯田:いやいや、デンマークは水力ゼロですから。風力が30年の間に50%以上増えました。今、70〜80%は再エネです。なおかつ地域熱供給でほとんど自給自足で賄っています。だからデンマークは問題ないんですよ。

司会:日本のエネルギー事情で見ますと、自然エネルギーは2014年時点で12.1%だったのが、2020年には20.8%になっていますね。

飯田:福島原発事故後にはいった固定額買取制度※のおかげで、太陽光が極端に伸びたのは良かったのですが、それによる弊害が色々あって、今は急ブレーキをかけている状態です。世界の脱炭素の主流は太陽光と風力ですが、日本はその2つが今後伸びそうにないのが問題かなと。

※再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを、国が約束する制度

和田彩花(アンジュルム):脱炭素は光熱費が上がるだけかと思ってましたが、そのせいでフランスの製粉所の経営が苦しくなってるって話が冒頭にありましたね。

飯田:経営に負担がないような配慮はできますよ。
環境先進国であるスウェーデンでは、重工業のようにエネルギーをたくさん使うものは、「環境税」が軽減されたりしています。環境税というのは、エネルギーを使うのは環境に悪いからその分お金を払う、という考えの税金ですね。

環境税のおかげで、デンマークの電気料金は日本の3倍しますが、それによってエネルギー消費量が減るから、環境にやさしい。しかも実は経済成長もしていく。そういう考え方に、成熟社会はどんどん変わっていっています。

宇佐美典也(制度アナリスト):
再エネって燃料を使わないから、本来は1番、電気代が安くなるはずなんですよ。ただ最初に大きく投資をするので、それを回収するまでは高いんですね。だからちゃんと一定のペースでやっていれば、電力価格は安くなるはずなんです。

でも現実には、初期投資が高い再エネを一気に導入して電気料金が高くなってる上に、再エネだけじゃ電力が足りず火力発電とかにシワ寄せがいき、負荷がかかってるせいで全体が高騰している。

国民の生活をよくすることと、再エネの推進はバランスをとっていかなくちゃいけません。でも再エネだけが正義で、再エネのために国民生活を犠牲にしていいという考えが、再エネ業界で広まっていることが問題だと思います。

宇佐美:それに再エネじゃないものは全部やめようという極端な考えも、いかがなものかと。火力発電の燃料や天然ガスの輸出で国民の生活を賄ってきた国は、大きな収入源を失うわけです。大打撃ですよ。

例えば日本は、石炭のほとんどをオーストラリアから輸入しています。この豊かな暮らしを、彼らの資源で維持してきたわけです。それを再エネが流行だからって切り捨てるのは非情ではありませんか。

石炭を完全に止めるのではなく高効率にするとか、火力発電をするときに水素を使えるようにして火力発電をクリーンにしていこうとか、やりようはあるはず。再エネだけが正義で、火力発電は悪、ではなく世界全体でバランスをとっていくことが大事だと思います。

和田:再エネだけだと安定は期待できなさそうだし、原発は残しておいてもいいんじゃないかな。

あおちゃんぺ:今の生活を維持するならやるしかない、に尽きると思う。

飯田:日本は元々原発30%で供給していたのですが、福島の原発事故後、原発ゼロでもやってこれています。あとは化石燃料をどうするかの話だけなんです。
原発を動かしてもいいけど、福島の事故のように一度起きたら取り返しがつかないようなことが本当に防止できるのか。今でも7万人が帰れてないような事故を起こしてまで、使うべきなのかなと私は思います。

ひろゆき:まぁ〜、これからも国民は、頭の良い人が考えたしくみを、粛々と使うしかないでしょうね(笑)

この動画をテキスト化し、編集したものです。
※宇佐美さんのご発言はかなり意訳したので、ぜひ動画でご本人の論を直接ご確認ください。(12;30〜)

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