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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿70

米国株の師匠🍅アウトライヤー様からの寄稿🍅第70回全文無料で皆さまにお届けします。

🍅🍅

弟子のNEOさんへ
アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。



12月18日 第2回スペース 2時間20分




第69回から続く


 
12月18日日曜日17時から
第2回スペースでお話させて頂きました内容を寄稿します。
 
 
個人的にですが、敬愛してやまない理論物理学者リチャード・ファインマン博士が、頻繁に用いるクォート。これは、チャールズ・ブコウスキー氏(アメリカの作家、詩人)のおっしゃったことですが。
「この、世界の問題は、知的な人々が疑いに満ちいる一方で、愚かで馬鹿な人々は自身に満ちて、満ち溢れているという事です

チャールズ・ブコウスキー


 
お金ってもちろん大事なんですけど、時間てすごく大切で。
そういう意味において、
正しい努力を正しい人達とする事が大事だと、僕は思っています。
 
金融危機の後、特に2009年2010年頃って、様々なその後の予想が乱れ打ちのようにありとあらゆるところから出て。こうなる、ああなるってそれはもう。それからずいぶん時間が経って、ゴールドマンのチーフエコノミスト・ヤン・ハチウスさんが、あの時様々な人が様々な予想したけど、その後そうはならなかったって言ってくれて。全く、全く同感でした。予想?まあ、まあ、そもそも、あんまりあてにしてません。
 
第2回スペースのテーマ~オンライン上と現実世界の違い~米経済、米金融政策、米株式市場~オンライン上とは異なる、ウォール街にあった、ある、現実。事実に則して~
・機関投資家・運用会社/投資銀行~エコノミスト、ストラテジスト、アナリスト、トレーダー、セールス、金融商品開発者達~それぞれの役割
・アメリカを動かしている大きな力~
米国民、FRB, ウォール街、首都ワシントンのロビイスト
・~市場の、市場からの通訳者、翻訳者~そして市場の解釈
 
僕の寄稿を読んでくださる皆様、スペースを視聴してくださる皆様、大変ありがとうございます。アメリカと関わる、その影響を無視できない投資対象を持っておられる皆様ですので。
もちろん、ご自身に一番しっくりくるコメントや情報を収集されるのが一番よろしいと思います
 
まあ、僕のスペースでは、アメリカ目線、アメリカ「直」の目線
たとえば、外国のお料理とかでも、本国では、まさに、まさにこの形であり、その味そのものなのだけれど、それを日本に持って来た時に、日本人の口に合うように、ちょっとだけ、少しだけアレンジしてなどという事も聞いた事があります。
まあ、僕の場合は、アレンジしない、そのまま、ありのまま、それが良いかなといつも思って生きてます。その味が自分に合わなければ、別の選択をすればいいや、みたいな感覚です。日本人とか何人とかも全然関係ありません。
そういう意味でのアメリカ「直」目線、そこからありのまま目線、それを自分の実体験を通して、お話するスペースにしたいと思っています。どうぞよろしくお願い致します。
 
*前半は、ウォール街の投資銀行のありようや仕組みのような、その中にいたマーケットものに携わる人達のそもそも論や実例から掘り下げて行って、オンライン上と現実の違いに触れて、後半はマーケットの具体的な話とします。
 
ちゃんと、そもそも論のメッセージをお伝えしておかなければと思いまして、2回目のスぺースの機会を持たさせて頂きました。NEOさん、感謝です。
 
まあ、ザックリ言いますと、オンライン上、SNS上にはたくさん存在しているけれど、現実の世界、ウォール街にはあまりなかったような話が存在していたりするので、ウォール街ってこうですよ、こうでしたよ、みたいな話をさせてください。
 
第24回寄稿
ウォール街で仕事をする上で、一番大切な事
かつて、ウォール街で仕事をする上で、一番大切な事は何ですか?と当時ウォール街でリーダーシップをとっておられたおひとりに直接聞いたことがあります。
メリルリンチで、僕自身を採用することに直接かかわったニューヨークのそのビジネスの当時の総ヘッドの方です。メリルリンチの中では、一目も、二目も置かれていた方でした。物静かで、フェアで、素晴らしい紳士でした。
 
返ってきた答えは、一言、「Integrity」(インテグリティ)でした。「Integrity」(インテグリティ)すなわち、倫理観ですとか誠実さ真摯さ高潔さ。それらをすべて含んだ言葉です。法律や社会規範を守る事・顧客や取引先、株主、社員、また社会に対して誠実かつ真摯な経営を行う事・法的義務と倫理基準に適合・対応した上で利益を求める事・倫理的行動の範囲内でそれを実践できる事などの意味を含みます。米国の法曹界、また別の業界などでも、Integrity is everything.(インテグリティこそが全てだ)とおっしゃる方もいます。これは、何の世界にいても、同様だとも思います。
 
 
SNS上に、すっごく、面白い、ユーモアのセンスが素晴らしいアメリカ人の女性がいまして。彼女のジョークそのものが、分野を問わず、バカ受けで、時々、「こりゃ、すっごいウケるわ~。超ウケた」とか「これ絶妙だね、面白すぎる」とかコメントさせて頂いたりしています。すっごくスマートな女性です。
ホント面白いのですが、彼女のもうひとつすごいところは、オバマ大統領が彼女をフォローしているところです。彼女はじめ、何人か似たようなジョークをおっしゃる方がもいらして。
その彼女らのジョークのひとつに、「最近は、十分にリサーチを済ませた、リサーチはバッチリって言う人達ばかり。リサーチ、リサーチ、リサーチしたって。
ユーチューブからなんからSNS上では、専門家ばっかり。専門家だらけ。
(パンデミックの専門家、コロナの専門家、ワクチンの専門家、戦争の専門家、インフレの専門家、金利の専門家、リセッション(景気後退)の専門家、その時々、話題になるテーマの専門家)。それで、その情報ソースは全部SNS。涙出して笑らう絵文字2つ、3つ付」っていうジョークがあって。これも結構ウケました。
 
僕はSNSから情報を取る事に反対しているわけでも何でもありません。
彼女はただ単に最近のアメリカでの風潮について、明るく楽しくジョークを言っているだけです。僕はSNSは良いと思っています。
 
アメリカの株式市場に対するウォール街の影響力を無視する事は、これはできないし、そんな事ありえません。
 
いつの時代も同じなんだなあ、こう言うところは、と思いながら、見ていたのですが。世界最大のヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツでご経験を重ねられて、現在は、マクロ経済を教えておられる方が、「(アメリカの)世間、ちまたには、それはもう、山のように、どれがホントで真実かわからないような話がいっぱいあって、あふれているから。自分達マクロに携わる人間は、そこがチャレンジングなパートだと」先日おっしゃっておられ、愚痴のようなニュアンスをこめて、そう、こぼしてさえおられました。
 
その頃、自分自身も英語のみのツィッターアカウントで、似たような事、発言してみようかなあとか思っていた頃だったので、自分にインパクトは残りました。
 
この彼のコメントが今回のスペースをさせて頂こうと思った直接のきっかけです。
 
アリストテレス(紀元前384年~322年)
アリストテレスは、古代ギリシアの哲学者です。 プラトンの弟子であり、ソクラテス、プラトンとともに、西洋最大の哲学者の一人とされています。
「あらゆる学問の祖」
”Be a free thinker and don't accept everything you hear as truth. Be critical and evaluate what you believe in."
「自由に思考する人になって、そうであってくださいね。自分が聞いた事全部を真実として受け入れてはいけませんよ。批判的にもなり、自分が信じている事をチャント評価してくださいね。」


チャーリー・マンガー


 
ウォーレン・バフェット氏の長年のビジネス・パートナー、
チャリー・マンガー氏(98歳)。
"Be a business analyst, not a market, macroeconomics, or security analyst."
-Charlie Munger-
「ビジネス・アナリスト(ビジネスを分析できるアナリスト)になりなさないよ~そうありなさいよ~って。マーケットのアナリストとか、マクロエコノミクスとか証券のアナリストとかじゃなくて~って。」
 
言い得て妙だと思います。自分の経験から、僕にはしっくり来ます。好きなクォートです。アメリカ人の友人の中で、家族ぐるみでお付き合いしてきた、一家族は、お父さんは、同じ会社で、僕のビジネスパートナー、お子さんは、僕もよく知っていますが、素晴らしい方で、現在、ニューヨークにある巨大投資銀行でアナリストをしていますので、あまり大きい声では言えません。(笑)
 
個人投資家、機関投資家、ヘッジファンド、みんな大切なのですが、
ヘッジファンドとか、そこら辺ばかりが取り上げられて、話題になりがちにも見える今日この頃です。

実際の現実社会には、アメリカであろうが、日本であろうが、イギリスであろうが、はたまた他の国であろうが、先進国においては、年金を運用したり、投資信託を運用したりする、ホンモノのプロ人達がいるわけで。静か~に、粛々と仕事をしていると思います。そういう、たくさんの方々と、交流、交差してきました。皆さん、優秀です。Qualified Institutional Investors. プロですから。QII適格機関投資家「有価証券に対する投資に係る専門的知識及び経験を有する者」~もちろん、僕自身、日米両方の証券業協会・米金融当局に届け出て、当時仕事をしていました。


 
第53回の寄稿で、ニュースとして引用したブルームバーグ記事~来年の株式相場は2桁台前半の上昇へ-ブルームバーグ機関投資家調査
Sagarika Jaisinghani、Jan-Patrick Barnert、Jeanny Yu
2022年12月9日 22:07 JST ご参考までに見て頂けましたら、なんとなくニュアンスが伝わるのではないかと思います。
 
この方達は、すごい影響力です。いくらとここで申し上げませんが、莫大な資金を運用しています。アメリカの中では、ソフトランディング・シナリオをに基づいておられる方々もいると以前に寄稿させて頂きました。
 
ごく一般的な観点から。アメリカとか日本とか関係なく、一般論として。
たとえば、年金運用。企業年金でも公的年金でも。
オーソドックスに、一般的に言いますと、委託者がいてお金を預けるわけですね。受託者に。運用会社に。受託者責任(Fiduciary duty)が発生するわけです。
もちろん、運用会社は、AUM Asset Under Management(運用資産額)なども情報として開示していたりします。
 
そのお金を運用する、受託者、運用者側には、
運用を企画・プランニングする人達が開いて
 
たとえば日本目線で見た時、
日本株、外国株、円債、外国債券、とかアロケーションがそれぞれあって。
外国株であれば、アメリカ株何割とかその他の外国株何割とか。
パッシブ運用アクティブ運用があって。
全部当然、リスクマネジメントがなされています。
パッシブ運用は、インデックス・ファンドですね。
インデックスのリバランスがあります。組み換えですね。
アクティブ運用は、ファンドマネージャーさんが、運用企画と指針に沿って運用します。アメリカ株に絞ってわかりやすく説明しますと、アメリカ株ファンド1とかファンド2とかファンド3とかあって。それぞれに、運用に際して、特色があって。このファンドは、時価総額いくらいくら以上の大型株、ブルーチップ中心の運用とか。こっちのファンドは、中小型株中心とか。ベンチマークとなるインデックスがパフォーマンス比較の指針としてあります。そのベンチマークに対して、いくらいくら運用成績がアウトパフォームしているか。相対的パフォーマンスですね。
アメリカであれば、ベンチマークS&P500

日本であれば様々でしょうが、たとえば、MSCI。MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が算出・公表する指数の総称。先進国、新興国、フロンティア市場(経済発展の初期段階にある途上国)合わせて約70カ国・地域の株式市場をカバー。
先進国の大型株と中型株から構成されるMSCI World Indexなどがある。多くの機関投資家や投資信託のベンチマークとして採用されている。
 
投資期間もそれぞれ、様々、たとえば、短期であれば、3~6か月中期で、6か月から1年未満くらい、長期でそれ以上というような基本的なイメージを持ちながら、トレーディングというと、もう、すごい、短期でバタバタというイメージがあります。
 
そして、そのファンド1とかファンド2とかファンド3とか、これらがひとつのポートフォリオ、袋・財布に入っているわけですね。これら全体をマネージする人がポートフォリオマネージャーですね。この方達は、その大本の資金を委託している、委託者・委託機関に、パフォーマンスを事細かに、定期的に説明する義務があります。
 
それぞれ、その運用の基礎なるリサーチ分析、それぞれが事細かに必要ですね。運用サイドでも、in house自社内にそういう人達を抱えています。
 
投資銀行
いっぽうで、投資銀行にも、それぞれに調査部があります。
調査部の中には、エコノミストストラテジスト計量分析のストラテジスト、セクター別に細かく細分化されたアナリストがいます。
ものすごく、細分化されています。調査部全体が一冊の本のようになっていて、細かく紹介されています。
 
全てランキング格付けされている世界です。
エコノミスト、ストラテジスト、個別企業のアナリスト。
これに限らず、ウォール街って、常に、ランキング、格付けされたり、常に注目されている世界です。競争も激しいです。ですから、厳格な社内ルールが存在していて、倫理規範Code of ethics)行動規範(Code of conduct)厳しいわけです。規制産業でもありますし。
 
今で言うなら、ゴールドマン・サックス、モルガンスタンレーシティ・グループ
 
そして、バンカメ(メリルリンチを買収)、JPモルガン(ベアー・スターンズを買収)
 
このような会社の人達のコメントは、もちろん、年金投資信託について、常に仕事上、動向を網羅しながらのコメントだと考えています。こういうところを、おろそかにすることはできません。
 
運用会社バイサイドと投資銀行セルサイドのプロ同士のしのぎの削り合い、腕の見せ所ですね。いろんな分野で。ビジネスなのです。プロの世界ですから、(投資・トレーディング)no free lunch in this business. このビジネスにただの昼ご飯はないよ~の世界です。
 
そんな単純な世界、高インフレ、アメリカ株ダメ、一刀両断にできるような、そんな単純な世界では、もともとないです。運用する様々な立場での駆け引きや、ヘッジファンドだったら、多分にポジショントークもあるでしょうし。どこからどこまでがポジショントークなのかとか、結構、海千山千だったりして。
 
メリルリンチのグローバル・エクティ・コーディネーター時代であり、はたまた他社で、グローバル・チームを組んだ時であり、様々な巨大運用会社、その背景にある巨大基金の実像を見てきました。

一部メディアでは、たとえば、ヘッジファンドであり、メディア受けしそうで、一般的に話題になりそうなところ、フォーカスして、それを報道として伝えてくれます。一般受けしそうな言葉を多用して。メディアの人達は報道のプロですからわかっていますけれど、あまりよく分かってなさそうな人達が、その部分だけ切り取って、それを伝言ゲームみたいに伝えたり。言っていることが一見立派に見えたり聞こえたりしても、一般的にそれを知らない人がさらに知らない人に伝えて行って、わけがわからなくなるworse comes worse)というのは、まあ、前述のウイット(機知)にとんだ、アメリカ人の彼女達のジョークや経験あるエコノミストの愚痴などに表されているような気がします。「専門家ばっかり。専門家だらけの世界になっちゃって」(笑)
 
先日どこかの国で「13日のCPIの数字いかんによっては、金利の引き上げ幅が50ベーシスではなくて75ベーシスになるのではないと言われている」というコメントがまことしやかに出ていました。あっけにとられて、驚きました。

何のためのドットプロットフォワード・ガイダンス、11月30日のハッチンソンセンターでのパウエル議長の議長発言なのですか。何のために、これまで引き締めて来たその引き締め効果を見たい、とか、その他諸々、これまで寄稿してきた内容などです。

何のためブラックアウト期間(米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)の関係者が金融政策に関して踏み込んだ発言をしてはならない。期間はFOMC(連邦公開市場委員会・米国の金融政策を決定する会合)が開催される前々週の土曜日からFOMC終了時まで)なのですか。

何のための、FRBと米国民、市場との対話なのですが。今のFRB当局者の誰が金融市場を意図的に混乱に落として入れたいと望んでいるのですか。そんな人達いません。システム、システムが機能しながら、物事が進められているわけです。
現実、アメリカでそんな風には動いていないでしょ。って事なんです。
 
 
僕は、特定の宗教に関わっているわけでは全くありません。I have no religious affiliation. 僕は、宗教家でも預言者でも何でもありません。そういう人達に近づく事もありません。ですので、誤解しないでください。
この事、この内容が重要なのです。

彼らをほっとけって、一緒に穴に落ちますよ


 
ウォール街で働く時に、肝に銘じていたのは、かつて一緒に仕事させて頂いた方から教えていただいた事、
Quotation: "Matthew 15:14 Verse New International Version" "Leave them; they are blind guides. If the blind lead the blind, both will fall into a pit."
バイブル・バース:マタイによる福音書 15:14 - 彼らをそのままにしておきなさい。彼らは盲人のための盲目の案内人だ。盲人が盲人を導くなら,両方とも穴に落ちてしまうだろう。
「主が言うのです。彼らをほっとけって。彼らは、盲人の案内人だ。
盲人が盲人の手を引いて、一緒に穴に落ちますよ、」ってことです。
 
これすっごく大事な事です。ここ大事です。今日の話、全部忘れてもいいので、
今日このスペースに来ていただいて、
これだけ覚えておいて頂ければというくらい重要な事です。
 
What gets us into trouble is not what we don't know. It's what we know for sure that just ain't so. 
やっかいなのは、何も知らないことではない。実際は知らないのに、知っていると思い込んでいることだ。― Mark Twain(マーク・トゥエイン

マーク・トウェイン


 
「-小説家~「トム・ソーヤーの冒険」の著者です。~幼い頃、ミズーリ州ハンニバルに転居。この町とそこの住人が、(『トム・ソーヤーの冒険』、『ハックルベリー・フィンの冒険』など)の登場人物と場所のモデルとなった。
僕は実際に現実世界で、若い頃、このミズーリ州ハンニバルという町にもアメリカ人の友人と合計3人で一緒に訪れました。なんとなく街の雰囲気もわかります。(笑)」
 
今日のお話の下地、ピザで言うならクラフトに相当するのは、以前に寄稿致しましたが、ウォーレン・バフェット氏のクォートから。
"My successor will need one other particular strength: the ability to fight off the ABCs of business decay, which are arrogance, bureaucracy and complacency," Buffett said.
2015年ウォーレン・バフェット氏が米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイの株主に対し、後継者に期待すべき点について自身の考えを書簡で示した時、
”「企業衰退のABC、 すなわち、傲慢さ(Arrogance)、官僚主義 (Bureaucracy)、現状への満足・自己満足(Complacency)と闘う能力が必要になると」書簡では 「こうした企業のがんが転移すれば、最も強力な企業でもぐらつく可能性がある」”とも述べられていました。
 
巨大組織にとっての脅威は、
「傲慢(Arrogance)」、「官僚主義 (Bureaucracy)」、
「自己満足・現状満足(Complacency)」
 
僕は、巨大組織に限らず、他にも当てはまる事だと自身で肝に銘じています。
 
強調する事と、それを誇張する事は全く異なる別の事です。
Carl Jung(カール・ユング)氏
そして、これも以前に寄稿させて頂きましたが、
スイスの精神科医・心理学者~Carl Jung(カール・ユング)氏絡みで(出典は別として)、“Thinking is difficult. That's why most people judge”
考える事、思考する事は難しい。だから、ほとんどの人は、判断して、決めつけるのだ」
時にあまり考えもせずに、すぐに判断し、決めつけて、評価し、非難したりなどという事も世の中には、、、、、???
 
強調
「ここが重要なポイントなんですよ。それをお伝えしたいんです」と強調する事と、それを誇張する事は全く異なる別の事です。僕は、後者は、全部スルーします。
過去7年、トランプ氏とその取り巻きのうそ、作り話、様々な話のすり替え、そして誇張、ホラを吹く事が、ずいぶんとアメリカで取りざたされてきました。
トランプ氏の心理状態を探るという意味においても、また、自分が取り組む何かや興味を持つ分野と別に、少しばかりですが心理学者や精神科医のような専門家が寄稿してくださるコメントなどに興味を持ってきました。

市場においての群集心理。市場に利用されがちな個人投資家の群集心理。群集心理をあおるもの。そのトラップ(わな)に陥らないためにも。市場につきあわされない、無関心や不注意から市場に知らないうちに、どこかへ連れていかれないためにも、という感覚です。
 
思い込みが怖いのです。ひとりよがり。自己満足。そこから出てくる場当たり的なコメントが。そしてその思い込みの枠に他人をはめ込もうとさえしてしまう事が。
 
ウォール街のマネジメントに携わる人達って、一緒に仕事している人達はみんなっプロなので、「とにかく、解き放って、自由に思いっきり、そのプロ達のおもうようにさせてあげる事。時間を十分にあげて、力を発揮してもらう事」「そして、If you need me anything, let me know then. I'll help you and support you.  
You tell me. 自由にやって、困った事や、何か助けが必要だったら、言ってくれ。手伝うからね」という姿勢ですね。「あるべき論、思い込みを他者や部下に押し付ける、自分の思いや希望的観測のわくにはめようとする」とかでは、そもそもないですね。そんなのことが、そもそもないです。トップダウンで考えや思いを押し付けるのではなくて、サポート、サポート、サポート、サポートし倒すという姿勢です。

本当に必要な時言ってね
「だから、その人達も、本当にサポートや正しい助けが必要な時にStand up and speak out、立ち上がって、声を上げて、正しい助けを求める、サポートを必要としている事をきちんと伝えなければという姿勢なのです。
そして、「convince me、きちんと私(その上司)を納得させてくれ」
という具合です。

「こうすべきだ、ああすべきだ、こうあるべきだ、こうでなければならない、ではなくて、相手が思いっきり何かに取り組む環境やセットアップを提供する。本当に相手がサポートを必要としている時、それが本当にこういう理由で必要なんだということ、立ち上がって、説明して、私を納得させてくれ。そうすれば、本格的に出動するよ」という姿勢です。
 
ついおとといも、そんな事、かつて一緒に働いた人、第59回の寄稿で、寄稿して、第1回のスペースで述べた、経営大学院の卒業生採用について、当時、私に法人部門全体の全権を託した、そのご本人当人と、お昼ご飯を食べながら、話していました。
 
リーダシップをとっていくというのは、何の仕事しても大変な事ですから。人の口に戸は立てられないので。人は思い思いの事を言うわけです。僕は、全然人の言う事なんて気にしていません。あんま、考えたこともありません。自分が考えられる事、自分がコントロールできる事に対して全力、ベストを尽くすだけですね。
 
たとえば、過去60回くらいの僕の寄稿をお読みになっておられる方や第1回のスペースをご視聴頂いた方の中で、アウトライヤーは、アメリカ株、これ今、買いだって言ってるぞ、って解釈する人は、僕はほとんどいらっしゃらないのではないかと思ってはいますが、それでも、たとえば、アウトライヤーの逆、やる、ってことでも、その人がそう信じてそれをするなら、何の問題もないわけです。
 
誰にもチェックされない。
チェックス・アンド・バランシーズ、【checks and balances】抑制と均衡。
政治権力が特定部門に集中するのを防ぐために、権力相互間で抑制と均衡を保たせること。
 
たとえば、トランプじゃないけど、「ほとんどの人達はこの事を知らない。だけど私には分かっている。とか、これは当然容易に予想できた事とか」なんかそう言う事ではないんです。だって、トランプさんってもう1992年からウォール街に相手にされることなかったんですよ~。
 
 
アメリカの失業率について少し考えてみましょう。
たとえば、アメリカで、実際に、
失業者が街にあふれかえる光景に僕は遭遇したことはありません。
向こう数か月から1年超?今後失業率の軟化を予想する場合、
「金利を下げる~金利を下げてもいいだろうと考えるのに十分な数字って?」のひとつに、
・失業率~5.3%(今回3.7%)
これ誰も15%~20%になるとか言っているわけではありません。
たとえば、ひとつのリセッション時の例として、
・1990年7月から1991年3月
・2001年3月から2001年11月
僕は、こういう期間にニューヨークを直接何度も訪れた記憶が鮮明にあります。
 
ニューヨーク州は広いです。
マンハッタンに限ってだって、皆さんご存知の方も多いと思いますが、街が碁盤の目のように出来て来て。ダウンタウンと、ミッドタウンと全然雰囲気が違いますし、アッパー・イースト・サイドへ行けば、超高級住宅地ですし。その他諸々。いっぽうで、少し離れると、もともと治安があまりよろしくない場所もあります。もともと、仕事をしていない人も多いというか。そのもともと治安があまりよろしくない場所の人達が、さらに、○○だけには、怖いから行きたくないという、そういう場所さえもあります。
 
アメリカの失業率に話を移してみますと、
ブルース・マクネビン氏の解説・NBER全米経済研究所が見ているものと全く同じものを見ての分析。Published by Bruce McNevin on Nov. 18, 2022 4:21:57 PM からの引用です
最も大きなインパクトがあるのは、労働変数です。
失業率が3.7%から4.7%に上昇した場合、リセッションの確率を29%まで増加させることになると考えられます。非農業部門就業者数2%の減少が、リセッションの確率を74%まで増加させることになると考えられます。
データで見た場合、リセッション(景気後退)時、非農業部門就業者数に平均で1.9%の減少が見られました。
指標の現在のレベルから見ると、リセッション確率はおおよそ10%
失業率、増加(上昇)する時の方が、より速い速度になる
監視すべき変数は失業率。(限界効果が大きい)それが減少(下落)する時よりも、ぞれが増加(上昇)する時の方が、より速い速度になるという事です。
繰り返しますが、これ誰も15%~20%になるとか言っているわけではありません。
じゃあ、3.7%が5.3%になったら失業者が街にあふれかえるのかというと、そいう事ではないですよね。むしろ、ウォール街の僕のニューヨークの同僚達だったら、そういうお話をもし聞かされた場合、現実に実際には、ちょっときょとんとしちゃう、意外感を感じるかもしれませんね。だって、まず、失業者が、私失業者ですって、札下げて、歩いているわけではありません。僕も、アメリカがリセッションの時に何度もアメリカへ足を運びましたが、ほんの少し、気持ちホームレスがふえたのかなあ、くらいには感じることはあっても。ニューヨークを例に挙げれば、いつも、忙しく、街は動いています。そして、ニューヨーク州、ニューヨーク市が、当局として、街の治安などもに、すごく気を配っていますから。東京と似たような感覚です。金融関係者として、失業率が上昇するであろうことを事前に予想していた場合については、治安に対する、精神的懸念が、心の内側で増幅されたりした事は事実ですが。銃社会という事が念頭にありますので。僕は、街に失業者があふれかえっている状態に遭遇した事はないです。失業保険申請当局へ行けば、そこには、失業した人達がいっぱいいるでしょうけれど。
 
投資銀行・リサーチ・調査部
まずエコノミストから話しますけど、なんかSNSとか、オンライン上とかだと、マクロエコノミクスを語っていきなり株式市場について見通しや評価を話すとかありますけど、それはそれとしまして、
ウォール街では、実際は、そういう形式ではありません。
エコノミストストラテジストセクター別アナリスト
機関投資家動向、個人投資家動向、ヘッジファンドの動向などは、モニタリングしています。
先日お話しましたが、バブルや上げ相場の最終期、多勢の群集心理が働いて、買いに入る、マーケットチャート上、垂直に描かれるような状態で。そして、バブルが崩壊して、全部持って行かれるとか。下げ相場で、もっと下がると思って、群集心理が働いて、突っ込みをどんどん売るとか。突っ込み売らず、戻り売りなんですけれどもですよ。
 
ステップを、オンライン上で語る人達の都合で、飛ばすのは自由なんですけど、僕としては、現実をお伝えして、そこからやっていきましょうよと申し上げております。
 
エコノミストの言うところをストラテジストは十分咀嚼しています。
その上で話しています。身近にたくさんストラテジストと仕事しましたけどほとんどみんなそうです。口にそれを出すか出さないかは別として。
 
僕は、自分がすごくお世話になったメリルリンチ時代のストラテジストでウォール街の大御所と呼ばれていた方、その門下生のおひとりであった、ある会社の看板ストラテジストとも後に、東京とニューヨークで頻繁に仕事をしました。
 
エコノミスト~経済学者や経済研究者など主としてマクロ経済に関する調査・分析を行う専門家のことです。
 
個別の業界や企業を調査・分析するアナリストや投資戦略を立案するストラテジストとは区別されます。
こういうそれぞれの分野において、
米国金融専門誌「Institutional Investor 誌」(日本でも日本株の人達にありますが)ランキングがあって。トップらンキング、そして、そこに入らず次点だとrunners-upとかって。あの人は、このランキングトップではなかったけど、最強のrunners-up次点だとかって。
 
FRBでも日銀でも世界の中央銀行は、本物のエコノミストが大勢普通にそのオフィスの廊下を歩いているわけです。
 
(ホンモノのエコノミストは、本当に細かく、詳細にわたって、カバーしています。全ての数字を拾っているくらい。よく、クラッシック音楽などのオーケストラとかで、指揮者は、誰か演奏者が半音間違ったら、それを言あてるとかって言いますけど、まさにその世界です。ホンモノのエコノミスト達は。すっごく細かく、その半音の違いを即座に言い当てるような感覚で、いろんな数字を拾いすぎているくらい拾っています。まあ、僕の住む世界とは違います。(笑)
 
今のようなアメリカの高インフレ下ですと、マクロとかって言葉ばっかりが先行して先に飛び交いますけど、やはり、その本当の意味とか、そこには、ものすごく高いレベルがあるわけです。そう言う事を前述のマクロを教えている方は愚痴っていました。
 
言うまでもなく、それはもう、アメリカには秀でたエコノミストの方々が山のように、いらっしゃいます。彼らは、彼らで、激しい競争があり、その特色を出していく事が大変、厳しい競争があるのだとも思います。だから、前述の愚痴も出てくるのだとも思います。政権に仕えるエコノミスト、民主党寄りのエコノミスト、共和党よりリバタリアン(小さな政府)なエコノミスト。たとえば、シカゴ連銀エバンス総裁の後任、シカゴ連銀の新総裁オースタン・グ―ルスビーAustan Goolsbee氏(オバマ政権につかえていた典型的な民主党寄りのエコノミストなど)様々に。


シカゴ連銀次期総裁 グールズビー氏


 
たとえば、この方のように、明らかにオバマ政権に仕えていたとか言う場合は、民主党系のエコノミストって言えます。例えば先日お話した現世銀の総裁デイヴィッド・マルパス氏のように、ブッシュ政権に仕えていたとか。民間の投資銀行で働いた後、共和党選出の大統領がアポイントしたとか。
まあ、普段、そのエコノミストがする発言等々から、民主党系とか共和党系とか、推測、決めつけたりするわけですけど、じゃあ、厳密に、だれが、共和党系、リバタリアンのエコノミストって正確に言えるのかというと、これはアメリカであっても議論が分かれ、実際に全部区分けして言い切れる人ってほとんどいない、すごく限られている世界だとも言われています。
 
リベラル(自由主義者)に対して共和党・保守・リバタリアン
リバタリアン~I believe in the rule of law.
I believe in free speech, a free press, separation of powers,
and limited government.
I believe in "a government of laws, not of men."
で、フリーマーケット、フリーコンペティション、自由市場、自由競争
物価が政府によって決められるのではなく、需要と供給に基づいている経済体制、つまり、自由市場のことです。 FREE MARKET
そこで、自由競争
それは、僕もそうでしたが、ポリティカル・アフィリエーション(政治的属性)、レリジャス・アフィリエーション(宗教的属性)って、個人のプライベートな事なので、日本でもそうでしょうけど、これは、仕事場には持ち込めない事ですから。
政治的、宗教的見解を述べてはならないと、厳格な社内ルールが僕の当時はありました。政治や宗教の話というのは、仕事が終わって、食事にでも行って、2次会もしくは3次会くらいのところで、本当に仲良しの何人かで、ごくプライベートに議論したりするような事でした。フォーマルな場所でそんな事しゃべる人いません。日本でも同じだと思います。
 
さて、ウォール街と一般的に言えば、これは、金融街ですが、首都ワシントンD.C.に行けば、業界団体を代表する、ロビイスト、ロビイング、が、それはもう、グローバルなベースで強烈ですから。ビッグ・ビジネスですからね。政治家への働きかけ、法案への賛同・不賛同。これはすごいですよ。大きな力が働いていますから。日本では、あまりなじみがあるかどうか、わかりませんが。業界団体や巨額献金者の意向を代表して、働きかけるわけで。うみせんやませんの世界ですかね。
 
ロビー活動を行う私的人物・集団がロビイスト(lobbyist)。~多くの企業および企業団体、利益団体あるいは国家や政府は、自身の利益に沿った主張を広めるためにロビイストを雇っています。ロビイストの活動の重点は、政策の提言やリサーチ、アドバイスだけにとどまらず、実際に行動に移し、実現化することにあります。民間の立場からあらゆる利益を代弁することができるため、様々な形で柔軟に活動することができますから。シンクタンクで、政治課題に関する研究成果をメディアに対し定期的に発表することで、その主張を普及させるなどの方法があります。ロビイストを雇用する団体は、政治家への政治献金も同時に行っているケースが多いですね。


マーク・キューバン



アメリカの映画やテレビドラマでもそう言ったシーンは、良く描かれたり。みなさん、なじみがあるかもしれませんが。民主党系、民主党支持者達は、いつも大反発するわけです。どうして、この国は、特定の業界団体が力を持つのかって。We the people(われら人民)ではなないのかって。製薬業界は特にやり玉にあがりますね。去年だったか、今年からだったか、ビリオンネアのマーク・キューバン氏が、ジェネリック薬をリーズナブルに提供するサービスをはじめて。人々のために。そういう意味で、特にそういう業界団体、製薬とかオイル、天然ガスとか、その他諸々、どうしても、民主党系の人達は、企業の強欲さ(Corporate Greed)って言うわけです。ロビイストの力は大きいですし、ロビイング(業界団体の思惑を政治家に働きかける事)の力は大きいですから。民主党系の人達は、こんなことが通用して、出来るのは、先進国の中では、アメリカだけなんじゃないの。いったいこの国はどうなっているんだ、とかって言います。ウォール街の力やワシントンD.C.のロビイングの力ってすごく大きくて、アメリカを動かしている力と言っても過言ではないと思います。
 
話しを戻します。まず、
エコノミスト~財務省・FRBのエコノミスト、大学教授、研究者、投資銀行のエコノミスト、運用会社のエコノミスト、もう様々に、素晴らしい方々ぞろいです。(素晴らしい事とその時経済見通しが当たっているという事は全く別の事で関係ありません。(笑))


ポール・クルーグマン


たとえば、ポール・クルーグマン氏(Paul Robin Krugman、1953年2月28日 - )は、アメリカの経済学者。2008年度ノーベル経済学賞受賞。
すごい人なんでしょう。でもね、スカイブリッジキャピタルの創業者で元ゴールドマン、11日間だけ、トランプ政権で広報部長を務めた、アンソニー・スカラムーチ氏に言わせると、いろんな見通しがいつも外れてて、って。僕も、ポール・クルーグマン氏、いちよう、フォローとかしてはいるんですけど、あんま、話聞いてません。僕の場合は、投資についてどうかを考えているわけで。アメリカ国家について考える人達は、クルーグマンさんはじめ、その道、その道で素晴らしい人達がたくさんいるでしょうから。
 
そして、アメリカでは、政治の世界でも、政権交代時によく言われますが、political apointee(ポリティカル・アポインティー・政治任用の方々)。
政権交代とともに、その宮仕え、職務を去り、民間に仕事を求めて行きます。
時と場合によりますが、3000人単位くらいでいたりします。このように、この方々、エコノミスト達は、様々な場所(公職と民間)とで、交流・交差している良い例です。この世界は、日本でも、はたまた他の国でも、ある程度、同様な部分もあるのではないかと推察致します。
 
先日のスペースで、実例をちょこっとお話させて頂きましたが、実際の現場では、エコノミストという仕事は高いクレディビリティやバックグランドを求められる仕事でもあります。この部分は、大事な事なのです。たぶん、日本でも。
ひとつの学問ですね。ひとつの例ですが、ノーベル経済学賞というのはありますが、ノーベルストラテジー・ストラテジスト賞とかノーベル アナリシス・アナリスト賞とか、そんなのないでしょ。
 
この世界は、そんな簡単にあ~だ、こ~だとしゃべって、相手にしてもらえる世界ではないのです。
 
何か意見を述べたり、話をしたりする以前の問題で、バックグランド・チェック(経歴チェック)とクレディビリティ・チェック(信頼性のチェック)、それを、どんな人が言っているのかしゃべっているのかって、この世界ではとっても大事です。そして、そのディスクロージャー・開示は、エコノミストの場合、とっても、とっても重要です。
その上で、マクロをって言うイメージを持って生きて来ました。もちろん、どの職責においてもこれらは大事な事なのですが、特に大事ですという意味とイメージです。
 
分野を問わず、アメリカの世間一般では、そのビジネスシーンにおいて、アカデミック・エリート(学問本位)で行くのかストリート・エリート(仕事の現場主義)で行くのか。studious one(勉強好きな篤学家)なのか、aggressive one(仕事に対して積極的に攻め上手)なのか。そういう議論は常にあります。ウォール街にあった感覚からすると、どちらもそれぞれ前者であれば、それは、また学校とか研究所とかでご活躍頂いて、ここはビジネスする場所なので、それぞれ後者で(実力主義で)お願いしますという感覚です。まあ、もちろん、部署にもよりますが。
 
エコノミストの世界は、ここで言うところのアカデミック・エリートであり、studious one(勉強好きな篤学家)の世界でもあります。
 
以前の寄稿で述べましたが、自分のキャリアを通して、一番遠いところにいる人達というイメージは今でもぬぐえません。その人達と身近で話をするとかそう言う事とは別に、2,3か月に一度くらい、お話を集中して聞けばそれで、ありがとうございます、というイメージから申し上げています。そのお話から、マクロ環境の何かが大きく変化していなければ、それはそれでそのままで行きますというイメージからです。
 
そのお話を聞く時に、おおかたのベースライン・シナリオをもらって、他のエコノミストの方々のお話を加味しながら、ベストケース・シナリオ、ワーストケース・シナリオも描ければ、それで、ありがとうございます。です。
平たく言いますと、そんなしょっちゅう、しょっちゅう、いつも、いつも、話聞かなくても、というイメージで申し上げています。
たとえば、実際に、受託者責任を負っているプロの投資家さんと自分が取り組んだ仕事を振り返ってみても、ものすごく、頻度高く、エコノミストのコメントが、いつも必要だという事ではなかったかな、それとはちょっと違ってたかなという気がしています。皆さんプロですから。
 
アクセスや頻度で言えば、ストラテジストセクター別アナリスト、トレーダー、ニューヨークで包括的なマネジメントに携わる人達、米国で行われている運用体系を包括的に説明できるプロとか、そちらのほうが、圧倒的だったと思います。
 
この寄稿で言うなれば、ポイントは、もっとnarrow down絞り込んで行って、具体的に落とし込んで行って、運用計画であり、投資計画であり、皆さまの投資に対する今のお考えでありに、具体的にどう、身近で役に立つのかというところです。
 
たとえば、元FRBのエコノミストであっても、FRBを退任して、独立して仕事をする時、会社の経営者であり、「チーフ・ストラテジストなんだ」と名乗る方もいらっしゃいます。
 
エコノミストと名乗らずに、ストラテジストと名乗った方がより実践的で、その方が、お客様と接しやすいのだと推測します。はやり、プラグマティックに。
実践、実用的に。
 
製造業景況指数のこことここの数字の取り方がおかしい、間違えているよ、とか、正しいよ、とかの議論って、そんなまあ、そんなまあ、関わらなくてもいいかなって。(笑)そこまでは求めていませんとかって。(笑)大勢に大きな影響があるなら、教えてくださいくらいの範囲で(笑)ある意味、nerd, geek、ちょっと、おタッキー、お宅の世界に入って行きそうで。そこまでの話じゃないので。投資して、出来れば良い思いしたいなあ、ってところで。
 
そのマクロという意味では、僕は、ゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミスト、ヤン・ハチウス氏(the best of the best、最高と思っています)がお話になられる機会があれば、その時それをよく聞いて、おおかたのベースライン・シナリオ作りながら、元FRBのエコノミストやこれはと思う米投資銀行や米運用会社出身のエコノミストのお話で(そんなにたくさんの数ではありません)、ベストケース・シナリオやワーストケース・シナリオを作ります。それが、大きく何か変化しない限りは、それはそのままで。例えば来年前半で言うなれば、「ヤン・ハチウス氏らの予想では、来年、2月3月5月に政策金利を25ベーシスポイントずつ、それぞれ引き上げるという予想」今のベースラインに置いています。
 
オンラインの世界と違って、いきなりエコノミストが株式市場について、語りだしたりとか、友人同士の会話であれば、それもあるでしょうけど。
 
次に、
ストラテジスト~こちらが本当にポイントです~投資戦略
アメリカのマーケット(株のストラテジスト、債券のストラテジスト)
そこから、先は、ストラテジストです。僕は、コーポレート・アメリカという観点から市場を見ているので、実際に投資戦略を語ってくれるストラテジストが大切です。自分の考えと複数のストラテジストのご意見とをすり合わせます。これは僕がとか、僕の都合ではなくて、投資家から見たら大事な存在なのです。

背景にある経歴欄に記したどの会社においても、最もストラテジストと多くの時間を費やしたと言っても過言ではありません。ものすごく、大事な人達です。
 
そのビジネスシーンにおいて、アカデミック・エリートで行くのかストリート・エリートで行くのか。studious one(勉強好きな篤学家とくがく家)なのか、aggressive one攻め上手)なのか。ストラテジストの経歴もみんな華々しく素晴らしいのです。アカデミック・エリートぞろいですが、その上で、この分野からは、よりストリートに密着した、より実践的な戦略を語ってくれるます。
 
まず、アセットアロケーション(資産配分)から始まって、~株が○○%、債券○○%、キャッシュ○○%という具合に。このアセットアロケーション(資産配分)はマクロやマーケット環境の変化に伴って、修正されて行きます。マーケットを見る上でのひとつの重要なインプリケーション(示唆、サイン)です、アセットアロケーションの変更というのは。
 
そして投資戦略
たとえば、株については、今後3か月~6か月、今後6か月~1年、それ以上の期間でも、このようなセクターを中心にとか、このような具体的銘柄を中心に見てとか。
それぞれ独自に使用しているモデルを使って説明してくれます。
その際に、S&P500 は、今後○○~○○のレンジで推移し、○○のレンジになったら売りとか買いとか。もちろん見通しは、ストラテジストによって異なります。
S&P500 の企業収益・利益予想、バリュエーションををはじきだしたりとか。
 
シナリオに沿って、リスク要因を述べます。注意事項、例えば、以前の寄稿で申しましたように、バンカメでしたら、例としてですが、UK,クレディ・スイス、アメリカのトレジャリー・マーケットの流動性、日銀とか。こういった具合に。
今で言うなら、僕の目線は、結構、~BofAのストラテジスト、マイケル・ハートネットさんと、基本の目線合わせをしています。彼の言う注意事項と僕が考える注意事項が、ここのとろこずっと似て来ていたからです。
米金融当局が引き締めを終了するにはリセッション(景気後退)とクレジットイベントが起こる必要があり、それが新たな強気相場の始まりをひき起こすことになると、ハートネット氏は説明した。(マイケル・ハートネット氏 バンク・オブ・アメリカ ストラテジスト)~そうであれば、その時を待とう。とか、具体的なアイデアをくれるわけです。
 
複数のストラテジストのコメントよく聞いて、自分の考えとすり合わせる。ここでも、ベースライン・シナリオ、ベストケース・シナリオ、ワーストケース・シナリオの3つくらいを作っておきます。
 
そして、正真正銘の超腕利きのNEOさんみたいな人(トレーダー・投資家)から、チャートの専門家、チャートを駆使した解説やご説明をたくさん聞きたいですね。いつもそこに発見がありますから。自分の知らない事を教えてくれますから。僕は知らない事だらけなので。
これで、ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析の両方をカバーできます。
 
今日のスペースのポイントは、ストラテジストによるファンダメンタルズ分析とNEOさん、腕利きのトレーダー、チャートの専門家によるテクニカル分析。ここがポイントの全てです。これで話が終わりそうな気がします。(笑)
 
あとは、FRBを凝視。彼らがどう言っているかですね。ラリー・サマーズ元米財務長官やその他の高名なエコノミストご本人たちのように、FRBはこうあるべきだという立場にはないので。FRBがどうであれ、FRBの金融政策に沿って、それでマーケットが動きますから、FRBの話を聞く。ウォール街からみたら、「FRBはこうあるべきだ、の、ある、べき、論の人達」こういう人達は、結構遠いところにいる人達という印象さえありますね。ウォール街って、「ある、べき論を語る場所ではなくて、ビジネスをする場所なので」
 
立場によってですが、ウォール街って現実にそういう人達とお会いする機会のある場所でもあります、現実世界で。
 
たとえば、僕は、サッカーを自分でやったこともないし、ワールドカップをテレビで見ますが、日本代表選手やメッシやクリスチャーヌ・ロナウドに会ったことがありまません。それで、僕がサッカーを解説して、メッシがこういうんだよ、ロナウドがこうなんだよ、ああなんだよって言っても。ちょっと辛いですね。
やはり、現実世界で、そういう人達と一緒にプレーしたという人の話を聞きたいわけです。誰かが言った話の伝言ゲームではなくて。
 
何でもそうですけど、誰が、どんなバックグランドの人が話をしているのかって言う事が、とっても大切なのです。
アメリカでは。そのバックグランドが不明だと、ちょっと~ってことです。
 
次に、
アナリスト
アメリカ個別株
~僕も直接多くの時間を一緒に費やしてきました。
ここから先、個別企業に投資する方は、1次情報としてのアニュアルレポートをご自身でよく読んで、2次情報としてアナリストのお話を参考にされるでしょうし。
トップクラスのアナリストは、カバーしてる銘柄においては、個別企業と強力な関係を持っています。電話一本で経営陣に会えたり、CFO(最高財務責任者に会えたり)。様々なルートを持っています。全ての人脈を駆使して、独立して、独自の会社経営ができるアナリストがトップクラスのアナリストの中にはいます。現実に、たくさんの事を教わってきました。
 
僕の仕事は、現実世界で、全て、実際のビジネスの質や量とのバランス関係で、これらのトップクラスのウォール街のリソースを、ニューヨークの人達が、アメリカの投資家にそれを届けるのと全く同様に、どう東京へそれを届け、提供できるのかというところにポイントがありました。実際に機関投資家さんの役に立つために。
 
アメリカで一般的によく言われるのは、「その個別企業に対する意見って、株価の動きが実証する、株価の動きで確かめる事が出来ないのであれば、そんな意見なんて意味ないよって」
僕達にとっては、個別株の動きから始まって、市場の動きこそなんです。
財政政策や金融政策を執り行っている当局者でも、経済学者でもないですから。
 
 
 
たとえば、さらに掘り下げると、
そんな大所高所からの話を何回も聞いてる時間があったら、今ここに、目の前に、こういう危惧や懸念があって、それをどう解決して行くか。例えば、一般社会でも、俗世間でも、よく言う、Solutionソリューション)とかProblem solver(問題解決者)とかpreventative measures(予防・未然防止・事前防止)とか。
そして、そこに対する提案とか。
そういう分野のプロの人達もたくさんいました。ここは、ウォール街の金融商品の分野ですね。「実は、ここに来るまで、この会社に入る前は、物理学者だったんですとか、科学者だったんですというような、理系出身の人達もたくさんいました。数学者とかも。前職は、United Nations (UN) 国連職員とかって言うような方もいらっしゃいました」商品開発を行ったりします。エコノミストに似ていて、この分野も、できれば、博士号など「Ph.D」「Doctor of Philosophy」が求められる分野でもあった気がします。
 
投資戦略が決定したら、自分の実力、実力主義で、攻め上手に行こうという事です。ここがポイントだと思っています。まあ、ちょっと言葉が不適切かもしれませせんが、by any means necessary(どんな手使ってでも)やるしかない、ですかね。
ナイキのコマーシャルじゃないですけど、Just do it!の世界。
You gotta do what you gotta do.の世界です。「とにかく、やらないといけないことをやらなくちゃ」とか、「やるっきゃないよ」という事です。
 
Make it happen. 何がなんでもそれをやりきって、それをおこせよ、達成しろよ、実現しょろよっていう世界ですね。
 

マルコ・コラノビッチ


前回の寄稿で述べましたJPモルガンのストラテジスト、僕に対しても大変心あるところをたくさん実際に見せてくれたマルコ・コラノビッチさんもそうですし、その他、ストラテジストの方々の果たす役割ってすごく大切で、大きいです。ストラテジストに注目ですね。
 
昨今は、ヘッジファンドが話題になりがちで、メディアや本などを通して、そこに視点が行きがちなのかもしれませんが、現実に、巨大な年金基金や投資信託があるわけです。ロング・オンリーの方々もたくさんいらっしゃいますし。その多くがソフトランディング(景気後退に陥ることなく軟着陸するという)シナリオを採用しているとお伺いしています。彼らは、極めて優れた投資家さん達です。アメリカでも日本でも。投資戦略ってとっても大事です。
 
まあ、僕はよく思うのです。一般的に、それは、解説者だから言える事であって、その当事者としての投資家だったら、そんな事、とてもじゃないけど言えないでしょって。そもそもそんな単純じゃないもの。複合要因のある複雑な事象を簡潔化する事は、僕達の目から見ると、危険です。欠落要因が出て来て、リスクマネジメントできなくなりますから。リスクマネジメント、金融事においては一番大切な事です。その当事者だったら、とてもじゃないけど、そんな言葉やセリフ出てこないわ~、とかって。(笑)あ~、それ、なにかの本に書いてあった事ですか?みたいな。(笑)かつて、一般的なユーチューブとかSNSとか見ていた頃、そう言う事を随分思いました。それで、特例を除いて、もう全部見るのを止めました。(笑)
 
ブリッジウォーター・アソシエイツでご経験を重ねてこられて、現在は、マクロ経済を教えておられる方のお話、ちょっとした愚痴に戻って。ちまたに、たくさんある情報に惑わされないという観点から、これらの事を知っておくとは大切であると思います。
 
段取り、段階的ステップが大事。ステップをすっ飛ばすのではなくて。
マーケットでは、僕もよくふるい落とされたりするのですが(笑)。
ウォール街やそういう仕事でよくあったのは、ふるい落としです。パフォーマンスが伴わないと、どうしても、1年に一回とか、全従業員の5%くらいは、血液の入れ替えではないですけど、景気云々とかに関係なく、入れ替えもありました。それが、景気などが悪くなると、激しくなるのです。そういう世界です。入れ替えもあるので、緊張感もあって。生き残って行くのは、本当に大変な世界です。すっごく優秀なのに、精神的に壊れてしまうケースも、ごくまれにですが、あったり。

ただ、マネジメントの人達は、常に、あらゆる面で気を配っていました。外資系ってすぐクビになるよとかって話を聞いた事もありますが、そんな事もないですね。まあ、こういうのも伝言ゲームの類で、さっきの、マタイの福音書の世界かとも思います。何の世界で生きてもふるい落としは常にあります。それを執り行う人は変わっていく、組織・機関は残っていくわけで。盲人が盲人の手を引いて一緒に穴に落ちてしまう、スタイルをとらない事を僕は心がけています。
 
そして、情報選択に対してのふるい落とし~「ああ、もう、いろいろいっぱいある。ありすぎるぅ~。交通整理しよう」です。
 
僕は、fear-monger(恐怖の利用者)、予想屋、フロフェット・預言者ではありません。と寄稿で述べてきました。
例えば、FRBの委員会のメンバーではない、その他の誰がこういった、彼がこういったという話をたくさん引っ張って来ては、コメントを述べ、事実を羅列する光景
ウォール街であまり見た事、見る事のない光景ですね。
 
金融報道機関は、そこはプロですからよくわきまえているので、バランスをとりながら、フェアに、いくつかの異なる意見も明示しながら伝えてくれるので、僕は、金融報道機関の報道を聞く事で十分です。
 
ウォール街にあったひとつの感覚は、マーケットからの、マーケットの翻訳者ですね。Translation.
 
政治やジャーナリズムの世界でも、この人が言っている事のTranslationというプロフェッショナルが最近多いです。有名なのは、トランプ氏をよく知る、トランプ氏に関する著書もある著名ジャーナリスト、ティム・オブライエン氏(ウォールストリートジャーナル、ニューヨーク・タイムズ等でキャリアを積まれ、現ブルームバーグオピニオンのシニアコラムニスト、番組出演も多いホンモノのジャーナリスト)がかつてよくトランプ氏のコメントに、トランプ氏のホンネの深い部分を読みとって、全部言い換えて、Translation(翻訳)として、トランプ氏を徹底的に揶揄しながら、頻繁に、私達に、実情をつたえてくれていた事を思い出します。
以降、いろんな政治関係のレポーターや専門家がTranslationとするようになりました。このようなイメージです。
いつの時代も、FRBのトランスレーション、FRBが言っていることの訳、解釈が必要です。これだって、真剣にみんなやっても、今みたいに、解釈や見方は分かれるわけですから。
 
マーケットにおいても、マーケットの近くにいて、より具体的にマーケットに則したコメントなどをしてくださる方のほうに目が向くのが実情です。政治や法律の話しとは少し異なり、経済や金融については、それらがどう具体的にマーケットに行きつくのかがポイントです。
 
事実を羅列する事と事実とデータから、それらが示唆・暗示するサイン~インプリケーションを自分なりに読み取って、次の行動へつなげることは全く異なる事です。
 
以前に、ウォール街というところでは、「人の話」「事実の羅列」は相手にされない場所。「アイデアの話」が好まれていましたと述べさせて頂きました。あの人がこう言った、この人がああ言った、いわゆる人の噂話。あの人がどうした。この人がどうしたという。MSNBCで政治番組のキャスターを務めている有名人、クリス・ヘイズ氏が、僕の大好きな番組・ステファン(スティーブン)・コルベアのThe Late Showという番組にゲストで出演した際、だれがどうしたこうした、こう言った、ああ言ったとか、全く興味ないね。と述べていたのが印象的です。
同じじゃん、僕達と、って思いました。(笑)
 
金融政策、財政政策、その他、様々な要因。そこには事実やデータが存在して、こういったことから、これらを踏まえて、それらが示唆、暗示する兆しを読み取ろう。そこからの通訳者、翻訳者であろう。プロの人達の傾向でもありました。
 
FRB議長のトーンの変化を読み取ろう、今度のFOMCでの金利の引き上げ幅を読み取ろうとかって、プロは、いたって真面目にやっていました。平時でも25ベーシスの利上げ、インパクトあります。簡単に流して終わりの話ではないですから。
どんなに立派に聞こえる事を述べても、金利に関する扱いがぞんざいだと、あ、この人、金融事がそもそも本来のバックグランドの人ではないだろうなあとは思います。ウォール街のビジネスの分野を問わず、自分が仕事の時間を費やした人達は皆さん、金利に敏感でした。これは事実です。
 
ずっと、グリーンスパン議長の時代、金融政策が秘密主義だった時代から多くの人達がやってきているわけです。開かれて行ったのは、イエレン財務長官が先日言っていましたが、1994年2月からです。グリーンスパンさんが、金利を引き上げながら、米経済を景気後退に陥れることなく、ソフトランディングさせた1994年と1995年の、最初の金利引き上げ時。目の前で見ていました。その次の引き上げ時は、記憶が正しければ3月24日だったか25日だったかだと思いますが、その時は、香港で見ていました。
 
通訳者であろう、翻訳者であろうというような発想を持ちながら、
その上で、アイデアを出そう。今度、こういう投資を計画して、こういうポートフォリオを構築して、それを、ポートフォリオ・トレーディングに関する高い技術、ノウハウ、スキルをもつ、トレーダーチームとともに、それを実行してみようとか。たとえば、今度、こんな金融商品を作って、紹介してみようとか。商品開発に携わる人達は、躍起になっていました。大きなやりがいのある仕事だと思います。よし、アイデアを聴こう、みたいな。そういうイメージです。
 
いっぽうで、「事実の羅列」とは
金融政策、こうです。財政政策、こうです。その他の要因は、こうです。
現状はだめですね。これについては、こうあるべきです。の「ある、べき」論とか
もし{~してたら、したら、してれば、の「たら、れば」論。
あそこの有名なあの人がこう言っています。
こっちの著名なこの人がこう言っています。
これについて解説者はこう言っています。
今日の話は以上で終わりです。
という具合です。
 
これはまあ。みんな、表立って、嫌とか、言いませんでしたけど、そもそもそういうシーンがウォール街にはないですね。
 
僕は英語学習の先生ではないですけど、よく英語で、So what?(だから何なの?だから何だって言うのさ?)これ今日覚えておいてもとも思うんですけど、お話を聞いたり、読んだりし後に、So what?(だから何なの?だから何だって言うのさ?)とご自身が思う話は、これは避けるに越したことはないと。
 
 
ウォール街って言うところは、批判するとかそういうところではなくて、同じ土俵に立つことなく、ただスルーする、相手にされないというイメージが強いところでした。
 
こう言ったことは、皆さま、それぞれの情報収集時にお役に立てればいいなと思っています。
 
ウォール・ストリートに限らず、メインストリートのアメリカ企業や、一般社会の中でも、よく、ルール・ナンバー・ワン(ルールその1)~○○○は、~する。とか、○○○は、~しない。とか。ルールが20個とか、それ以上、くらいあったりして。(笑)投資する時もルールって大事です。損切ルールを皮切りに、必ず、ルールに基づいて、投資計画を執行する事です。自分の感情や思惑はここでは、あんまり必要ないパートです。
 
背景の所に「何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。」と記していますが、もっと具体的に、「じゃあ、アウトライヤー、さあ。何しに、そんなしょっちゅうニューヨークやロンドンに足を運んでいたの???何してたの?何のため?」
 
営業部とかって言いますけど。よく俗世間では、セールスアンドマーケティングなんて言いますが。まず大前提として~セールスとマーケティングの違い。
これは、分厚い本などにいっぱい、いろいろ書かれていますが、すっごい長い話を、短く言うと、セールス、お客様に営業するという事は、これは、お客様が、「あなたが好き、あなたのサービスが好き、あなたのフォローアップが好き。あなたの意見を聞きたい。あなたに背中を押してもらいたい。あなたが好きだから、あなたから買う。という事です。I wanna buy it from you cause I like your approach.
 
いっぽう、マーケティングは
うちの商品は素晴らしい。最高の商品だ。よし、この商品を、さまざまなソースを通して、ツールに乗っけて、たくさん、いろんなところに広めて行こう。レッツ・ゴーという事です。
 
もちろん、営業部では、その場所、その場所で、そのお客様・取引先の人達と、そういう信頼関係を、築いていくことが大切です。
 
そして力仕事。(アメリカにおけるアメリカ株投資これは莫大です。日本もすごいです。ただ、絶対額では比較はできません。アメリカが莫大過ぎて)
 
僕を例にして、サクッと、ウォール街のオフィスの雰囲気だけ伝えます。


ニューヨークを訪問しますと、まず、早朝、トレーディングフロワーから少しだけ離れた、マネジメントの大ボスの広~いお部屋に荷物と上着を置きに行きます。
そして、私のビジネスパートナーであるアメリカ株の超腕利きトレーダーとカフェテリアに朝食を買いに行きます。僕が、ニューヨークに行った時は、彼がおごってくれて、彼が東京に来た時は、僕がおごるとか。まあ、適当に。(笑)それらを持って、2人で、大ボスのお部屋の、机からかなり離れた、ソファーとダイニングテーブルで朝食をとりながら、大ボスが出勤してくるのを待ちます。

出勤してきたら、まあ、いつもの顔ぶれなので、取り立てて何と言う事もなく、今回のスケジュール確認をしたりです。それで、すっごく広いトレーディングフロアーにトレーダー達がざ~っと並んで座っています。(当時に限って申しますと)
先日のスペースでお話しました、まあ、WASP、ホワイトアングロサクソンプロテスタントかどうかは別にして、白人ばっかりだった記憶があります。

トレーダー達が、ザ~っと並んでいる一山隣に、これまた、IT技術の専門家達がザ~っと並んで座っていました。その人達が、トレーダー達がザ~っと並んでいるほぼ真ん中に僕の席を作ってくれて、東京と同様に仕事できるようにセットしてくれます。トレーティングの始まりです。その緊張感が好きでした。
これは、ニューヨークのこういうところでしか、味わえない緊張感だと毎回思っていました。トレーダー達に要求される高い技術やスキル。一日の終わりに、どのようにトレーディングが執行されたか、全部数字出てきますから、一目瞭然です。問答無用です。全て何でも数値化の世界です。
 
結構、皆さんご家族を抱えて、奥様とご家族の写真を、デスクの上においていたり。郊外や別の州(ニュージャージー州)とかから、マンハッタンに、まあ、ともすると、稼ぎにきているという感覚であったかもしれません。
トレーディングの合間に、トレーダー達と近況報告をしあったりして。そこから、東京から事前に入れていた数多くの調査部の皆さん、エコノミスト、ストラテジスト、アナリスト、とのワン・オン・ワン、フェイス・トゥ・フェイスの1対1の対面でのミーティングに時間を刻んで向かいます。
新しい、新鮮なネタの仕入れ時なのです。ビジネスの量等を鑑みながら、いかに、ニューヨークにある会社としての総合力を東京へ届ける事ができるのか。
いかにそのリソースを東京へ向ける事ができるのか。ニューヨークの大ボスや身近なビジネス・パートナーたちと相談しながら、慎重に決めて行きます。

そして、別の日には、朝一通りのルーティンをこなした後、ニューヨークの大ボスや関係者と、東京の取引先のニューヨーク・オフィスを訪問したり。もちろんまた別の折には、グローバル・チームを組んで、アメリカ人、イギリス人、日本人と、グローバルチームによるプレゼンテーションとして、アメリカ東海岸の巨大運用会社とかインデックスファンドとかアクティブ・ファンドなどを行脚したりでした。
 
中には、今日は夜は、どっかその辺で、割り勘で、席とって、ビールでも飲もうかという事などもあり~普段の業務を離れて、ある期間、グローバル・チームという位置づけとプレゼンテーションで、アメリカ東海岸巨大運用会社さんへの行脚を行った際、僕達のチームは、アメリカ人、イギリス人、日本人(僕)の構成でした、先方は、全員アメリカ人でした。その、とある皆さまと、仕事の後、ざっくばらんに、割り勘でビールを飲みに行こうとなって。開放的なスペースにあったテーブルに10人で、陣取って、話が盛りあがって、みんなで議論になったりして。

あまり気にもしてませんでしたが、その時の事、後になって、違う角度から見たら、どっちの会社組織とか抜きにして、僕意外、全員白人の人達だったんだなあと思ったりで。まあ、なんでも。あまり考えてません。(笑)楽しかった事だけを、記憶しています。
この時は、ポートフォリオの組み方とかインデックスとかグローバル・ポートフォリオ・トレーディングなどについて盛んに議論しました。
 
これまでのこの会話の中に、「東京の取引先のニューヨーク・オフィスを訪問して」という時間以外、日本人は僕一人なのです。だから、僕には、今でもあんまり、日本人だからとか、ドイツ人だからとか、何人だから言う感覚はほとんどないのです。僕は日本を愛する愛国者ですが。海外へ出て、皆さんと競い合って仕事をすればするほど、日本に対する愛国心は深まって行ったような気がします。
最近、民族性とか国籍とか、全然関係ないんだよね~。まあ、自分がこの人からなら学べるわ~って思う人の意見に耳を傾けたいんだという主旨のコメントを発信したりました。結構、ニューヨークの学校の先生にウケてました。(笑)
 
 
見ているところは、
princples(原理・原則)そもそも論とそこからの
divergence(乖離)、convergence(収れん
この動きを観察しています。
FRBと市場の関係を過去にさかのぼって見ていても、原理原則から乖離して行ったものは、時間軸は分かりませんが、どこかで収れんされて行きますから。過去から考えると、微妙にであっても、よりFRB側にです。市場の乖離とその修正時ですね。
マーケットのポイントは、乖離して行く時と乖離の修正時ですね。
 
 
大学の基金(エンダウメント)について
 
VERITAS~ マサチューセッツ州ボストン近郊のケンブリッジに本部を置くアメリカ合衆国の私立大学のモットー。何にでも、スポーツのユニフォームとか、旗とか、至る所に書かれていています。
モットー Veritas
ヴェリタスとはラテン語で「真理」「真実」
モットー (英語) Truth
 
卒業生や企業からの巨額の寄付と巧みな投資戦略によって極めて富裕なことでも知られている私立大学です。億万長者(資産10億ドル)となった卒業生の数も、全米の大学で最多です。
 
エンダウメント(大学基金)~一時期、ここは言葉の使い方難しいところですが、私は、ミソジ二スト(女性蔑視者)ではありません。ミニスカートをはいた若手の卒業生たちが、大金持ちになっている、ある程度歳をとった卒業生たちのところを回って、寄付をアグレッシブに集めたと。(笑)皆さん、気をよくして、寄付してくれたとか。(笑)一時期、すごく話題になりました。強力な集金力。ここに限らず、そういう学校も結構多いです。競い合って。大学基金の力も大きいのです。
 
 
私達は、政治でも、法律でも、金融でも、FRBでも、Veritasラテン語で「真理」「真実」を知りたいわけです。でも一般的には、
“The general population doesn't know what's happening, and it doesn't even know that it doesn't know.”
「一般大衆は何が起こっているのかを知らない。そして、自分がそれを知らないという事を、わかっていさえいない(知りさえしない)」
― Noam Chomsky-(ノーム・チョムスキー)-
(エイヴラム)ノーム・チョムスキー氏(アメリカ合衆国の哲学者、言語哲学者、論理学者。MIT(マサチューセッツ工科大学)の言語学および言語哲学の教授・名誉教授。
 
よく使われるクォートです。ここからのスタートです。
 
ここからやるのだけれども、
それだけでは、どうしようもないので、ウォール街やウォール街に限らず、FEDウォッチャーと呼ばれる、FRBを常にフォローしている人達は、議長発言の解釈やトーンの変化に躍起になったり、金利の引き上げ幅に躍起になったりするわけです。
 
ウォール街の人達や、著名投資家、著名エコノミストが、金融政策を行っているのではないのです。金融政策を執り行っているのは、FRBの人達です。多くのホンモノの極めてクレディビリティの高い、もうこれ以上は望めないというくらいのエコノミスト達です。だから、FRBの人達が、米国民、市場に知らせてくれることをよく聞く事が大事なのです。特に今のような高インフレ下に置いては。
 
ウォール街に伝言ゲームはありません。
 
 
第52回の寄稿をご参照ください。
最速のペースで利上げ継続
 
②(出所:モルガン・スタンレー・便利な指標)をご覧になってください。
ジュリエン・ティマーさんのコメントによると~「QT(Quantitative tightening 量的引き締め/FRBのバランスシート圧縮)の取り組みは、他所での流動性の増加にによって、相殺されていますよ。この指標は、FRBのバランスシートからリバース レポと(FRBでの)トレジャリー一般勘定残高を差し引いて測定しています。ここ何週間かでは、流動性の背景は幾分改善されていましたよ。これが、どのくらいの期間続くのか誰にもわかりませんが、株価との密接な関係において、市場が流動性に依存している事を浮き彫りにしていますね」
 
ここ重要ですね。だから、FOMC14日のFOMC後まで、そんなに顕著に株価は下がらなかったですよね。これが、どのくらいの期間続くのか誰にもわかりませんが、となってますね。
 
今一度、リセッションは実質GDPの成長率が2四半期連続してマイナスもしくはNational Bureau of Economic Research (NBER)全米経済研究所の8人の高名なエリート・エコノミストで構成される委員会が、リセッション(景気後退)と認定した時。ここで、第34回の寄稿をもう一度。
 
これらの観察結果に基づくと、米経済はリセッション(景気後退)にはありません。
 
大きなインパクトがあるのは、労働変数
最も大きなインパクトがあるのは、労働変数です。
失業率が3.7%から4.7%に上昇した場合、リセッションの確率を29%まで増加させることになると考えられます。非農業部門就業者数2%の減少が、リセッションの確率を74%まで増加させることになると考えられます。
データで見た場合、リセッション(景気後退)時、非農業部門就業者数に平均で1.9%の減少が見られました。
 
指標の現在のレベルから見ると、リセッションの確率はおおよそ10%
 
監視すべき変数は失業率。(限界効果が大きい)それが減少(下落)する時よりも、ぞれが増加(上昇)する時の方が、より速い速度になるという事です。
ず~っと昔何十年も前からそうですし、経済指標の解説本などにもそう書かれていると思いますが、非農業部門就業者数は、修正の多い数字です。この事は(その月の数字発表時、先月の数字はこれこれしかじかに修正されたという事)数字を見て行く上で頭に入れておこうと思っています。
④僕個人は、過去10年以上にわたって、様々なエコノミストがウォール街にいる中で、the best of the best 最高のエコノミストだと思っているゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミスト、ヤン・ハチウス氏2023年のリセッション(景気後退)確率予想=35%

⑦僕は、先日のスペースでもお話させて頂きましたが、「来年リセッションがないという事は、インフレは高止まりしたままなのですね」という思考回路ですし、ソフトランディングのシナリオは採用しておりません。
 
初放送以来、かれこれ50年を超える長寿番組であるCBS放送の60ミニッツ(アメリカ、人によってはですが、日曜日と言えばこの番組。この番組での事がよくSNS上でも分野を問わずにその後話題になったりもします)で、イエレン財務長官ご出演、それをシェアしてくださったブルームバーグのスティーブ・マシューズ氏によると、イエレン財務長官は「インフレを抑制するのに景気後退は必要ないと」「イエレン財務長官は景気後退を望んでいないと」
 
僕個人の心の中で、リセッションという言葉ではなくて、僕の場合は、「株式市場のリプライシング(価格調整する・価格を再設定する)」という言葉とイメージに置き換えさせて頂こうと思っています。
 
2022年3月から利上げを始めて
この時3月に25ベーシス、5月~50ベーシス、6,7,9,11月~それぞれ4会合連続で75ベーシス、そして、今回50ベーシスとして、これらのインパクトは大きいですし、金利を引き上げ続けている局面ですから。50ベーシスポイントの利上げって大きいですよ。企業収益・利益、株価収益率(PER Price Earnings Ratio)バリュエーションに与えるインパクト。
 
「株式市場のリプライシング(価格調整する・価格を再設定する)」とは、
第52回の寄稿で述べたことです。一部下記に抜粋します。
よろしければ、是非、第52回寄稿をご参照ください。
第52回寄稿から抜粋~楽観的過ぎる
(第52回寄稿時の)①から⑦を踏まえて、
ポイントは、今そこにあるウォール街のS&P500企業業績・企業利益に対する見通しは、これは楽観的過ぎると思っています。今年これまでに、あった事実、それから今第4四半期に起こっている事。それが、来年初頭からの第4四半期の決算発表時もしくは来年の春第1四半期の決算発表時に、S&P500企業業績・企業利益に対する見通しはいずれ、下方修正の方向へと導かれて行く、そうせざるを、そうならざるを得ないのではと考えています。
 
そして、これまでの寄稿と先日のスペースで述べました事の繰り返しになりますが、バリューエーション・PERの縮小(金利上昇局面ですから)。利益の下方修正とPERの縮小。これらの市場での織り込みはまだ。ここが、極めて重要なポイントであるという考えに何ら変わりはありません。ここについては、先日のスペースで具体的数字を挙げまして、お話させて頂きましたポイントです。
 
不都合な現実を突然知ることになるだろう
モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのリサ・シャレト氏はブルームバーグテレビジョンで、企業利益に関する「不都合な現実を突然知ることになるだろう」と語った。~引用終
 
雪だるま式
こういったことが表面化してきた来た時雪だるま式になって、ころげて行く

高金利下。雪だるま。それを、人は、リセッション(景気後退)と呼んだり、スタグフレーションと呼んだり。これらの言葉、定義、呼称、それの正式認定云々よりも、こういう(状態であり)事象であると思っています。雪だるま式にという。これまでの寄稿やスペースで述べてきました事と同じイメージであり、繰り返しです。
 
第52回、ブルームバーグ報道からの引用~「金融当局が引き起こした新型コロナウイルス禍からの回復の記憶が現在の投資家の思考を支配しており、そうした投資家の多くは押し目買いの成功に慣れきっているため、株価の不安定な土台を無視していることだ。
たとえ投資家がFRBの政策転換を歓迎しても、金利が低下するころには、株価が上昇するには経済が疲弊し過ぎているというのが現実だ。」~
 
併せて頭に片隅に置いているのは、
「金利を下げる~金利を下げてもいいだろうと考えるのに十分な数字って?」
・平均、コア・PCE(コアの~米個人消費支出:Personal Consumption Expenditures Price Index)が、5か月間、2.6%以下で推移する事。
失業率5.3%(今回3.7%)
GDPマイナス2.2%に下落
・市場は2023年11月に最初の金利引き下げを予想
なのですが、僕は、金利は、結果的に、より高く、より長く(長い期間)、そこで推移する事にではないかとも考えています。
 
FRB議長、副議長の発言、トーン、トーンの変化、極めて今後も重要であると思っています。
 
アメリカ株、コーポレート・アメリカ、アメリカの株式市場って、先日のスペースでお話させて頂いた通り、10年単位とかで見ると、まあそういう期間に、何か大きなことが起こって、ドッカ~ンと下落するので、それが疲れますよね。疲れるわ~ですよね。ビジネスを伸ばす時は、乗数効果でくらいの思考回路でというのも十二分に経験してきましたが、下落時に、ドッカ~ンとくるので。それで、ドッカ~ンと来ても、V字で戻るならまだしも、L字になると長引いちゃって

まあ、今回、そういうリスクがある事は事実ですから、僕個人としては、用心しているわけです。過去約40年間金融量的緩和時代でしたよ。でもね、今、これからは、金融引き締め時代ですよってことですね。この寄稿の初めごろから、ずっと述べてこさせて頂いてきた通りです。先日スペースでお話させて頂いた通りです。
 
 
下記は、ブルームバーグからの引用です~「S&P500種の10月半ばからの上昇は、リセッション(景気後退)の警告が一段と強まっている債券市場とは逆の状態だった。米長期国債利回りが短期利回りを下回る逆イールドはさらに拡大している。また、来年6月までの3四半期のうち、2四半期で企業利益の減少が予想されている。ブルームバーグ・インテリジェンスBI)集計のデータによると、9月時点では、全ての期間で5%前後の増益が見込まれていた。」
 
今でも3%前後とか増益見込みで。これは修正されるでしょうね。
 
ゴールドマンサックス
ハードランディングシナリオではS&P500が3150まで下落の可能性
S&P500種株価指数と構成企業の利益は来年、コスト圧力により利ざやが縮小するため「上昇ゼロ」になると、ゴールドマン・サックス・グループが予想した。
 
デービッド・J・コスティン氏らストラテジストは21日付のリポートで「2023年のS&P500種構成企業の1株利益は224ドルで前年から横ばいとなり、指数は年末に4000(現水準から1%高)、株価収益率(PER)は17倍で変わらずと予想している」と説明した。
7-9月(第3四半期)決算の電話会議で、全てのセクターの経営陣が利益率について賃金、コモディティー、モノ、サービスからのコスト上昇圧力による困難な状況を強調した」と説明。
加重平均資本コストは、昨年終盤には史上最低水準に近かったが、以来「200bp急上昇して6% と、10 年ぶり高水準となった。12カ月での上昇は40年で最大だった」という。
 
ハードランディングのリセッション(景気後退)シナリオでは、利益が11%減少しS&P500種は3150まで下落する可能性があるとストラテジストは予想。
 
以上、ブルームバーグからの引用部分。
 
PER18xとか18.3xとか。
これだけの事が起これば、普通に考えても13.5X~15Xとか。
 
220153,300とか
 
まあ、3,150から3300とか(220x15=3300)
3000~3200くらいの水準を僕は見ています。
その場合、僕はS&P500 で言いますけれど、
 
皆さんが、ダウの数字をお知りになりたい場合は、その時の計算方法として、
ダウ割るS&P500 =8.55
 
今で言うとダウ32,920 割る 3852 =8.55
今で言うならにすぎませんが、その時また計算が必要ですが、
 
じゃや、ダウなら25,65027,360とか。ざっくり
 
CPIとFOMC結果
・米11月CPI(米消費者物価指数):7.1%(前回7.7%)・コア6.0%(前回6.3%)
 
コアがFRBのターゲットの3倍
FOMC後、パウエル議長もコアインフレのところに、進展がみられていない事をかなり気にかけておられることが、そのご発言からはっきりと伝わっております。
 
これからもインフレ抑制のために、お仕事、すなわち、金融引き締め継続ですね。
 
市場に対する見方が1回目のスペースと今日2回目のスペースで、思考にしても目線にしても、特に何ら変わっていることはありません。
 
 
僕が目線を合わせている、アメリカを代表する機関投資家として、非常に長い経験をお持ちの方が言うには、
 
「FRBの最初の利上げ(現在で言うなら2022年の3月)から、15か月後企業利益はピークを打ち、通常21か月間(1年と8か月)くらい回復しません。
 
株価は、最初の利上げから約2年後、その時の決算発表のタイミングからさかのぼって、決算発表の6か月前頃回復します。それで言うなら、気を付けて見る時は、
2023年7月~9月ごろとか。重要そうかなと。来年前半に要注意を置いた後です。
 
平均的なFRBの引き締めサイクルは、開始した時から17か月後に終了します。
これで見ると、先ほどの、市場は2023年11月に最初の金利引き下げを予想。
ちょうど、2022年の3月から17か月後くらいなんですね。2023年の11月が。
 
典型的なサイクルなんてものはありません。この方がデータをとった過去の世紀も含めての全ての引き締めサイクルの平均は、通常、収益が最後に低下する事を示しているわけです。
 
これは平均的な引き締めサイクルなので、今回この通りにいくのかなあ?現状で考えると、どうなの?より長く、より高くなるのではないのですか?と僕は今の時点では思っているわけです。

最速ペースで引き締めしていて、そのインパクトかなり大きい


 
それで、収益がこれまでのところ持ちこたえているという事実から2023年もそれが続くかどうかどうかについては、ほとんど何も私達に言って、教えてくれていない、示唆してくれていない状態、ほとんどわからないかもしれない。(この方は、ほとんどわからないかもしれないという言い方をなさっていますが)、僕は、まあ、2023年も収益が持ちこたえて、今ウォール街が予想してる通り(3%~5%増益とか)推移したら、以前の寄稿時に明示しましたが、今年3月から最速の引き締めペースで、3月25、5月50、で、6,7,9,11月~75x4回、今回12月50ベーシスと来て、これ最速ペースで引き締めしていて、そのインパクトかなり大きいと思っていますから、ものすごいびっくりするわ~そんなことあるの、くらいの話で思っているので、その部分をこれまでの寄稿やスペースで述べているわけです。
まあ、こんな目線です。
ここが今日の2つ目のポイントです。
盲人が盲人の手を引いて、一緒に穴に落ちるという事と合わせて。
 
 
こう言う事を理由に、今日のこれまでのお話やこれまでの寄稿、第1回目のスペース、で述べたことの見方や目線に大きな変更など何もありません。特段、これまでと何も変わっていませんという事です。
 
来年前半株価に細心の注意を払いながら、2023年の7月~9月ごろとか。重要そうかなと。
 
ブルームバーグ報道記者でありFEDウォッチャーのスティーブ・マシューズ氏によると、1か月のコアPCE(コアの~米個人消費支出)が、0.2%、この水準が1年間維持されて推移して行くならば、これをもってして、バーナンキ元FRB議長が定めたところのFRBの2%インフレターゲットとFRBの2大責務(物価安定雇用の最大化)のうちのひとつ「物価安定の定義」と一致する、と見ています。
 
 
以前の寄稿でも引用しましたが、「BofAは米金融当局が引き締めを終了するにはリセッション(景気後退)とクレジットイベントが起こる必要があり、それが新たな強気相場の始まりをひき起こすことになると、ハートネット氏は説明した。(マイケル・ハートネット氏 バンク・オブ・アメリカ ストラテジスト)」
 
バンク・オブ・アメリカのストラテジスト、マイケル・ハートネット氏が、おっっしゃられるこの状況を頭に入れながら、「新たな強気相場の始まりをひき起こす」ところへは、まだ、今後かなりの時間を要する事になるのであろうと考えています。
 
しかしながら、そういう日が来ると思います。
 
いつも、弱気一辺倒ではありません。それぞれ、通るべき進路を通って、そういう日が来ると思っています。ステップや進路をすっ飛ばして、5,6段くらい、ステップ、とか、階段とかすっ飛ばしではなくて、英語でよくPath(進路)と言いますけれど、Path(進路)があるわけです。
 
それらを経て、それらを乗り越えて、また次があると思います。ですから、今述べた事、時間軸、そして第1回のスペースで述べた、リセッションがあった場合、
S&P500の底は、リセッションの前ではなくて、その最中、に起こるという事も頭に入れておくことが大切なのです。今回、もしリセッションが後ずれするなら、市場のリプライシングという観点から、前述のコメントがとっても重要であると考えています。
 
来年前半株価に細心の注意を払いながら、2023年の7月~9月ごろとか。重要そうかなと。この時期が、もちろん微妙に後ずれする事も考えて置かなければなりませんが、いつも、いつも、全くダメ、弱気一辺倒ではありません
 
人は立場によってそれぞれ発言が違いますから。第1回のスペースでお話した、不動産王、サム ゼルさんや、著名投資家スタンリー、ドラッケンミラーさんはじめ、富裕層は、シビアなリセッションが今後来ると言ったり、プロフェッショナルの投資家は、リセッションは回避できる、ソフトランディングのシナリオを採用しているとか、イエレンさんの「リセッション(景気後退)は必要ない」という発言もあったり。その中で、自分はどこに立つのかという事ですね。
 
 
誰が買っても儲かる、誰がやっても儲かるような、みんなにやさしいマーケットとでも申しましょうか。そこに行くのに、ご説明させて頂いたような時間がかかります、ステップがあります、いきなりではないですよね。と、僕個人の見方、解釈として申し上げております。
 
 
ブルームバーグ、スティーブ・マシューズ氏~引用~
「FRBは、勝利宣言の準備は、まだ、しないでしょうね。」
 
ウォール街は現在2派に分かれていているようです。
 
・我々はまだ危機から脱出していない派 vs. ・インフレは過去のもの、終わった派
 
パウエルFRB議長は、(我々は、まだ危機から脱出していない派)でしょうね。
 
依然として堅調な労働市場(失業率3.7%)で、インフレ率が引き続き低下し続ける場合、ソフトランディングの可能性が高まってさえくるようですね」
 
FRBの物価安定の目標や水準からは、まだ、程遠いことは十分に認識されている事であると思います。
 
第58回寄稿から
 
ウォール・ストリート・ジャーナルのニック・ティミラオスさんがシェア下くださいました。ウォール・ストリート・ジャーナルのニック・ティミラオスさんのコメントからの引用です。~
 
「ほとんどのFOMC参加者は2023年5%から5.5%の間で、金利の引き上げが終わると見ている事が示されています」
 
これは、ドットプロット=「金利予測分布図」「点で示された図表」です。
FOMC(米連邦公開市場委員会)終了後に公表される政策金利見通しです。
FOMC(米連邦公開市場委員会)参加者によるフェデラル・ファンドレート(政策金利)予測のドット(点)を分布したチャートで、その特徴として、点を時系列で結ぶと将来予想される政策金利の経路が線として浮かび上がる形のものです。
 
「失業率の予想に対するタカ派的な修正~ほとんどの金融当局者は、2023年末までに失業率4.6%もしくはそれより高い水準に上昇し、その後4%超くらいの水準に留まると予測しています。」
 
この部分に関しては、アメリカの多くのプロフェッショナルの投資家が景気後退を避ける事ができると考えている事、ソフトランディングのシナリオを採用している人達が多い事が頭に思い浮かびます。
 
これらのプロフェッショナルの投資家は、今後のコーポレート・アメリカの企業業績、企業収益・企業利益に対して、非常に警戒感を持って見ている事も事実です。僕も、金利引き上げ、金利上昇局面における株価収益率(PER)バリュエーションの縮小、企業収益・企業利益の今後の下方修正、そこからの市場のリプライシング(価格調整・価格の再設定)について最も注意を払っております。
 
パウエル議長~「過去2回のCPIレポートは物価上昇月次ペースの推移において歓迎すべき減少を見せてくれている。インフレが持続的な下降経路をたどっているという自信・確信を持てるようになるには、実質的にもっとさらなる証拠が必要だ」

パウエルFRB議長

 
僕の個人的な感覚ですが、11月30日ブルッキングス研究所ハッチンソンセンターパウエル議長がスピーチされた折「私の同僚も私も引き締め過ぎたくはない」とおっしゃったのは、これは、今回の利上げ幅、話題に上っていた75ベーシスポイントを50に持ってくるため、それを世間や市場によく知らせるためのコミュニケーション、そこにまず優先順位をおいてのコミュニケーション上のニュアンスだったんだろうなと。
 
ここも市場の解釈の仕方であり、解釈の問題という部分が大ですね。
 
「これまで行ってきた利上げの効果を見極めたい」ところから、「今回も50ベーシスポイントもの幅、金利を引き上げて」そして、今後についても「ほとんどの金融当局者は、来年の金利引き上げに関して、”少なくとも”さらに(追加で)0.75%(75ベーシスポイント)の金利引き上げが必要であると(考え)描いています」
 
最速の引き締めペースのもと、「FRBはしっかりとインフレ抑制に向けて仕事を継続して行き来ますよ。利上げ継続してに対してしっかりした姿勢を持っていますよ」という断固たる姿勢を明確にしたものであると考えています。
 
 

ブランチャードMIT教授


先日、オリビエ・ブランチャードMIT教授(国際通貨基金の元チーフ・エコノミスト)が、インフレ抑制をやって行って、それで、インフレを抑えるのが難しかったら、インフレをインフレターゲットを3%に置きなおしてやっていくことを考えたらという主旨のご意見を述べられて。バーナンキ元FRB議長、ウィリアムズ総裁ニューヨーク連銀総裁が即材に反論なさって。
(降伏するのか、負けを認める事になると)
パルエル議長は、FRBの2%インフレターゲット(バーナンキ元議長当時、バーナンキ元議長が設定したターゲット)について、
「いかなる状況下(under any circumstances)に置いても、その(2%インフレターゲットの)変更について考慮するつもりはない」と、今回、明言されておられました。
 
よく来年を見通して、1年先の見通し
極端な事言ったら何が起こるかわかりません。日々丹念に、観察し続ける事、変化をとらえて行くことが大事なんです。ですから、僕は、遠い先の将来を、わかったふりして、演技して、私にはわかっているとかって語るのではなく、定点観測する事が大切だと考えています。
 
今後、ブレーナード副議長、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁、ウォラー理事、クリーブランド連銀のメスター総裁、セントルイス連銀のブラード総裁、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁などなど、皆さんが、どんなトーンで、様々に語ってくれるのかですね。FEDウォッチャーの方々、元FRBのエコノミストの方々であれ、元であり現職であり、運用機関、投資銀行の方々はじめ、個人投資家さん、皆さん、さらに手がかりを探そうとするでしょうし。僕ももちろん注視しています。
 
それがポイントだからです。みんなそれに注目しているわけですから。2023年のうんちゃら予想、かんちゃら展望とか、みたいなことではなくて、これがこそがポイントなんでしょと思います。アメリカの金融政策。世界を動かしているわけですから。アメリカ、その現場、今まさにそこに、目の前にある現実では。それをマーケットがどう解釈して、短、中、長期でどう反応して行くのか。FRBと市場との乖離乖離の修正
 
特に、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁、そして、ブレーナード副議長。ブレーナード副議長が述べられる事を、後日、パウエル議長がさらにパシッと述べる構図。ここに注目しています。
 
これまでの寄稿やスペースで述べていることは、
今、アメリカ株ベアー・マーケット(弱気相場)ですね。金利を引き上げている局面でベアーマーケットが終わるというのは見たことがこれまでにもないし、その局面で底打ちするのを期待する事には、非常に難があります

買いに入れるひとつのチャンス


過去のリセッションに絡んだ、ベアーマーケットでは、最初に金利を引き下げた後でも、株は下がっていたわけですから。90年00~0207~09。だから、基本、最初の金利引き下げの前に底打ちするというように思考するには難があるのです。ただ、その後です。NBERリセッションの認定遅く、それが認定された時、そして、最初の金利引き下げから時間が経った時そこが、買いに入れるひとつのチャンスになるのではないかとも期待しています。
 
今日お話した、path進路を通って、それらを乗り越えて、障害物をクリアして行けば、また素晴らしい日も来ると思います。アメリカ合衆国、コーポレートアメリカですから。弱気一辺倒でもなければ、悲観一色でもないです。ステップバイステップ、一歩ずつ、経緯を観察、確認して行きましょうね。という事です。
また、良い日が来ますよ。そういう日が。
 
そうしながら、ある程度マメに、お話させて頂い方が、皆さまに、より、まともな事をお伝えできるのではないかと思っています。
 
皆さん、本日は、前回に続いて長い時間、大変ありがとうございました。
次回また、お会いできる日を楽しみに致しております。
 
 
 
 
 
 
 第71回へ続く


最後に …

これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
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関連スペース


11月27日 第1回スペース 2時間


12月18日 第2回スペース 2時間20分


12月22日 第3回スペース 12分間



12月24日 第4回スペース 20分間

関連note



私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
OUTLIER 「相乗的にパフォーマンスを高める食品と栄養素を集約。」




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投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
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