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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿(13)

米国株の師匠🍅アウトライヤー様からの寄稿🍅第13回全文無料で皆さまにお届けします。

🍅🍅


弟子のNEOさんへ
アウトライヤーより。外れ値です。でも異常値ではありません。

笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。

背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。

一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。


第12回から続く


NEOさん、そして、この寄稿を読んでくださる皆様に、深く、深く、心より、感謝申し上げます。また、コメントをお寄せくださった皆様へ、深く、深く、心より感謝申し上げております。感謝しかありません。ありがとうございます。読んで頂けてありがたいです。

外資系企業生活の終盤に差しかかかった頃、自分自身の職責上や立場上もあってなのか、直接、市場を目の前にした第一線の機関投資家の外国株(アメリカ株)運用担当者の皆様とお話する機会は、かつてほど多くはなくなってきていました。そんな時、皆さん、会社は、それぞれ異なるのですが、何名かの方々から、それぞれ、異なった時期に、別々に、直接お電話頂くというような事が、時々ありました。その方々は皆さん、それぞれに、表現は異なりましたが、「最近本当にご無沙汰しています。今、どんなふうにマーケットを見ているのか、率直な意見を聞かせてほしい。こちらサイド(その方々のサイド)では、自分達で、もう十分に次にとる行動の準備はできている。それについて、語る事はしない。その行動をとる前に、ピュアに最終確認の意味を込めて、あなたの意見を率直に聞きたい。思うところを存分に話して、私達に聞かせてほしい。私達の見解と全く異なっていてもそれもどうでもいいし、構わない。気にしないで、一方的に話してもらって全く問題ないから、これは最終確認の意味を込めた電話だと思ってくれ」

長かったのか短かったのかは人それぞれですので、何とも言えませんが、ひとつ事をずっとやって来て、良かったなと思う瞬間でした。

僕が、NEOさんのところに寄稿をはじめさせて頂いたのは、皆様、おひとり、おひとりが、それぞれに、投資行動をとられる中で、ちょこっとだけ、この寄稿ノートにも立ち寄ってもらえる機会があったら良いいなあと思ったからです。

いつもありがとうございます。重ねまして、皆さまに、厚く御礼申し上げますとともに、深く感謝申し上げます。


商売柄まだ株式について強気なコメントが必要な方々


スタンス、立ち位置につきましては、これまで過去12回の寄稿で述べさせて頂きました。今は、アメリカで商売柄まだ株式について強気なコメントが必要な方々やFRBへの政策転換期待で先回り売買をしておられる投資家の方々と少し距離をとり、彼らがお話になる時は、少し耳をふさぎながら(笑)、アメリカ株式市場を見つめております。今後、ブラックアウト期間から実際にFOMCが終了したら、また、あらためて考えてみようと思っています。一方で、Minsky Moment(好調な経済において、それまで見えていなかったリスクが表面化し、資産価格が急落する時・瞬間)をご指摘なさる方々のコメントには耳を傾けております。もちろん、リスクとして頭に入れています。FRBが、少し金融引き締めから引いたような姿勢を見せるためには、少なくとも、10月分、11月分の雇用統計の発表(年内の雇用統計の発表)で、予想より失業率の数字が目に見えて悪くなっている、弱いとか、CPI消費者物価指数の数字の発表でコア・インフレが数字として落ちて来てるとか、そういう事がないと、そんな簡単には引いた姿勢は見せられないのでは、とは思っています。現状から考えて、このような事が、今からすぐ向こう2か月くらいの間、年内に起こるかどうかどうかという事については、それが起こる可能性はかなり低いと思っています。(思うのは自由なので)(笑)、実際に、それぞれの発表時に数字を見る事にします。がゆえに、時間はある程度かかるし、そんな、簡単にFRBも姿勢変更はできないから、イエレンさんが目に見えないところで、政治的にいろいろがんばっているのかあと推察したりもしてます。自分が現在持っている目線の変更をこの時点でするつもりはありません。良しにつけ悪しきにつけ、I go from here.ここからやって行きます。いずれにしましても、前述の通り、FOMCや経済指標(11月10日CPI)の発表を経ながら、同時進行で、観察・定点観測してみようと思っています。

自然科学と社会科学。社会科学の延長線分野でしか生きた事がないがゆえに、自然科学の分野で名を成した方のお話は、機会があれば耳を傾けるようにしています。


リチャード・ファインマン氏

その昔から、ダントツに好んでいるのは、リチャード・フィリップス・ファインマン博士~Richard Phillips Feynman~アメリカの物理学者(理論物理学)です。1965年、量子電磁力学の発展に大きく寄与したことで、ジュリアン・S・シュウィンガー氏と朝永振一郎氏とともにノーベル物理学賞を共同受賞。

相場・仕事をする上での支えになっている、リチャード・フィリップス・ファインマン博士のクォートいくつか。

引用
情報と知識の間にある違い~情報は、その時々単発にすぎない点としての存在ですが、知識とは、その個々の情報・ひとつひとつの点がつながったものです。

引用
・それぞれ、これらの間には、絶大な違いがある。
・教育と知性
・知識と情報
・理解する事と記憶すること
・無知と愚かさ

英知(知恵)とは、いつ正しい質問をすべきなのか

引用
知識とは、正しい答えを持つためのものであり、
知性とは、正しい質問をするためのものであり、
英知(知恵)とは、いつ正しい質問をすべきなのかを知るためのもの

引用
・1年前、1か月前、もしくは1日前であってさえ、その時々と同じ自分でなければならない義務は全くないのです。なぜここに今いるかって?自分自身を継続して創造して行くためです。

引用
他人があなたについてどう考えるか、どう思うかなんて、気にする必要全くない。そんな事あなたの責任の範疇にさえないのだから。

引用
馬鹿な事を心配する事に時間を費やすほど人生は長くない。楽しく、恋に落ちて、なにも後悔しない事。他の人の影響を受けて、それによって自分を落ち込ませないように。勉強して、考えて、創造して、成長してください。自分自身に教える事。他の人にも教える事。

ファインマン氏が一貫して強調してきたのは、教える事。Teach. もちろん、研究者・学者・先生であった方ですから。教えていくうちに、自分も成長するし、他の人も成長する。その事を本質的に理解していないと人様に教える事はできません。

Stronger Together!(一緒により強くなる)美点凝視

相場・仕事、他なんでもそうですが、良いところあれば、人に教えて、人から教えてもらって、シェアして、どんどん吸収して、Stronger Together!(一緒により強くなる)。自分の役にも立つし、人様のお役にも立てる。このような時、かつてのメリルリンチで大切にされていた事のひとつは、「美点凝視」。どんな人でも、人それぞれみな欠点はあるのでしょうから、欠点は無視。美点だけ凝視。

正直、主眼はこういうところに置いています。

なかでも、ファインマン氏のクォートの中で、心して最も気を付けている事は、

引用
・愚かさ(ばかさ)とは
質問することさえなしに、全部自分が知っている・分かっていると考え思うこと。

・知性とは
あなたが知っている・分かっていると思う事全てに関して質問すること。

自分に対して恐れていることは、(以前の寄稿)ウォーレン・バフェット氏のクォートでも出てきたComplacency(自己満足現状に満足・ひとりよがり)です。

自分で勝手に思い込み、必要以上にそれに執着し、一人で踊る事、それを他人に押し付けさえする事。これは避けたいですね。執着なしに、柔軟に、いつでも行動をとれる事が大事だと思います。

人間ですから、感情があり、勘や思惑も働くわけですが、市場において、それらに対する優先順位は低く、期待値や確率に対する優先順位が高いです。

個人的には、2012年の春以前と2012年の春以降とでは、たとえば、アメリカ株という事ひとつとっても、立場が変わりました。セルサイドとバイサイドとでも申しましょうか。(笑)

誰がどう言った、こう言ったとか、たくさんの専門家と称する人達の未来・将来予想図を数限りなく聞く事に時間を費やすより、ファインマン博士はじめ自分にしっくりくる人達の教えに、(この他にもたくさんありますが)分野を問わず、耳を傾けている方が、ス~っと心に入ってきます。


相場の方向性を当てる事が出来て、それを自慢しても、儲からなかったら意味がない。参加して、行動する事


それは、(繰り返しになりますが)一言で言うと、アメリカ株式以外の投資対象を選択して集中投資した頃、師匠が言っていた「相場を当てて、儲からず
相場の方向性を当てる事が出来て、それを自慢しても、儲からなかったら意味がない。参加して、行動する事

何にポイントや目的・目標があるのか。もちろん、人それぞれだと思います。
僕にとっては、相場を当てる事が出来た時よりも、相場で儲ける事が出来た時の方が、はるかに、自分がうれしい気持ちになれます。

かつても今も、共通していることは、
いたって単純な事にすぎません。Plan(計画と目標を立てる)-Strategy(目標を実現するために、計画を戦略化する)-Implementation (戦略に基づいて、執行・実行する)-Accomplishment(その目標を達成する・100点満点の目標達成を言っているのではありません)-Review(一連の行動をレビューする)
このImplementation(執行・実行する)部分が大ですから。これら一連の作業を継続しながら繰り返しているだけです。

本当に、その時その瞬間、それが来た時に、躊躇なく、即座にそう行動できるのか。いつも、常に、葛藤しています。

バカの壁という本を書いた養老孟司氏が好きです。なぜ好きかと言うと、
「こうあるべき、こうするべき~あるべき論やこうでなきゃ」を言わないからです。
ニューヨークでも、東京でも、ロンドンでも、僕の周囲に、「あるべき論」を語る人は、ほとんどいませんでした。人をサポートする事に尽力していた人々は大勢いましたが。

過去の話にすぎません。メリルリンチ時代、当時のウォール街でおそらく知らない人はいなかったのではないかと思う、全米アナリスト協会会長も務めた著名なおひとりと、仕事をたくさん一緒にさせて頂き、若かった僕は、直接たくさんの薫陶を、彼から受けました。今でも心から尊敬の念を抱いています。
彼が、ずいぶん歳の離れた、若かった頃の僕に語ってくれたのは、
「こういう(プロの)世界だから、人は去らなければいけない時は去らなければならない。しかし、その日が来るまで、お互いにサポートして、サポートして、サポートして、生きる、生かす事こそ大切なのだ。」


ケネディ大統領

僕の好きなクォートのひとつです。
As we express our gratitude, we must never forget that the highest appreciation is not to utter words, but to live by them.
-John F. Kennedy-
感謝の気持ちを表すときに私たちが忘れてはならないのは、最高の感謝とは言葉に出すことではなく、その気持ちを胸に生きることです。-ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ(アメリカ合衆国第35代大統領)

live by ~それに従って、則って、指針として、それと共に生きる。


ケネディ大統領

第14回へ続く

最後に …

これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
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関連note

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投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
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サポート🍓本当にいつも有り難うございます。