耳かき棒は、君をずっと癒したかった

本編はこちら。

以下、裏設定になります。
この耳かき棒は、耳かき棒を手作りで作るお店であなたが買った一点物です。
梵天のあるスタンダードの耳かき棒より、可愛いチャームのついている耳かき棒が妙に気に入り、お迎えすることになりました。

あなたが購入した店は、老舗の店。
耳かき棒以外の手作り品も売っていて、どれも職人の魂がこもっています。
故に、稀に存在するのです。その込められた想いが、自我として芽生え始める場合が。
あなたが迎え入れたのは、そんな魂が目覚めてしまった一点物だったのです。

耳かき棒はその後、聞き手に役目である癒しを提供し続ける中、とある不満が溜まります。
耳かきの心地良さに気がついたあなたは、耳掃除用の道具を買い集めることが趣味になりました。
次第にこの耳かき棒は忘れられ、引き出しの中に仕舞われたままとなります。

意思のある耳かき棒は願います。
もう一度、あなたに使われたいと。
あなたを癒せるのは、僕だけなのだと。

その願いを聞き入れたのは、果たして誰か。
それを知るはこの耳かき棒だけ。

あなたはこれから、奇妙な同居生活が始まります。
元は耳かき棒の、狂気を孕んだ彼に愛される同居生活が。
あなたが逃げようとするならば、きっと彼はあなたの自由を奪いに来るでしょう。
それは、とても残忍な方法で。

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