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バレエ鑑賞超入門 実践編(1)

(とりわけ教養主義の男性向けに)

実践編(1) 序論その他

私はかつてロシア文化を学ぶ学徒に「なりそこねた」経緯がありまして、そんな関係からひところ(数年ほど前)バレエにハマったというか、改めて集中的に見た時期がありました。
そんな中でしばしば「これは市販のバレエ鑑賞入門書」とかにはあまり書かれていないことだなぁ、などと感じることがありました。
そこで、ここにはそんな私の「気づき」を書き連ねてみることにします。

バレエ鑑賞の超入門編というか、入門以前編というか、まとまりのない駄文のカタマリというか、ともかくそんな感じです。

なお、初心者ゆえ間違いや勘違いもあるかと思いますが、もしお気づきの点がありましたらぜひコメント欄にてご指摘ください。

なお、この駄文では読者層をなんとなく(自分に近い存在である)教養層のオッサン、それも「ソロ」の……としてイメージしてますが、そうでない方にも、それなりに役に立つ内容となればと思っています。

また、教養層の男性諸氏が万が一この駄文でバレエに興味を持たれた場合、鈴木晶「バレエの魔力」(講談社現代新書)もどこかで探して(あいにくもう絶版のようですが)、併せてご一読されることをオススメします。
https://www.amazon.co.jp/バレエの魔力-講談社現代新書-鈴木-晶/dp/4061495062

オッサン向けのバレエの入門書って少ないのですが、これは楽しく読める上、内容的にもしっかりしていますので。

日本人にとって初のバレエ鑑賞は、多くの場合「お付き合いでいく発表会」かな??

「私がバレエを初めて見たのは、クリスマスに家族で行った新国立劇場の『くるみ割り人形』でした。」
……という人ももちろんいることでしょう。けど。

バレエ鑑賞歴のある日本人に、その初体験はなんだったかと聞くと、恐らく(とりわけ女の子なら)バレエを習っているおともだちなり近所のお姉さんなりのお付き合いで行ったバレエ教室の発表会、というのが一番多いんではないかと思います。
もちろん、ちゃんとした調査をしたわけではありません。ただのヤマカンです。
でも、そうハズレでもないんじゃないかと思っています。

上に書いた「集中的バレエ鑑賞」の時に私は初めて気づいたのですが、日本にはとてつもない数のバレエ教室があり、そのバレエ教室が大体は毎年とか2年に一回とかで発表会を開いています。実際、これは凄まじい数と言っても良いでしょう。
このことは、日本のバレエシーンに少なからぬ影響を与えていると思います。
が、この話は一旦ここまでとします。

ビデオ鑑賞は入門者に向くか?

バレエに興味を持ったオッサンが、ちょっとバレエ入門しようかと思ったとして、まず考えるのはビデオによる鑑賞でしょう。
実際、今ならYoutubeなどで有名演目なら結構フルで見られる作品も多いだろうと思います。
もちろんDVDやBDを購入したって良いのですが……。
ただ、私見として残念ながらバレエ入門にビデオはあまり向いていないと思います。

どういったらいいでしょうか……。バレエはジャンル的になんと言っても踊りですが、踊りというのは実際にナマで見るのと、録画されたもので見るのとは何かが決定的に異なると思うのです。
例え4K、8Kの動画を、それ対応の大型テレビで見ても、恐らく根本は変わらないんじゃないかな(実際にそういう体験をしたことはありませんが)。

ビデオに価値がないということではありません。バレエ好きな人ならそれを見て大いに楽しめると思います。
言い換えると、ビデオは、その作品をよく知っていて好きな人が自宅で気楽に鑑賞(追体験)できることにメリットがあって、入門向きではないというのが私の考えです。

では実演を見るしかない。……ということになるわけですが、じゃあどういうふうに見ればいいかですね。

こういうこともまた後で触れるかもしれませんが、教養派男性諸氏なら、どんなところでどんな演目をやっているか、ぐらいはなんとか探せるでしょう。……というわけで、とりあえずその話は飛ばします。

(ただ……これは後々予定している内容を先取りして書くのですが……バレエ教室の発表会を探して見に行くというのはなかなかの盲点かつ、案外と良い入門手段なのではないかと考えています。これについてはまたいずれ。)

補足:この記事のトップ画像はロシア・マリインスキー劇場の公式サイトのものを使わせてもらいました。多分クレームとかは来ないだろうと思うので……。