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ガチャポンで見つけた好きな香り

冬である。
昨日、別府温泉の素を浴槽に入れてお風呂に入ったところ、とても好きな香りだった。ほんのり甘さがある中にスモーキーさがある。パッケージの説明を読むと柑橘系の香料が入っているらしい。

このときにふと思い出したのは、昔の私は柑橘系の香りは好きではなかったことだ。10年ほど前は、バニラやフルーツ、花などの甘い香りが好きだった。
洋服が甘い・色が派手だったということもあり、それにマッチするだろうと考えて甘い香りを好んでいた。

その割には、香水を買っても使い続けることはなかった。香水というと20ml以上の容量で売られていて使い切る前に飽きてしまうからと、購入後かなり時間の経過した甘い香水は甘ったるさが目立ってくるからと、(あとは恥ずかしいことだが自分の体臭に自信がないからである。)

ガチャポン

香水から縁が遠くなって3年後、池袋のPARCOで「ノーズショップ」という香水の店を見かけた。

店先になぜかガチャポンが設置されており、よく見ると1回700円で2mlくらいのミニサイズの香水がランダムで出てくるようである。

試しに一度引いてみると、ピーチの香りだった。ベースは甘いのだがスパイシーな要素も混じっていた。
フルーツ系を買うときはバニラかチェリーばかりだったので、ピーチでしかもスパイシーなものはこれまでなら絶対に選ばない香水だった。

このたまたま当たった香りを僕は気に入り、ミニボトルを使い切ってしまった。
数ヶ月後にもう1回ガチャを引いてみると、柑橘系の香りだった。その次はスモーキーさがメインの香りで甘さは全くなかった。この2つもこれまで選ばなかった香りだが、とても気に入っている。

適当でいいかという気持ち

そうこうしているうちに昔と香りの好みが変わっていった。いまは部屋においているアロマも甘いものではなく、緑の香りである。

よく考えると、甘い香りは本当は好きではなかったのかもしれない。香水を使い切ることはなかったし。
服に合わせて香りも似合うものにしないといけないという考えに強く縛られていたように思う。

30歳を超えたあたりから、運任せというか適当なものへの許容度がなぜか上がって、未経験なものをある程度楽しめるようになっていた。たぶんそうでなければ、ガチャなんて恐ろしくて引けなかった。香りは見た目と同じくらいにその人のイメージを左右するものでもあるからだ。

しかし、この適当さのおかげで、本当に(?)好きな香りを発見できた。
案外、好きなものややりがいのあるものを見つける時というのは、狙い澄ました計画的行動によるものではなく、適当さや偶然の出会いだったりする。

嫌いなものに自ら接近する必要まではないが、好きとは言えないがどうでも良いものには軽い気持ちで試してみると、思いがけず良い結果に巡り会えると思う。

僕にとっては、そんな適当な出会いの一つが香水のガチャポンであった。

商品紹介

温泉の素。好きなのは別府。

いま部屋に置いているアロマ

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