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ビジネスホテルで自分を調える日。

上京前、わたしはジャニオタだったので本当によく遠征をした。

そこで泊まるホテル(特にビジネスホテル)が大好きだった。コンサートはもちろんだけど、そのあとに泊まるホテルまでセットで全てが遠征の楽しさだ。

上京してきてからはこちらに家があるので大好きだったビジネスホテルに泊まる機会がなくなった。

だけど先日思い立ってあの頃の気持ちを取り戻したくて、コンサートはないけどビジネスホテルに泊まってみることにした。

こんなコロナ禍なのでホテルが安い。夜景が綺麗で駅近のホテルを予約した。ベッドはキングサイズだ。

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部屋に入って、あー!これが私が求めていたものだー!!と、あの頃を思い出して興奮した。

この狭さも無機質な感じも必要最低限のアメニティも小さい冷蔵庫も、わたしがこの数年求めていたものだった。

コンビニで好きな物をたくさん買って食べて、その間にお風呂にお湯を張る。ラベンダーの入浴剤が用意されていた。

極度の潔癖のため、家ではシャワーしか浴びない。湯船が汚れるのが嫌だし、お風呂に入っている時に少しでも汚れを見つけるとすぐ掃除したくなってしまってゆっくりした時間を過ごせないからだ。

だけどホテルではそんな必要が無い。スマホも何も持ち込まずにゆっくり湯船に浸かった。

そして、テレビを見ながらキングサイズのベッドでゆっくり夜を過ごした。

すごく幸せな時間だった。

ただ、昔と違うことがあった。必要最低限のものしかない無機質な空間で過ごすということは、本当に暇だし自分と向き合うことであると感じた。ゲームもだいすきなDVDもない世界はとても孤独だった。上手く言えないけど、ずっとここに居ると、きっと何のために生きているのか分からなくなるだろう。だからこそどう生活に彩りをつけていくのか。好きな物で自分の周りを固めていくのがどれだけ大切か。そして何のために生きているのか、という疑問からどう目を逸らして生きていくのか。

ビジネスホテルに泊まっただけで、わたしは人生も少しだけ悟ってしまった。


すごくいい経験だった。また「調え」に行こうと思う。


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