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お話を子どもとたのしむ Vol.10

新1年生 はじめてのお話会

昨日と今日、続けて2校のトワイライトスクール(名古屋市が各小学校で行っている放課後児童クラブ)で新1年生に向けてお話会をしてきました。
名古屋市の小学校では、この時期、1年生はまだ給食がありません。トワイライトスクールに来た1年生は家から持ってきたお弁当を食べて、保護者のお迎えまでの時間を過ごします。まだ学校生活にも慣れないでしょうに、どちらの学校の子どもたちも、指導員の先生の指示でちゃんと並んで着席し、好奇心いっぱいの表情でお話を聞いてくれました。


プログラム(なごや小学校 32人)
 ヒヨコとネコ (ミャンマーの昔話)
        『ネコ 猫 ねこ 世界中のネコの昔話』(平凡社)より
 腰折れすずめ (日本の昔話)
        『愛蔵版おはなしのろうそく8』(東京子ども図書館)より
 ブラックさんとブラウンさん (藤田浩子)
        『お話おばさんの小道具』(一声社)より
 おおかみと七ひきの子やぎ(グリムの昔話)
        『子どもに語るグリムの昔話1』(こぐま社)より


プログラム(菊住小学校 16人)
 おおかみと七ひきの子やぎ(グリムの昔話)
       『子どもに語るグリムの昔話1』(こぐま社)より
 ちっちゃなねずみがあなにかくれた(手遊び)
 ネコとネズミ(イギリスの昔話)
       『愛蔵版おはなしのろうそく12』(東京子ども図書館)より
 ねずみのすもう(日本の昔話)
       『愛蔵版おはなしのろうそく9』(東京子ども図書館)より


おおかみと七ひきのこやぎ

「おおかみと七ひきの子やぎ」は題名を聞いた途端に「しってるしってる」「保育園で見た」「絵本もってる」と声が上がりました。中には、「あれ?3びきじゃないの?」と別のお話と混ざってる子もいます。「みんなの知ってるお話とおなじかどうか、よぅく聞いててね」と言って始めました。
子どもたちは、子やぎになりきってお話を聞いています。子やぎたちが「あけてやらないよ!」と叫ぶところは満足そう。足を白くしてやってきたおおかみにだまされて戸を開けてしまうところでは、口に手を当てて怖そうにしたり、だめだめと首をふったりしている子も。子やぎたちが食べられてしまったことを聞いて、「おかあさんやぎがどんなに泣いたか、みんなにもわかるでしょう」と話すと、一斉に頷いてくれました。オオカミが井戸に落ちておぼれ、子やぎとお母さんやぎがいっしょに踊り回るところでホッとした様子。今日のお話会では「よかった〜」と声も上がりました。

積み重ねの大切さ

お話会を終えて、「また来月も来ますね」といったら「今度は何の話?」とさっそく次の回を楽しみにしてくれる子がいました。毎月1回ですが、子どもたちは1年間、続けて聞くうちに「耳で聞く読書」に慣れ、もう少し長い話にもついてこれるようになったり、お話の展開を予測しながら聞くことができるようになったりします。毎年3月には「本当によく聞けるようになったねぇ」と仲間と感心して話すのですが、学年が上がると、トワイライトスクールに来る子が減ることもあり、それ以上継続できないのが残念です。
とはいえ、ほやほやの1年生たちが初めてのお話会を楽しんでくれたことは、わたしたち語り手にとって何よりのご褒美でした。さて、来月はどんなお話をしようかな?


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