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SDGs×ビジネス(63):インパクト加重会計

みなさんこんにちは!

私はエネルギー企業で事業開発をする中で、エネルギー×SDGs×ブランディングについて考えています。

このnoteは、読んでいただく読者の皆様と共に学び、知識の整理と共有を目的に継続していきます。

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今回はインパクト加重会計を勉強していきます!


インパクトとは

インパクト加重会計については、こちらの資料がわかりやすくまとめられています。

そもそもインパクトとは、人々や地球にとって重要な正または負の結果の変化=影響のことを指します。現在の社会においてはほとんどのインパクトが、比較可能な方法で測定されていません。

企業が社会や環境に与えるインパクトを貨幣価値として測定・換算することが、現代の資本主義を進化させることになります。財務会計に外部インパクトを組み込もうとした例として、日本における環境会計の取り組みが挙げられます。広く捉えれば、資産除去債務なども環境会計の一端として捉えることができ、現代に生かされているインパクトの一部になりますが、あくまで環境会計は環境に特化したインパクトの測定であり、現代のより広いインパクトの測定には適していません。

インパクトの測定にあたっては、社会的・環境的なインパクトを経営者、投資家などにわかりやすく伝えるため、比較可能な貨幣価値とし、従来の財務数値と同じように業績の分析ができるようにする必要があります。


インパクト加重会計

インパクト加重会計とは、損益計算書や貸借対照表などの財務諸表に記載される項目で、従業員、顧客、環境、より広い社会に対する企業の正と負のインパクトを反映させることにより、財務の健全性と業績を補足するために追加されるものである。
投資家や経営者が、自社の利益や損失だけでなく、企業が社会や環境に与える広範なインパクトに基づいて、十分な情報を得た上で意思決定を行うことができるような統合的な業績を示すことを目指している。

投資家がデューデリジェンス、引受、エンゲージメント、報告の取り組みの一環として、企業のインパクト加重会計の数値を利用するようになること、企業がインパクト加重会計を通じてインパクトを測定・開示し、最終的には標準的な経営・ガバナンスツールとなることが、インパクト加重会計の期待される役割となっています。


今後の展開

インパクト加重会計の設計をリードしているのが、IWAI(インパクト加重会計イニシアチブ)になります。IWAIはThe Global Steering Group for Impact Investment(GSG)とインパクト・マネジメント・プロジェクト(IMP)による研究主導の共同作業であり、ジョージ・セラフェイム教授の指揮の下、ハーバード・ビジネス・スクールのImpact-Weighted Accounts Projectで開発されています。

最終的には、投資家や経営者の意思決定を後押しする形で、外部からのインパクトを透明性をもって把握できる財務諸表を作成することと、投資家や企業がビジネス上の意思決定を行う際に採用され、広く利用される方法論の構築を目指しています。


企業にとって自主的な外部報告の基準が一つ増えるのではなく、インパクト加重会計が21世紀における新たな資本主義のスタンダードを確立することになるのか、財務会計そのもののルールを変えてしまうのか、注目されます。

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