楽しく勝つための現代麻雀技術講座第15回「失点を抑えるコツ」

 第4回「守備の基本」の発展的内容です。一歩進んだ守備の技術を身に付けましょう。

安全牌を抱えるタイミング

 「相手の攻撃が入るまでは安牌を抱えるといった守備は考えない、ただし持っていても受け入れが増えない牌よりは安牌を持つ。」と書きましたが、こだわらない方がいい場合もあります。牌Aは4mを残しても受け入れは増えませんが、4mにくっつくことでタンピンになる強い変化があります。このように、安牌を抱えてもリーチに危険牌を引けばすぐ降りることになる手が、ノーテンからでも押す場合があるような良形高打点1シャンテンになる手変わりがあるなら積極的に残すのが得策です。

 牌Bはメンツ候補オーバーの2シャンテン、57pを落とすと6p受けが減りますが、先に6p以外を引いて手が進めばいずれにせよ切ることになります。牌Bの時点で他家からリーチがかかればほぼベタ降りすることになりますが、安牌を残せば、他家のテンパイが入った場合に降りやすいだけでなく、安牌を切りつつ追い付く可能性も残ります。先制テンパイが難しい場合に、ベタ降りせずに済む手組を目指す。これも立派な攻めの技術です。

牌A 2344m3479p22678s北 打北

牌B 2378m57p2267s北 ポン白白白 打5p

追記 

 牌Aは安牌を残さない事で将来のリーチに押し返しやすくなる手牌。牌Bは安牌を残すことで押し返しやすくなる手牌。私は安牌に残すことにこだわって牌Aから北を残した時期も、安牌を残さないことにこだわって牌Bのような手でいつも北を切っていた時期もありました。厳密な基準を設けることは難しいですが、両者の違いを把握していただければ幸いです。具体的にどのような手牌で、切る牌の危険度がどの程度なら押せるかについては次回取り上げます。

現物を切る手順

 リーチに降りる時も余裕があれば、安牌を切りつつテンパイが取れないかどうかを考えるようにします。メンツを崩すとテンパイを目指せなくなりますが、メンツ候補や雀頭落としなら通ってない浮き牌にくっつけてのテンパイを狙うこともできます。アガリが厳しい手でも、流局してテンパイ料がとれることはそこそこあります。これも立派な失点回避です。逆にテンパイの見込みが無いなら、別の他家が追い付いた時に備え、将来危険になる可能性がある牌から切って共通安牌を残すようにします。

悪形固定でしか当たらない数牌は字牌より通る

 ベタ降りする場合も、「この牌が当たるとすればどのような形になっているか」を考えることで難しいケースにも対応できることは第一章で触れました。ここで具体例を取り上げます。

 例えば図のような場合、リャンメン待ちに当たらないのはスジ8mと西がありますが、8mがリーチ者にシャボやカンチャンで当たるとすれば、テンパイ以前に889mや799mから打9mとメンツ候補を悪形に固定したことになるので考えにくいです。一方、字牌は比較的当たりにくいとはいえ、手作りする側からすれば待ちになった時に強いので手順から否定できることはあまりありません。実際に下家の手は西単騎のチートイツでした。もちろんチートイであることは読めませんが、ベタ降りする以上安全な方から切るべきです。今回はリャンメン待ちに当たらない牌同士の比較でしたが、無スジ同士でも、テンパイ以前にメンツ候補を固定した時だけ当たるような牌は比較的通りやすくなります。

中寄りの牌が安全になるケースは見落としやすい

図の場合、現物もスジもありませんが、6pが4枚見えているので8pはノーチャンスです。しかしシャボや単騎で当たる可能性はあります。

見落としがちですが、実は2pが通っているので赤5pもノーチャンス。しかも赤556pなら打5p、赤56p999sなら打9sとするので、悪形に当たりにくい分赤5pの方が通ります。ど真ん中かつ赤ドラということで盲点になりがちです。

リーチに現物が無いとつい字牌や端牌から切りたくなりますが、今回のように内側の方が安全になる場合もあります。注意してないと特に見落としやすいですので、「当たるとすればどのような形になっているか」を意識するようにしましょう。

追記

 第4回で取り上げた「牌の危険度表と理由」表の丸暗記でなく、理由も合わせて押さえておけば放銃を回避できた例を2つ取り上げました。見えない牌を見えるようになる必要はありませんが、見えていない牌をイメージできるようになることは必要です。待ちまで読む必要はありませんが、現物が十分あって余裕で降りれる場合も、「もし現物が無かったら何が通りやすいか」を考えながら打つと、見えない牌をイメージするトレーニングになります。

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