麻雀用語を用いない麻雀講座を考える第10回「振聴の概念を身につける」

 これまでの内容を覚えただけでも麻雀を遊ぶことは可能ですが、ルールとして覚えておく必要があり、勝つためにも非常に重要な概念がまだ残っています。その一つが「フリテン」です。

 昨今は入門者向けの読みやすい麻雀講座が多々ありますが、あえてウィキを持ってきたのは、フリテンに関しては読みやすさを優先するあまり、正確さに欠ける表現が多々見受けられるためです。上達を目的とする戦術講座であれば、厳密さは重要ではありませんが、ルールレベルの話なので正確な概念を押さえておく必要がありましょう。

 フリテンは「自分の捨牌にアガリ形をなす牌が含まれているテンパイ」と表現されています。「アガリ牌」ではなく、「アガリ形をなす牌」なのは、1翻縛りを満たさない役無しの牌であっても、その牌でアガリ形が完成するのであればフリテンが適用されるためです。フリテンの場合、ロン和了はできませんがツモ和了は可能です(様々なルールがありますが、アガリ形と役が出来てさえいればツモ和了は他の条件を問わず可能とするのが現在の日本麻雀では一般的です。)

 フリテンには他に2種類あり、それぞれリーチ後のフリテン、同巡内フリテンと呼ばれます。

 リーチ後のフリテンは分かりやすいですが、ややこしいのがリーチしていない場合にも適用される同巡内フリテン、麻雀はポン、チー、カンのような鳴きが発声すると、ルール上は巡目が進んだものとしますが、この場合の同巡とは、「次の自分の摸打を経るまで」、要は手番が回ってくるまでのことです。

 以上より、振聴を簡潔かつ正確に説明するとすれば、「①自分の捨て牌②リーチ後の捨て牌③前の手番から次の手番が回ってくるまでの他家の捨て牌とする時、①②③のいずれかと手牌を合わせることで和了形を構成できるような聴牌」となるでしょうか。とてもじゃありませんが、入門者向けの麻雀講座に書けるような表現とは言えません。

 しかし、一般的に言われているような、「分かりやすい説明」が、分かりやすさというよりは読みやすさを優先していることが多いということにも気付かされます。ルールを覚えて楽しめれば十分というのであればそれでもいいですが、麻雀はプレイ人口からすればむしろ「普及しきった」ゲーム。裾野を広げるための活動は既に多くの人が試みているので、個人的には、「一から覚える人が麻雀の本質をつかんで強くなれる」ような麻雀講座を書きたいですね。

 麻雀における守備、振り込み(一人負け)を回避するために必要な技術は全て、「役」と「振聴」の概念が根本となっていると言っても過言ではありません。ルールを覚えたら和了形を作る練習だけでなく、相手のテンパイが入った時に安全な牌から順に頭の中で並べる練習をしてみるのもいいですね。

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浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。Twitter@nemata1632 1984年佐賀県生まれ。 東京大学文学部中退。 著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編」「天鳳公式完全攻略読本」

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