現代麻雀技術論註第5回「麻雀の戦績を勝率で表す」

 麻雀で勝率と言えば、「トップ率」「連対率」「浮き率」と人によって指すものが変わりますが、多人数ゲームなのだから、四人麻雀で1位なら三人を上回ったので3勝。2位なら2勝。3位なら1勝。4位なら0勝として、勝数を(対戦数×3)で割ったものを勝率としてはどうでしょう。要は平均順位ですが、これなら麻雀にあまり馴染みがない方にも分かりやすく、四人麻雀と三人麻雀の戦績も比較しやすくなります。三人麻雀なら1位2勝2位1勝3位0勝。勝数を(対戦数×2)で割ったものが勝率となります。

 勝率6割なら、四人麻雀では平均順位2.2。三人麻雀では平均順位1.8。勝率7割になると四麻平均順位1.9。三麻平均順位1.6。将棋ならプロ同士の対局でもトップ層は勝率7割超を出しますが、麻雀で勝率7割はトップ層vs初心者3人だとしても簡単に出る数字ではありません。天鳳黎明期、段位制限が無かった頃に一般卓のみで打ち続けていた方が居ましたが、四人麻雀で平均順位2.0を切るかどうかというところ。勝率にして6割6分から6割7分です。

 こうしてみると、競技として扱われることもあるゲームの中では、麻雀ほど運の要素が強いものもないことがよく分かります。だからこそ競合相手が少なく、現在の立ち位置を確立できたとも言えますが、麻雀を競技として成立させていくうえでは、どんなルール、フィールドでどの程度勝っているのかを測る指標が必要なのは言うまでもありません。 

 厳密には平均順位ではなく、ルールに応じた平均収支で実力を測るべきですが、それでは普段そのルールで打たない人には分かりにくいという問題があります。そのうえでも、「平均順位ベースの勝率」が戦績の指標となるルールが一般的になるのがどちらかと言えば望ましいと考えます。

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