「麻雀」から「雀麻」へ第6回「打牌選択は全て自分の手番で行う」


 「ポン優先か発声優先か」。麻雀のルール関連で度々問題にされます。個人的には、「チーの発声を聞いてからポンしてもポン優先」いわゆる「邪魔ポン」を認める立場を取ります。

 しかし、意図的な邪魔ポンまで認めるのは抵抗がある方も多いでしょう。発声優先ほどではないにせよ、どのタイミングまでポンを認めるかを確認するのが難しいという問題点もあります。これは麻雀が多人数戦で、相手の手番に行動することがあるが故に起こる問題です。

 「雀麻」では、鳴きも自分の手番に行うものとしてこの問題を解消します。牌をツモる代わりに、一巡以内に切られた牌を鳴いてもよいものとします。「雀麻」は時計回りにプレイするので、麻雀同様「チーできるのは左の人からのみ」としても、「チーよりポン優先」の原則が成り立ちます。

 私が考えたと申しましたが、実は東大麻雀サークル「白」でも同様の試みがされたことがあったそうです。そこでは「ロン」は通常の麻雀と同じルールにしたそうですが、「雀麻」では、「ロン」も自分の手番でする(同巡にアガリ牌が複数切られた場合は、同巡フリテンのルールに合わせるために最初に切られた牌にのみロンできる。アガリ牌が鳴かれた場合もロン優先の原則に合わせてロンできる。)ものとします。「ロン」に関しても、「見逃すつもりだったが、別の他家のロンの声を聞いたのでやっぱりアガる」という、見方によっては不公平と受け取られかねない選択ができてしまうという問題点があります。

 ただし「ロンアガリも自分の手番で行う」とすると、アガリ牌が出ても自分の手番が来る前に別の人にツモアガリ、あるいは別の牌でロンアガリされてしまうという麻雀では起こりえない事態も起きます。麻雀に慣れているとこのあたりはどうしても違和感を覚えることになりそうですが、ルール上の仕様として御了承下さい。

 「全ての行動を自分の手番で行う」ことのもう一つのメリットは「持ち時間」を導入することが可能になるということです。麻雀は大会で制限時間を採用する場合、特定の打ち手が長考してゲームが円滑に進まない(わざと長考して途中で対局を終了させることもできる)という問題が起こります。持ち時間を導入すればこの手の問題を解消することができます。

 また、麻雀は運の要素が強いので、実力差があっても持ち点にハンデをつけるという話にはなかなかならないものですが、持ち時間のハンデなら上手側を持っても構わないという方も多いのではないでしょうか。これなら初心者にも優しいですし、上手側にとっても短時間で精度の高い打牌を選べるようになるためのよい訓練になります。

 「ポン」「チー」「ロン」と続きましたが、麻雀のルールで特にややこしいのは「カン」絡みの問題。「リーチ後にアンカンできる条件として、どのルールでどのように取り決めされているか。」正確に把握できている方がどれほど居るでしょうか。

 「カン」に関連する日本麻雀の特徴と言えば「王牌」があります。実は、「王牌」を廃止しようという動きがありました。王牌がすっかり定着した後だったので普及することはありませんでしたが、「最後の1枚までツモった方がフェアでスマートなゲームになる」という意見には個人的にも頷けるところです。よって「雀麻」でも、「王牌」「ドラ」を採用せず、最後の1枚までツモることで全員のツモ数を平等にすることにしました。「カン」についても、当初は採用しない方針でした。

 しかし、「得点に幅を持たせる」という側面から可能なら採用したいとも思いました。ではカンした後どこから牌をツモればよいか。前回申したように、「雀麻」では自分の手前の6×6の牌から13枚を配牌とし、残りをツモ牌とするのですが、カンしたらもう1枚ツモることにすると、まだ手番が残っているのにツモ牌が無くなるという問題点が起こります。また、リーチ、ドラを採用しないと、打点が増えて1回多くツモれるカンは単にやり得になりがちで、そうすると結局選択の幅を増やすことに貢献していると言えなくなります。

 カンしたら1枚牌をツモるのは、そうしないと打牌した時に牌が足りなくなってしまうから…ある日の麻雀会で、初心者の方がカンして王牌からツモるのを忘れそうになった時に主催から出た言葉を聞いて思いつきました。「打牌しなければ少牌にならない」。そういうわけで、「雀麻」ではカンした時点で手番終了。次の人の手番になります。

 こうすることで、ツモ数の平等性を維持するとともに、「アンカン」は手牌を晒すデメリット、「小ミンカン(加カン)」はカンした牌が他家のアガリ牌になるデメリット(「雀麻」は役としてのチャンカンは不採用ですが、加カン牌でロンアガリはできるものとします。)、「大ミンカン」は手牌を晒すデメリット、ツモ番を飛ばすデメリットがあるので「やり得」にならなくなります。

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