楽しく勝つための現代麻雀技術講座第14回「手役作りの法則」

タンヤオにならないメンツ候補よりタンヤオがつく浮き牌

 3~7の浮き牌にくっつけばタンヤオがつく手であればタンヤオがつかない悪形メンツ候補を落としてシャンテン戻しをするのが有利です。先にメンツができてテンパイを逃しても、1翻アップの手変わりが豊富にある1シャンテンになるので役なしリーチを打つよりもよくなります。

 ドラが複数ありタンヤオがつかなくても高打点が狙える場合も、基本的にタンヤオを狙う方がいいです。今度はテンパイを逃すデメリットも大きいですが、鳴いてあがっても打点があるので、シャンテン戻しによるスピードダウンを補うことができるためです。

6678m3334589p566s 打9p

1146m35678p4赤5678s

打3p 唯一の雀頭を崩すことになる場合はシャンテン戻ししてまでタンヤオを狙わないことが多い。ツモ58pなら打1m。

1146m23468p35888s

打1m  悪形安手濃厚ならタンヤオがつくメンツ候補を雀頭より優先。

悪形タンヤオより良形リーチ

  タンヤオは1翻手なので、悪形タンヤオテンパイよりは、タンヤオがつかなくても良形でリーチできる方がいいです。仕掛けがきくとはいえ鳴くと安くなるので、クイタンよりはメンゼンでテンパイする「よりよい受け」を優先します。

12333467m335p4赤56s 

打5p 先に258mを引いた場合、悪形タンヤオよりリャンメンテンパイになる方がよい

3456799m3577p4赤56s 

打9m 先に258mを引いた場合、カン4sが残るとはいえ役なし7p9mシャボになるよりタンヤオテンパイの方がよい。

1146m55567p34赤567s

打4m ツモ258sはカン5mリーチタンヤオドラ1より1m58p待ちリーチドラ1の方がよい。

ホンイツにならないメンツ候補よりホンイツがつく浮き牌

 ホンイツは鳴いても2翻あるので狙った方が有利になることが多い手役です。役牌ドラ1の2翻良形テンパイとホンイツ役牌ドラ1の満貫悪形テンパイなら、警戒されてアガリにくいといっても後者有利。ですから、あと1手でホンイツの4メンツ1雀頭の候補が揃うようであれば、孤立字牌であっても他色のメンツ候補より残します。リャンメンを落とすのは抵抗がある人も多いと思いますが、先にリャンメンがメンツにならなければメンツ候補を落とすことになり、その時は字牌が残っている方がホンイツ変化が残る分有利になるというわけです。

12334799m34p南発白白

打4p あがった時の打点が4倍になるなら孤立字牌でも強い浮き牌。

12367m23p67s南南西白白 

打3p   メンツ候補オーバーならリャンメン落としてもシャンテン戻しにならないので西が重ならないとホンイツにならないとしても変化を残す

12334799m35p南発白白 ドラ9m

打南 染めなくても役があって打点も高いなら孤立字牌より他色のメンツ候補を残す

1手進んでホンイツを残すなら先に字牌残し

  アガリまで遠い手でも字牌が重なれば思わぬ高打点の手に育つ場合もあるので、ホンイツのメンツ候補が揃うまで数手かかるような手でも字牌残しが有力になることもあります。厳密な基準を設けるのは難しいですが、ホンイツと同色の牌をもう1枚引いた場合に、ホンイツを狙って字牌を残すかどうかを目安にします。メンツをかぶってもアガリ逃さなければ失敗ではありません。アガリに遠い手こそ大胆な手作りが有効です。

1234799m347p南西白白

打7p もう1枚マンズを引くか字牌を重ねれば34p落としていく手なので7sより字牌残し。

134799m347p7s南西白白

打7p もう1枚マンズを引くか字牌を重ねれば打7sとしてホンイツ移行を残す手。7pにくっつくよりマンズか字牌を引く方が多くその方が高打点を狙えるのでこの時点で字牌を残す方がよい。

1134468m24p89s東北白 

打8s 字牌をメンツ候補とみなせばマンズをもう1枚引けばホンイツのメンツ候補が揃う。他色でメンツができてもアガリに遠いのでこの時点でホンイツ本線で進める。

6m1223456779p56s発

打発 ツモ45mで三色1シャンテン、ピンズを引いても一通1シャンテンなら56sを残すので一色手に決めない。

リャンメンができるより嬉しい浮き牌を残す

 三色や一通、チャンタは必要牌が限定されるので、ホンイツほど積極的に狙うことは多くありません。とはいえ、悪形でもリーチ三色ならリーチ平和よりいいテンパイですし、鳴くと安いとはいえ役なしの手が仕掛けてもあがれるようになるならその方がいいです。悪形ターツが残っても役なしリャンメンターツが残るよりよいなら端牌でも中張牌より残します。

 ただし、鳴くと1翻なので、タンヤオや役牌といった他の手役をつけることが容易な場合はアガリやすさを優先します。ホンイツやトイトイへの手変わりもある場合はなおさらです。

123m123赤5777p1599s 

打5s 5sを残してツモ46sより、1sを残してツモ23sの方が強い

13456m13368p1268s 

打1s  三色のメンツ候補が揃ってはいるが、タンヤオへの変化が豊富なので端の三色は見切る。

1235679m279p1388s

打9p 9mはツモ48mで一通、2pはツモ13pで三色がつくので強い浮き牌。

123479m1p77789s北北

打7s 4mはツモ56mで一通、1pはツモ123pでチャンタがつくので強い浮き牌。

チートイより良形、役有りメンツ手

 次の牌姿はメンツ手2シャンテンですが、2枚持ちの牌が4組あるのでチートイ2シャンテンでもあり、1シャンテンになる受け入れだけならメンツ手とチートイの両天秤でに受ける打8pの方が勝ります。しかしそうするとリャンメンテンパイになる受け入れが減ります。リーチ平和テンパイなら愚形チートイテンパイよりいいので、アガリまでの手数が同じならよりよいテンパイを目指してチートイを見切ります。

667m234468p22455s 打6m

11122m66889p西西白発

打9p チートイに決めるよりはトイトイ変化をみてアンコを残す。

役なし悪形メンツ手よりはチートイ

 但し、チートイがアガリまで遠いといっても、役なし悪形メンツ手テンパイよりはチートイテンパイの方が打点があるので有利です。次の牌姿はチートイを見切ってもテンパイした時はほぼ役なし悪形。それならメンツ手のアガリ率が多少落ちても両天秤にします。

1334568m11557s西西 

打7s メンツ手の受け入れは打1mか打8mの方がやや勝るが、いずれにせよ役無し愚形ならツモ9mからの一通変化もみる。

 次の牌姿はメンツ手2シャンテンチートイ1シャンテン、メンツが出来てもチートイを残す手です。それなら両天秤にするよりチートイに決めて、テンパイした時にアガリやすいように字牌を残します。これも、「手変わりより手が進む受け入れ優先」の一種です。

11446699m889p35s北 

打3s チートイを優先して北を残す。赤5s受けがあるので3sから。

116688m1223p7789s

打3p 悪形リーチのみや悪形リーチイーペーコーよりはリーチチートイが勝る。両天秤には取れないのでチートイに決める。

追記

 手役作りで特に押さえておきたいのはタンヤオ、ホンイツ、チートイツの3種と考えます。何故ならこの3種については、第3回「攻撃の基本」第13回「手作りの法則」を押さえただけでは対応しづらい例外的な手作りを要求されることが多いためです。

 麻雀において最も重要な手役は「リーチ」で、リーチを打つまでの手作りが上手ければそれだけで十分勝てるようになります。しかしドラが豊富にあって最速のアガリを目指せば事足りる手牌というのは、昨今の麻雀戦術を学んだプレイヤー同士であれば差がつきにくいところ。利用頻度自体は素早くアガリやすいテンパイを目指す技術に比べれば低いことは踏まえたうえで、手作りと手役作り、両方できる打ち手を目指して他家と差をつけましょう!

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