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【ログイン先は海の向こう】


約1年ぶりに実家を出て、一人暮らしを始めた。
一人暮らしといっても、シェアハウスに住んでるので一人なようで一人じゃない。

バングラデシュ、台湾、ベトナム、中国…

いつも誰かがどこかにいて、かすかな生活音が聞こえてくる。


牛乳を温めにキッチンへ行く


IHコンロには浅くて大きなフライパンが蓋をされたままジュージューと軽い音を立てている。
どこかのドアが開くと同時に、ダダダダダダダダ
っとこちらへやってくる足音がする。

向かいの部屋に住むベトナムの女の子がフライパンの様子を見に来た。

揚げ加減を確認すると、再びたたたたたっと自分の部屋へ戻っていった。


別の日。

キッチンへふらりと行くと、そこで何やら料理している男性が。
バングラデシュ出身だそう。
ちゃんとお話ししたことなかったな、と思い「いつからここに住んでるんですか?」と聞いてみる。

最初は日本語、途中からは英語に切り替えて会話ははずむ。

日本でエンジニアとして働いていること
日本とバングラデシュの人の温かさは似ていること
日本人はやさしいこと
もっとたくさんの人と話したいけど、この家だとシャイな人が多くて寂しいこと


どれくらいの間話していたかわからないが、彼が料理していた大きなパンケーキは冷めてしまったようだ。

海外の出身者が多い、このシェアハウス。
みんなどことなく人と交流することを避けているような感じがしていた。
それは家の作りのせいかもしれないし、性格かもしれない。


でも、「おしゃべり」ってみんなしたい。


自宅にこもることが多い最近。
それでも私はほぼ毎日、誰かと話している。


オンラインを駆使して、インターン先の会社の方とミーティングや雑談をしたり。
Facebookの近況報告を見て連絡をくれた学校の友達とビデオ通話したり。


文字でやりとりする以上に、顔を合わせて話すことは空気や声の共有にすごく大切だ。


「来週、ちょっと話さない?」
「水曜日の20時からどう?」
「了解、ZOOMのリンク送るね」

「会う」「話す」ことの場が「オンライン」であることがこんなに当たり前になるなんて。

私はインターン先で「オンライン」と「国際交流」を掛け合わせたプログラムを行っている。

遠いからこそ、その距離をなくす。
それは同じ会社や学校の人の間だけじゃなくて、国や地域を飛び越えてもいいはずだ。

インターネットにつないだら、画面の先にいるのはずっと遠くの海の向こうにいる友達。

そんな世界、昔の人は想像できただろうか。


自宅にいながら世界中に友達を作る。
学校のこと、家族のこと、将来のこと、恋愛のこと、

何を話そう?
何を聞いてほしい?


そんなわくわくをもって、海外との繋がりを通して自分と向き合えるような人を増やしていきたい。


オンラインだからこそ、できること。

頂いたお礼は知識と経験を得て世界を知るために使わせていただきます。