#推し短歌 名前
駅のホーム
インクの名前を
溶かす雨
一番大事な
九月のページ
9月の雨の日。
駅のホームで手帳を落としてしまった。
文字がにじんでいる。
推しの曲で、続きを描いたような場面がある。
夕暮れの短い瞬間を切り取った曲。
書きかけの青い手帳は雨にぬれている。
誰のものか、わからないまま。
電車に乗りどこか遠くへ向かおうとしている
主人公が、この落とし物を見つめている。
私はすぐに拾ったけれども。
今日は推しの記念日。
印をつけた9月のページ。
雨だか涙だかわからないくらい色々な事があった。
すっかりにじんで消えそうだけれども、
今日はお祝いしたい。
滲んだ名前は、新しく書き換えることに
なるかもしれない。
それでも次のページへと続いてほしいと願う。
10月も、その後も、
笑顔でいられますように。
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