夜舞しずく
記事一覧
ブロッコリーの侵略|短編小説|#同じテーマで小説を書こう
昔、昔、あるところに、おじいさんとおばあさんがおりました。おじいさんとおばあさんは、ブロッコリーを育てていました。
おばあさんが畑の端に、他より二倍も大きいブロッコリーを見つけました。
「おじいさん、これ見てくださいな」
すぐさま、微笑ましく思ったのか、手招きをしておじいさんに教えます。まるで二人とも孫を囲むかのように、しばらく座り込んでいました。
いっそう愛情を込めて育てるようになりまし
時は無常、私は無情。
「あ、個性が消えたな」と、思うときがある。
いつも文章を読みながら、このひとはどんなひとなのか想像をふくらませている。それがある時、パタッと消えてしまうのだ。好きな文章を読んでいると、影響されてしまうのはだれにでもあること。でも、自分が消えてしまうぐらい"ウケている文章をそのまま真似する"ものは読みたくない。
"祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり"
平家物語にそんな一文がある。
わたしはこれ
1人の先生のせいで、音楽が好きになった
いつもエレクトーンの先生はゴディバをくれた。
「甘いもの苦手やからあげるわ。」
よく貰うのに嫌いらしい。喜んで食べていたら毎回くれるようになった。"甘いものが嫌い"というのは嘘かもしれないけれど、そんな優しさが大好きだった。
でも、私はその先生になるまでエレクトーンが、音楽が、大嫌いだった。
"女の子は音楽をできた方が良い"という、親の自己本位な理由から始めて、2歳から17歳まで続けた。私
この世は狂気に満ちている
梅田のビルから女子高生が飛び降り自殺をしたらしい。理由はジャニーズグループNEWSのライブチケットが落選したから。
私は思った。
「そんな理由で?」
でも、これは違う。だって、私がいじめで「死にたい」と、言ったときも同じような反応をされたから。学生時代の人間関係ごときで死ぬのはおかしいと力説された。人生の10分の1にも満たないのだから、と。しかし、私にとっては学校が全てだった。そんな綺麗事ば