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目標は健康になること③

前回

目標は健康になること②

 https://note.com/nekoryuji/n/n343e4e606c99

からの続きです



やればできるようになる。そう言うのは簡単だけど何もできないゼロ以下の状態から何かを始めるのはとても大変なことだ。
それが嫌で苦手で昔から避けてきた事となると余計に大変なことだ。
昔から走るのが嫌いだったし小さい頃から1番嫌いな事だった。
運動は中学校で卒業したし(高校1年で酷い椎間板ヘルニアになったので高校の体育はほとんど全部見学だった)部活も中学校の時はほとんどサボってたし走るのなんて1番嫌いな事だった。

目標は健康になること。を掲げて食生活の改善が順調に進み、身体はどんどん変化していった。
まず手や脚から細くなった。どうやらつきすぎた脂肪は落ちていく順番があるらしい。
おそらく食生活の改善でまず内臓脂肪が最初に落ちた。
落ちやすい半面つきやすい脂肪らしい。
けど見た目にはわかりにくい。
流石に7キロくらい痩せると少しずつ痩せた?と気付かれた。
あくまでダイエットが目的じゃない。健康を目指して生活を改善した結果、自然と痩せてきたのだ。
内臓脂肪は食生活の改善である程度落とせても皮下脂肪はなかなか簡単には落とせない。らしい。
やはりさらに一歩踏み出すには運動は避けられないらしい。
調べれば調べるほどそう思った。
いろんな数値や体重や見た目の変化で身体が明らかに変化してることを実感できたしいつかは運動をし始めなきゃなぁとも思い始めていた。

2019年の9月から食生活を改善して結果的に12月の暮れから運動を始めた。
とりあえずどれだけ自分が運動できるかもわからないし日常化できるとも思ってなかったのでまずは適当にアプリをダウンロードして外を走ってみた。
続くわけないとは思うけどまずは健康を目指した行動をしよう。無理矢理そう考えるようにした。

記念すべき最初のワークアウトは30分。
3.5キロを走っては歩き走っては歩きを繰り返して8分35秒ペースだった。走ったと言っても100メートルも連続して走れなかった。
今でこそ8分35秒ペースというのがどういう数字なのかわかるけど当時は何もわからなかったのでただの記録だった。
仕事に支障が出るくらい翌日は脚がパンパンに筋肉痛なのかどうなのかもわからない状態だった。

筋肉痛が抜けないまま2日後にもう1回やってみるかと思い、リトライ。
さすがに前回の感じで走るのは無理だなと理解できたので走るのは諦めてウォーキングにした。
ネットを見ると走る距離やスピードより何分間有酸素運動をしたかというのが1番重要らしい。とはいうものの何分間運動したという結果より距離や走ったというわかりやすい頑張った証が欲しかった。

2回目のワークアウトは3.85キロを9分半ペースで36分かけて歩いた。
歩くのだったら簡単だなと思ったはずが翌日走った時とは別の所が筋肉痛になり甘くみてたなと思った。
最初に走った時はふくらはぎと太腿が筋肉痛になった。ウォーキングをすると膝の裏とか足の付け根の辺りが痛くなった。
運動しない人が急に走ったり歩いたりすると膝や足首を痛めてしまうらしいという情報もあったのでそこだけは注意して無理しないようにしようと思っていた。

眉村ちあきさんのおばあちゃんがサイドスローという曲がある。


まだコロナが今ほど騒がれる前というかギリギリの頃に新潟に眉村さんがツアーで来るというのもあってその予習も兼ねて眉村さんの曲を聴きながらよく歩いた。
このおばあちゃんがサイドスローという印象的なフレーズ、そしてこのリズム感。
歩くスピードの目安にした。
なんか姿勢も良くなって歩き方もかっこよくなった(気がするだけ)
たくさん眉村さんの曲を聴いてたくさんたくさん歩いた。
新潟のライブもそれはそれはとても最高だった。


歩くのにちょうど良い距離的にもキリの良いコースを決めて8キロの同じコースを2日歩いて1日休むくらいのペースでこなした。
2019〜2020年の冬は記録的な少雪だったこともあり、12月にも関わらず普通に歩けた。
もちろん雪も降ったけどそんなものに負けるわけには行かないので駅前のアーケードを何往復もしたりした。

コースを決めて歩くと段々と風景に慣れてくる。
知らない道を通る時って時間は長く感じるけど知ってる道を通る時って時間は何故だか短く感じる。
やはり何をするのも慣れるまでが大変なのだけれど。

少しずつ歩くのが日常の中に組み込まれて来た頃、走ることもできるようになるかもしれないと何となく思った。何故かとてもポジティブに。

毎回同じコースを歩く中で少しずつ走ってみた。
本当に少しずつ。
10秒だけ走ってみよう、ここの直線だけ走ってみよう、やっぱり走れない、ムリだ、もう1回チャレンジしてみよう、やっぱりこの直線はムリだ、でもこの前より長く走れるようになってるかも、1分間走れるようになったからまたチャレンジしてみよう、あれ走れるようになったぞ、と、小さな挑戦と挫折を繰り返していく中で少しずつ確実に走る箇所を増やしていった。
点と点が線になっていつか途切れることのない線を描けるようになったら良いな。そう思いながら。

コースも8キロから10キロに伸ばし、スタートから1キロだけ走ることに挑んで失敗しながら走れるようになったり、その1キロが2キロになり3キロになり、気がつけば10キロのコースを何回休んだだけでそれ以外は走れたというところまできた。
コースのちょうど真ん中に300メートルくらいの長さのかなり急な登り坂があり、そこだけはどうやっても歩かないとダメだった。
何回チャレンジしてもムリだったので逆にそこを歩いて通る休憩のようなポイントにしてた。

ここまで普通の重い防水の靴や短い長靴みたいなのを履いて歩いたり走ったりしてた。今じゃ考えられないけど。
guで2000円前後で買えるランニングシューズが入れ替えのタイミングで500円くらいに値下げされたので3足まとめて買った。

重い靴を脱ぎ捨て、初めてのランニングシューズ。
なんじゃこれは!今まで履いてたアレと違ってめちゃくちゃ軽い!足が勝手に前に出るど!1キロ通過のペースが今までじゃ考えられないペースじゃ!なんじゃこれは!
そう思いながら勝手に前に出る足に合わせて手を大袈裟に振ると体力が戻る感覚がわかった。
これはもしかしたら今までで1番継続して走れるかもしれないと思った。
気が付けばコースの真ん中まで1回も歩くことなく走れた。この時点で初めての体験だった。いわゆる新記録だ。
しかし10キロのコースの真ん中には鬼の登り坂がある。ここで休むかチャレンジするか悩む事なく登り切ってしまった。
ここを登り切ればあとは帰りは下り多めのコースだからもしかしたらもっと走れるかもしれないぞと思って頑張った。
そして気が付けば8キロ地点。鬼の登り坂も走り切った、これはもしかしたら10キロ走り切れるかもしれない、あと1キロ、よし家が見えてきた、あそこまで行けば10キロ完走だ、着いた、遂に10キロ完走できたぞ。
当たり前だけど平均ペースも今までで1番速かった。

10キロ完走できたことは物凄い達成感だったしかなり自信がついた。
ある程度走れるようになった頃からTwitterでも歩いたり走ったりしてることをツイートするようにした。
晒す事で何かが変わるかもしれないし自分も頑張ろうと思ってくれる人がいるかもしれないので。
誰に教わる事もなくここまで走れるようになった。
何も思わず重い靴で走ってたのはドラゴンボールの重い服的な効果があったのだろう。
それにしてもランニングシューズってすごいな。

そこからは10キロ完走できた回数を数えるようになり、気が付けば当たり前に完走できるようになりタイムやペースを意識するようになった。
今となってはタイムとかペースより有酸素運動の継続時間が重要だと思ってるけどその時はいかに速く走れるようになるかを考えて走ってた。
そのおかげで当たり前に10キロ完走できるだけの体力がついたと思う。ので間違ってはいなかったと思う。

ある程度走れるようになったので走る頻度を変えてみたりした。
天気的に走れる日は可能な限り走ると決めて最低5キロは走る、普段行ったことないところまで走る、ウスバカゲロウの大量発生でコースを決めずに走ったりもした。
色々試すようになった。

途中で遂に膝を痛めてしまった。
3キロくらいは普通に走れるんだけど急に膝が痛くなって次の日から1週間くらい痛みが止むのを待ってまた走るけどまた3キロくらいで膝が痛くなるを何回も繰り返した。
信号のある道でコースを作って途中で膝のストレッチをしたりしたけど改善されず3週間くらい休んだ事もあった。
もしかしてと思いランニングシューズの底を見るとツルツルだった。
原因はこれだなと思いランニングシューズを新しいのに変えた。
重い靴からランニングシューズに履き替えたあの時の感覚が再びやってきた。
足が勝手に前に出る。自然と腕の振り幅も大きくなった。そしてまたしても今までにない速さで走れた。
初めてキロペース6分の壁を越えることができた。
靴って大事なんだなと改めて思った。

最終的にたどり着いたのは車が通らない歩道、信濃川を渡る橋、信濃川沿いの土手、その土手から続く遊歩道なんかを繋げて信濃川沿いをぐるっと周る9キロのコースだった。
車と極力出会わないが犬や猫とは出会えるコースができた。
橋の上は風が気持ち良い、土手も気持ち良い、車と出会わないと安全、車があまり通らないから排気ガスの匂いも少ない、でも犬や猫とたまに出会える。
距離も9キロとちょうどいい。
速く走ることより余裕を持ってラジオを楽しめるくらいの無理のないペースで走ることにした。

朝も昼も夕方も夜も
晴れた日に走ると気持ちが良い
雨が降ると晴れてた日がいかにありがたかったか気づく
雪が降り積もると雨でも走れたじゃんってなる
今シーズンは雪がたくさん降り積もり、体育館で走るようになった。
自分で決めたコースを走ってた時はニヤニヤしながらラジオを聴いて走ってても誰も見てないから大丈夫だったけど体育館は他にも走ったり歩いたりしてる人たちがいる。
ニヤニヤしながら走ってたら完全にヤバいやつだ。
路上でイヤホンまたはヘッドホンをしてニヤニヤしながら走ってても完全にヤバいやつなのかもしれないけれど。
完全にヤバいやつでも見つからなければ良いだけのハナシ。
路上は見つかるリスクがそこまで高くないから平気で声を出して笑ったりもしてたから体育館ではそれだけは気をつけたい。
あと体育館は1周200メートルのランニング走路を何周もするんだけど急なコーナーが足に負担がかかるのと風景が同じで飽きるのでとても長く感じる。
それでも走りたければ体育館に行くほかない。
健康を維持するのは大変だ。

こんな感じで運動嫌いの体力ゼロ人間が健康を目標に運動をやり始めたわけです。
誰に頼るわけでもなく一緒に取り組む友達がいるわけでもなく教わるわけでもなく始め、続いてる。
正しいフォームなのか、本当に膝が痛かったのは靴だけのせいだったのか、自分の体力に合ったペースと距離なのか、完全に自己流だけどそれなりのペースで走れるようになったし、この前計算したら1年で900km以上歩いたり走ったりしてた。
買ったのは靴と夏用冬用のウエアと激安ランニングシューズ3足くらいだ。
目標は健康になることを掲げ、食生活の改善とウォーキングとランニング、少しの筋トレ、最近ではプール、それらを続けて健康を目指してたら1年で20キロ以上体重が落ちて健康診断の結果もオールAだった。1年であり得ない改善だと思う。ここは自分で自分を褒めてあげたい。頑張った。
単純に体重を落とすだけは簡単だと思った。一時的に体重が落ちて喜んでもそれだけじゃ何も変わってないし変わらないしすぐ元に戻る。
健康という身体の頑丈さを大前提に体重を落としながら筋肉と体力をつけることはとても難しいと思った。
人間を容器に例えると一時的に中身を減らすのは簡単、たくさん出して中に何も入れなきゃ良いだけのハナシ。
容器の中身を減らしながら容量を小さくして容器自体もより頑丈にしていかなきゃ意味がない。
わかりにくい例えになってしまったけどなんとなくわかって欲しい。
脂肪がなくなってきて筋肉がついてきて〜を身体のいろんな場所で見てきた。
見た目はかなり変わっているのに体重は変わらないどころかちょっと増えてる?みたいなこともあった。
体重は単純に身体の重さの数値であって筋肉と脂肪と見た目の太さや細さとは全然比例しない。ただの数字の羅列。そう気づけたので自然と体重は見なくなっていった。
最近プールに通うようになったんだけど1ヶ月くらいでウォーキングとランニングでは届かないところに効いてる感がとてもあります。

偉そうなこと言ってますがまだまだ全然だと思っているのでこれからも継続していきたいです。

ウォーキングの途中途中で走り始めて段々走れるようになって10キロ完走できるようになったりした時期くらいから「やればできる」と思えるようになった。
これをキッカケにもっといろんなことやってみたいな、やってみようかな、と思うようになり…


(つづく)

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