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メトロポリタン美術館展のはなし

 大阪市立美術館で開催中の、メトロポリタン美術館展に行ってきました。フラ・アンジェリコから始まってクロード・モネで終わる、”もう、お腹いっぱいです!”と言いたくなるようなラインナップ。名だたる画家たちの絵画があまりにも無造作に(としか思えないぐらい)並べられているので、鑑賞後に注釈を見て「フェルメール…フェルメール⁉︎」なんてびっくりする、ということを何度かやらかしました。ラファエロも、佐々木蔵之介さんの音声ガイドを聞きながら観ているのに簡単に流してしまうような体たらく。それというのも、わたしの頭にはラ・トゥールの名前しかなかったからです。
 
 ジョルジュ・ド・ラ・トゥール、中学生の頃から大好きなんです。『大工の聖ヨセフ』のような蝋燭の灯りに照らしだされた静かな絵も好きですが、『いかさま師』のようなお綺麗でない絵も大好き。今回展示されていた『女占い師』はお綺麗でない絵の代表格ですが、描かれた女性たちの目つきの嫌らしさにゾクゾクします。顔を見ただけで何か悪いことが行われているんだな、と分かってしまう表現力。隅から隅まで、じっくりと堪能してきました。
 
 そのほかで印象に残った作品は、まったくのノーマークだったベラスケス(まあ、ラ・トゥール以外は全部ノーマークだったんですけど)。『男性の肖像』は、男の人が描かれているだけですが、とても見応えがあって驚きました。今これを書きながらネットでも見てみましたが、あの筆遣いを捉えるのは画像では難しそう。ベラスケス、ちょっと追っかけてみようかな。

 今日は良い天気だったので、行き帰りに天王寺公園の中を歩くのも楽しかったです。そのまま帰るのも勿体無くて、環状線で大阪まで出てお茶をしました。テラス席は風が強くて工事の音がひっきりなしでうるさかったけれど、視界の開け方が気持ち良かった。大満足の1日でした。


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