震災で亡くなったヤンキー幽霊と話したことについて
あ…ありのまま今起こった事を話すぜ！
さっき私は、東日本大震災の津波で亡くなったヤンキー男の幽霊と電話で話をした。
な… 何を言っているのか わからねーと思うが
どうも。ジョジョのポルナレフ風に書き始めましたけど、もうホントそんな感じ。
私には、私の出身地である茨城に住んでいる友達Rちゃんがいて、最近悩んでいそうだったので、前向きになれたらいいなあと、タロットで占ってあげたり、スピリチュアルの世界を教えたりしたんです。
そしたら元々ヨガをやってることもあってか、その方面の才能があったようで、タロットも買ってヒーリングまでできるようになり、様々な怪奇体験をしてしまうようになってしまったみたいで。
そして今回ついに幽霊に取り憑かれてしまったと。で、家族総出で除霊しようとしているらしい。
自分が統合失調症なのではないかと恐れる彼女。
私も半信半疑でありながらも、とりあえず電話しようかというと、
「いいけど、Kくんが出るよ」
とのこと。Kくんとは、そのヤンキー幽霊の名前。了承して電話する。開口一番、
「ねーーーーーこまぐれちゃあーーーーん！！話聞いてるよーーうぇーーい！声かーわいいねええーー
つか、俺ら話題なくね？？」
何？Rちゃんふざけてんの？と思うも、その後のしゃべり方が明らかにRちゃんではない。テンポも声も違う。いつものRちゃんは、おっとりでゆったりすぎるくらいのザ・癒し系なしゃべり方なのだ。
そして何より、Rちゃんが絶対知らないであろうことをポンポン話す。
8年前に東日本大震災で仙台の若林区の津波で亡くなったことを教えてくれたKくん。
そのヤンキー幽霊Kくん、なにかと色々毒づいてくる。
「スピ好きなんだって？ないわ〜〜俺、そういう女だいっきれえ」
…スピリチュアルな存在である幽霊が言うなよ。
「もうお前もさーその歳ならいい加減結婚して幸せになれよな」
うるせえーー死んでなかったら殴ってるところだったわ。
Kくん「ところでさあ、お経？あれうるさくてまじ勘弁してほしいわ。俺幽霊じゃなくて人なんだからさ。意味わかんねえしよ」
私「そうなんだ…（人じゃないけど）」
私「なんでRちゃんに取り憑いたの？」
Kくん「元々こいつの家の前の公園にいたんだけど、こいつがいたから。目の前に女いたら入るっしょ」
私「…」
Kくん「俺はただ、K美と子供に会いてえよ…」
K美とはKくんの妻らしい。
私「なんで宮城の人なのに茨城にいるの？
っていうか幽霊ってどこでも自由に行き来できるものじゃないの？K美さんのとこに飛んで行けばいいんじゃあ…」
Kくん「しらねーよ！行けないからここに居るんだろーが。
茨城は、ロッキンジャパンがあって楽しかったなあ、K美と子供と、湘南乃風聴いてさー。あー湘南乃風サイッコー！若旦那サイコー！ミン⚫️みたいなブスと結婚したけどさあ」
…湘南乃風、幽霊に人気。
湘南乃風といううるさいほど生きるエネルギーに満ちた存在と、幽霊というギャップが、なんともシュールに感じる。
ロッキンジャパンで茨城と縁ができて、地縛霊みたいになってしまっているのか？
私「ねえ私、震災ボランティアに行ってたんだよ。泥かき。石巻と南三陸。」
Kくん「うわ、ボランティアとかだっせー泥かきとかしゅみわりーー」
私「…（死んでなかったら殴ってるぞ）」
私「なんか、こうなってほしいとかあるの？例えば地元がとか」
Kくん「ねーよそんなの！俺はただ、K美と子供に会いてえよ」
私「…まあなんかさ、いろいろ、大変だったよねKくんは」
Kくん「そうやって同情するのはやめたほうがいいぞ、俺はいい霊だからいいけど、俺も俺の中の悪い霊とたたかってる」
友達によると、Kくんは般若心教を聴きながら「俺、いい霊〜♫いい霊〜♫」って横ノリで揺れてるらしい。楽しそう。
余談ですが、その前の前世のこともわかるらしく、Kくんは新撰組の人で、Rちゃんが近藤勇らしい。
歴史上の話をたくさん教えてくれた。（これも、おそらくそこまで歴史に詳しくないRちゃんは知らないであろうこと）
私は、KくんをK美さんとお子さんと会わせてあげられたらいいなあと思って、つい色々根掘り葉掘り聞いてしまったら、
おせっかいだったのかちょっと怒ってしまった。
うーん。難しいね。
「俺は、成仏したらK美と子供を守るよ。ついでにこいつ（Rちゃん）とその家族もな」
とのこと。
今はとりあえず、Rちゃんがいろいろ心配すぎる…。
明日、成仏させるために除霊するんだって。
Kくん、
「おまえ、しゅみわりーけどいいやつ。
生まれ変わったら飲みにいこうぜ」
だって。
うん。君が生まれ変わったら、飲みに行こうね。
『湘南乃風』が好きなヤンキーとサブカルスピ女の私が話が合うかは微妙だけどさ。
#エッセイ
#君のことばに救われた
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