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そして虹の橋へ

綺麗なキャットタワー

猫と毎日通院して抗生物質と輸液を投与してもらう。これがルーティーンになった。昔は猫キャリーを見る度に即座に逃げていたが、今はもうそれが出来ない。逃げようとする素振りがあるが身体がおいつけない。階段へ逃げてもすぐ捕まってしまう。そんな現実が悲しかった。
猫自身で毛づくろいをする事がなくなり次第に毛はボサボサになった。毎日クシで梳かし、汚れている所は拭いてあげた。
今思えば、猫は長らくキャットタワーに登っていなかった。この事に早く気づいていれば異変に気づけたのだろうか。あんなに高いところが好きだったのに、本来すぐ猫の毛で汚れるキャットタワーは、随分前に掃除した綺麗な状態のままだった。


壁を蹴って寝るにゃ〜


おわかれ

朝起きると猫の様子があまり良くない。輸液をしに病院へ行き、先生に相談をした。目の奥や口の中の皮膚が真っ白で、貧血症状が深刻だと言われた。そして血液検査をし、結果の紙をみて思わず泣いてしまった。素人の目で見ても病状が悪いことが分かった。
夕方、猫は2階の部屋で失禁していた。「もう長くはないのかもしれない」内心そんな事を思いながら、汚れた身体を綺麗にしてあげた。いつ病状が重くなっても良いように、リビングに猫の寝床を作ったが、いつもの様に玄関へ行ってしまった。その足取りはフラフラで、歩くのが精一杯な様子が伺えた。

猫の傍に行くとヨダレが出ている事に気がづいた。ヨダレが出ると言う事はもう有害物質を尿と一緒に、排出出来ないほど悪くなっているという状況。そして段々と病状が重くなり猫は亡くなった。享年2才だった。
つい2ヶ月前に誕生日を迎えたばかりだったのに。
目を閉じて眠る猫の身体を何度も撫でた。たくさん話をして毛並みを整えた。その日は一緒にリビングで寝た。寂しくならないように傍に居た。
数日後、最後のお別れをし猫にたくさんの感謝を伝えた。約50分の火葬を終えて、骨を骨壷に収めて火葬場から帰宅した。

ひんやりシーツ気持ちいにゃ


さいごに

猫が旅立って数ヶ月がたち、私の気持ちも少しだけ落ち着いてきた。
やはり些細な事で思い出して泣いてしまう事もある。
それだけ猫の存在は大きかった。ひょんな事をきっかけに保護して飼って、猫と一緒に過ごす生活はとても充実していた。
のんびりしている時に、ここに猫がいたらなと思う事が多々ある。
猫の好きだったこたつ布団を出す季節がやってくるというのに
もうフミフミする姿をもう見られないと思うと本当に悲しい。

こたつ布団はあったかいにゃ〜

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