猫吸い

20代芸大生による思考の掃き溜め。

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最近の記事

本を読むということ

二十歳をすぎた頃から本を読むようになった。 それまでも本は読んだり読まなかったりを繰り返していたが、明らかに二十歳を超えてから私の読書量というのは増えた。 何か大きな転機となる出来事があったわけではない。自分でもはっきりとした理由はわからないままだ。 両親とも読書家、とまで言うかは分からないが本が好きな人たちで、本をよく読む人たちだった。それゆえ私は昔から本を読むように教育を受けてきた。育てた当人らにその自覚があるかは分からないが、私はその印象があるし同時にいくつかおすす

    • 父が父じゃなくなるとき

      ノートを探している時だった。私は自分の本棚から父親の手紙を見つけた。 手紙と言っても私宛ての、いわゆる父から娘に向けて渡された感動レターではない。父が自身の旧友に宛てた手紙の下書きだった。 父は趣味などにとにかくこだわりが強い人間だが、あまりそのこだわりを私たちに語ったりするようなタイプではなかった。自分や同志の内輪で楽しみ、そのくせ人の好みや趣味を勝手にセンスが良いだの悪いだのとジャッジする、無害なのかひねくれているのかよく分からない人間である。 私はそんな父についてよく

    本を読むということ