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【あらためて“保育所保育指針”#03】

 こんにゃちは🐈、猫月だんくるおすてうすです。

 今回は、保育園を利用している子どもたち、その保護者、また働く保育者に関わる重要なもの“保育所保育指針”についてお話ししていきます。
 保護者の方の中には、「“保育所保育指針”って、何?😲」と思う方もいらっしゃるかも知れません。
 保育士も、保護者に保育所保育指針について保護者や子どもたちに説明する機会は、なかなか無いのが現状だと思います。
 ということで、保育所保育指針の内容について触れつつ、私はどう保育を心懸けているかについてお話ししていきたいと思っております。

 以前、保育所保育指針の総則「1:保育所保育に関する基本原則(1)保育所の役割」の記事を書きましたので、こちらも読んでいただけるとありがたいです。
 それを前提にして、今回は、
第1章 総則
  1:保育所保育に関する基本原則
  (3)保育の方法
 についてお話ししていきます。

○保育の方法ー

 まず、保育所保育指針(以下、保育指針)ではどのように記載されているかをご紹介します。

(3)保育の方法
保育の目標を達成するために、保育士等は、次の事項に留意して保育しなければならない。
 一人一人の子どもの状況や家庭及び地域社会での生活の実態を把握するとともに、子どもが安心感と信頼感をもって活動できるよう、子どもの主体としての思いや願いを受け止めること。
 子どもの生活のリズムを大切にし、健康、安全で情緒の安定した生活ができる環境や、自己を十分に発揮できる環境を整えること。
 子どもの発達について理解し、一人一人の発達過程に応じて保育すること。その際、子どもの個人差に十分配慮すること。
 子ども相互の関係づくりや互いに尊重する心を大切にし、集団における活動を効果あるものにするように援助すること。
 子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成し、子どもの主体的な活動や子ども相互の関わりを大切にすること。特に、乳幼児期にふさわしい体験が得られるように、生活や遊びを通して総合的に保育すること。
 一人一人の保護者の状況やその意向を理解、受容し、それぞれの親子関係や家庭生活等に配慮しながら、様々な機会をとらえ、適切に援助すること。

保育所保育指針 第1章総則(3)保育の方法 

 保育園では「保育の目標」を立てて保育をします。
 その目標を達成するために、どんなことに気を付けて、毎日の保育を組み立てていくのかが、「保育の方法」になります。
 留意事項として6つが挙げられていますが、ポイントを読み解いていきましょう。
 (今回も概要の説明なので、ちょっと堅めの文になっていきますが、ご容赦を😜)

○子どもが主体であることー

 “主体”って、何でしょうか?🤔

 突然の哲学w
 いやいや、保育って哲学的なんですよ😁
 保育の方法として「子どもの主体としての思いや願いを受け止めること。」が明言されています。
 でも、方法という割には、具体性に欠けるような気もしませんか。
 “主体”の意味がハッキリしないと、実践は難しいですよね。

 “主体”とは、端的に言ってしまえば、
 「自分は自分らしくある」こと、
 「自分のすることは自分で決める」ことです。
 保育園は集団生活の場ですが、最優先されるのは子どもが自分らしく過ごせることです。

 保育の計画は保育士が立てますが、実際に活動するのは子どもたちです。
 子どもたちが、自分から活動したくなるような計画を立てる。
 子どもの目線になって、楽しみながら”そうしたくなる”ような計画ですね。
 子どもが今、どんな遊びをしたいか、生活の中でどんなことに自信や興味を持っているか。
 そこを、ひたすらに見つめることが、入口だと思いますよ。

〇自己を十分に発揮できる環境を整えること―

 子どもが主体であることとリンクしますが、
 子どもが自分のできること、やってみたいことが十分に発揮されるには、
 整った環境が必要です。
 キッチンがごちゃごちゃっとした中で、美味しい料理を作ろうとしても、難しいですよね。やる気すら削がれてしまうかも。
 子どもが意欲を十分に発揮できる環境を整える
 もし、子どもたちが「できるのにやらない」ような姿を見せていたとしたら、それは子ども自身よりも、その日の、その時間の環境に支障があるのだと思いますよ。
 子どもの気持ちがどこで躓いているのか、そこを注視したいですね。

〇発達過程に応じて保育すること―

 ヒトには発達段階があります。しかも成長のタイミングは、十人十色。
 そして、常に右肩上がりでもありません。
 集団で保育をしていても、一人一人の発達過程に合わせて保育することが必要です。
 制作活動のように、一つの作品ができる活動は、同一の結果を求めがちです。
 でも、ヒトには得手、不得手があります
 それを前提に、計画を立てたり、環境を整えたりする。
 「全員が、全く同じ」と考えるのは、保育から最も遠いものでしょう。

 あまり好い例えではないですが…
 あるテストで、クラスの平均点が60点だったとします。
 点数が似ていたとしても、同じテストの中で正解した問題、誤答した問題は、一人一人違いますよね?
 保育に点数はつけられませんが、
 どの子も自分の持ち味を発揮しながら、自信を持って取り組める保育。
 それを考えていくことが、保育士の仕事の羅針盤です。
 ざっくりな言い方をすると、大きな輪の中に子どもたちがいれば、それで良いんじゃないかと思っています。
 輪の中にいて楽しんでいれば、座っていても、走っていても、その保育は子どもたちの発達過程を包括できているのではないでしょうか。

○集団活動を効果あるものにすること―

 「子どもは、子どもたちの中で育つ」
 頻繁に登場させている言葉ですが、
 “集団”における活動を効果あるものにする、というとクラス全員に同じことを、と考えてしまいますかね。

 では、集団の最小単位は何人でしょうか?

 二人以上です

 二人いれば、自分と違う遊び方、考え方、モノの見方といった刺激があります。
 「一緒にやりたい」と思うこともあれば、「これは譲れない」経験もあるでしょう。
 誰かの役に立てば嬉しいですし、悲しいとき、悔しいときに共感してもらえたら安心するでしょう。
 そういった子ども同士の関わりを十分に保障できるような保育を、子ども同士の姿から見出していきたいですね。

○生活や遊びを通して保育すること―

 「生活や遊びを通して総合的に保育すること」とされていますが、
 “総合的”とは、保育の五領域の視点を持って保育を行うということですね。
 「生活や遊びを通して」ということは、特別なシチュエーションを用意する必要はないということです。日常的な状況の中で、子どもたちが主体的に、子ども同士で関わりながら、自分を発揮できることが重要なのです。

 保育計画を立てていると、ついつい運動会や発表会などの“大きなイベント”に意識が引っ張られがちです。
 ですが、重要なのは日常です。
 運動会も、発表会も、子どもにとっては1/365日です。
 平日より価値のある日と思っているのは、大人だけです。
 大人の価値観で、子どもの大事な日常を曲げないように心懸けたいですね。

○保護者に適切な援助をすること―

 子どもの最大の味方は、保護者です。
 「愛のない親はいない。ただ、愛の伝え方を知らない親はいる。」
 とも言います。
 愛を伝える、表現するには、技術が要るのです。
 その技術を知らない、経験をしたことのない保護者は、現代では多くなっているのかも知れません。
 保護者支援には、その技術の伝達も含まれると思います。
 保護者の状況、様子を理解、受容し、適切な支援を行っていく。
 保護者が安心して子どもを預けられる保育環境であれば、保育士の言葉も届きやすくなっていきます。
 子どもと、保護者と、どちらもが安心して通える保育園であるよう、
 また「子育ての喜び」を感じてもらえるよう、
 保育士が、親子のかすがいであるように努めたいですね。

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。
 今回は「保育の方法」の項でしたが、具体的な方法というよりも、方法の根っこにある心構えのような内容となっています。
 ただ、この保育の方法の根っこを持っているかどうかが、保育の質を向上できるかどうかに関わってくるでしょう。
 哲学的な要素でもあるかも知れませんが、
 自分の保育を確立させるためにも、咀嚼して、保育を考えるときの端緒としてもらえたらと願います。

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